しろいるか旅行記

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旅行が好き だいたい週末更新

2024年1月【1/3】岡山「湯原温泉 湯の蔵つるや」泊 オオサンショウウオへの愛が凄い温泉地と、ベンガラ色の街並みが美しい吹屋地区観光。

こんにちは、しろいるかです
2024年1月、岡山県広島県にまたがり旅行をしたときの記録です。

旅の全行程

本記事は太字部分が対象です。

【一日目】
湯原温泉街散策
宿泊:湯の蔵つるや

【二日目】
吹屋ふるさと村~旧吹屋小学校
宿泊:ベラビスタ スパ&マリーナ尾道

【三日目】
足守藩侍屋敷~備中高松城
宿泊:Villa Stella Cruise&Spa Resort

【四日目】
お好み焼きほり~岡山後楽園

 

湯原温泉

岡山県といえば温泉のイメージはあまりないですが、県北の方に美作三湯と言われる温泉地があり、その中のひとつ、湯原温泉へ行ってみます。

湯原温泉砂湯という、無料で入れる広い川沿いの露天風呂が有名で、それが当初目当てだったのですが、いざ行ってみると湯原温泉ならではの面白いものがありました。

 

湯の蔵つるや

夕方、湯原温泉にある宿に到着しました。もともと酒造だったというお宿です。

外観。メインストリートではなく少し裏路地に面してます。

 

中に入ると目を引くのが吹き抜けの玄関。奥には庭もあり、庭を囲んで建物が建っている感じです。外から見るより大きいですね。

 

フロントの眼の前にいるこの謎の置物…

 

そう、オオサンショウウオです。

なんとオオサンショウウオが店番をしています。

 

それどころか、ここにも…!?

このオオサンショウウオ京都水族館で連れて帰れるタイプのやつですね笑 うちにもいます。

京都でオオサンショウウオを連れて帰った。

 

中庭に出てみると…

 

まさかのオオサンショウウオが飼われてる!?

天然記念物だから保護されてるというべきでしょうか。

 

これほどまでにオオサンショウウオ推し。これは湯の蔵つるやが特別なのではなく、なんと湯原温泉自体がオオサンショウウオを祀り上げているのです。

この地方では、悪さをしていた巨大なオオサンショウウオを退治したところ、その祟りに見舞われてしまったという昔話があります。以来神としてお祀りしているのだとか。

なお、ここではオオサンショウウオのことを「はんざき」と呼ぶそうです。由来は半分に裂けても生きているほど生命力が高いということから!

はんざきという名前の由来とか、祟りとか、微妙に怖い話ばかりだけど…

実際にはなんだかユーモラスな見た目と相まって全然怖くない

 

これは、温泉街に出ても色々オオサンショウウオがたくさん見られそう。

 

お宿の話に少し戻ります。

木造のお宿でなかなか古さはあるものの、趣が感じられます。今回のお部屋はスタンダードな和室。客室露天付きのお部屋もあるようですね。

 

中も綺麗でした。眺望は残念ながらなし。

 

旅館の和室として必要なものはだいたい揃ってます。

 

もともと酒造だったからか、お酒の試飲サービスとして、お食事前に6種類の地酒をいただけました。それほどお酒に強くない私たちは割とこれでもういっぱい笑

 

湯原温泉街の散策(夕方)

温泉街の散策へ出かけます。お天気がいまいちだったのと、既に日が暮れかけていたため、とりあえず様子見です。本格的な散策は明日にしよう。

すごく山あいの温泉地です。山陽地方と山陰地方を分断する山脈の中にいる感じ。

 

湯原温泉街に沿って流れる旭川岡山市街にまで続く大きな川です。

 

温泉街の最奥には、なんとダムが!!

ダムの手前の温泉地って珍しい。そしてこのダムの手前に有名な砂湯があるというのです。

明日行ってみよう。

 

温泉街には大型旅館が何件と、こじんまりとした旅館が混在しています、このあたりは風情ある旅館がありますね。

 

ほわっふる。今どきっぽいワッフル屋さんもみかけました。最近オープンしたみたい。

 

夕食

とりあえずのお散歩を終えて、夕食へ!

半個室のような場所でいただけます。

 

やっぱり旅館の食事場所は、個室っぽいと落ち着きますね。

 

メニューは基本全部出しで、あとから茶碗蒸し、焼き魚と天ぷらが運ばれてくる形です。

 

実はまだ正月三が日。ささやかな正月メニューになっていて、前菜には縁起物がありました。

 

山あいの温泉地だけど、お魚もしっかり出てきます。この辺はお正月だからなのかな。

 

朴葉味噌。飛騨周辺だけかと思っていたら岡山でも。

 

ワカサギの南蛮漬け。

 

茶碗蒸し。

 

焼き魚はヤマメ。宿によってイワナだったりヤマメだったりしますが、どっちも安定の美味しさ。

 

もと酒造だからか?日本酒で蒸した肉野菜。

 

最後に天ぷらです。お腹を空かせていて良かった!というぐらいお腹いっぱいです。

 

最後はごはん。お吸い物にふと目をやると…

 

めっちゃ小さいカニがいたー!!

貝に挟まってたのかな。

 

デザートはいちごのババロア

温泉宿に望む感じの料理が詰まったメニューでした!

安定感あるラインナップだった

 

湯原温泉、夜の散策へ

お腹もいっぱいになったし、夜の温泉街散策へ向かいます!

中庭はライトアップされていい感じ。

 

中庭で飼われているオオサンショウウオは、じっと見ていると微動だにしないのですが、時間をあけて見に行くとその都度場所が動いていて面白いです笑

 

それじゃあ外に出てみようかな。

 

お酒屋さん。結構遅くまで空いていて、ごはん後でも買いに行けます。湯原温泉にはコンビニがないのでありがたいですね。

 

店内もなかなかの品揃え。

そしてこの左手前のやつは、まさかのオオサンショウウオっぽい。

今後、こんなところにも!?というレベルでオオサンショウウオを見ることになるのです。

 

中心街のあたり。ここに外湯もありました。

 

さらに奥、砂湯の方へ向かいます。奥にあるのは砂湯と旅館だけ、通り抜けができないので車通りもそれほど多くなく、歩きやすい温泉街ですね。

 

ライトアップされた素敵な橋。この奥にある旅館が一番豪華そう。

 

砂湯の近くにあったおしゃれな居酒屋!

何件か料理屋さんが開いているのは見かけましたが、素泊まりのときは事前確認したほうが良さそうな感じです。

 

一通り散策を終えて、眠りにつきました。

 

朝食

朝ご飯も夜と同じ半個室でいただきます。

卵ご飯が美味しい。めっちゃ濃厚な黄身でした。

 

お鍋もあり。

 

大浴場

そうそう、お風呂の紹介を忘れてました。

男女別に大浴場があり、深夜で入れ替わります。あとは有料の貸切風呂が一つありますが、そっちは利用せず。

 

男女別のそれぞれだと、手前側のお風呂の方が広いです。こちらは手前側のお風呂の中。

湯原温泉では源泉かけ流し宣言をしており、すべての宿で厳選かけ流しを実現しています。(浴槽によっては循環併用の場合もあり)

自噴していて湯量豊富なうえ、湧出温度も40度後半ぐらいなのでかけ流ししやすそうなコンディション。わずかに硫黄の香りもあり、なかなか良質なお湯です。

浴槽からのオーバーフローがかなりあり、ドバドバ系な温泉ですね。

お湯が新鮮だと入っていて気持ちいい

 

露天もありますが、個人的には内湯のほうが泉質良かった気がする。

 

こっちはもう一方の浴場。狭い方です。

 

見た目は飾り気ないですが、こっちもオーバーフローがたっぷりの良い温泉です。露天も同様にありました。

このあと紹介する砂湯は足元湧出の温泉だし、これほど良質な温泉が岡山にあるとは知りませんでした!泉質にこだわる人でも満足できると思います。

 

はんざきセンター

朝、お天気も回復してきたし、本格的に温泉街を散策です。

 

川沿いを歩く道が整備されていて、朝のお散歩にも最適。

 

これはまさか…

 

やっぱりオオサンショウウオ

足湯です。

 

温泉街のはずれの方にある、はんざきセンターという施設を目指しています。

市営の施設で、保護しているオオサンショウウオをたくさんみることができるんだとか。

 

途中、足湯公園を抜けていきます。

 

またでた!ほんといたるところにいます。

 

ここにも!

 

はんざき大明神が、ここで祀られているんでしょうか。

 

小さな祠があったので、オオサンショウウオの繁栄を祈っておきました。

 

そしてついに到着、はんざきセンターです。

ふてぶてしいオオサンショウウオが出迎えてくれます。

 

内部は決して大きくないですが、オオサンショウウオを間近に見ることができる貴重な施設です。

 

こんな愛くるしい?すがたを存分に見られます。

 

手が意外とかわいい。

 

謎の黄金のオオサンショウウオ

 

そして、センターの外にあるのが、このはんざき神輿

お盆の季節に行われるはんざき祭りで使われるもので、この二基に加えて、はんざきねぶたまであるんだとか…。

ここまでオオサンショウウオにフォーカスした土地をいまだかつてみたことがないです。

 

なかなかリアルなフォルム。ブツブツがすごい。

 

大きな口とつぶらな瞳がチャーミングですね笑

このお祭り、いつか見に行ってみたいなぁ…

 

砂湯

続いて、今度こそ砂湯に入りたい!温泉街の最奥にまた行ってみます。

 

このダムのふもと、右手に見えるのが砂湯です。

 

誰もいなさそうなのでちらっと写真を。

河原から足元湧出する温泉に入ることができるようになっており、なんと24時間無料で入ることができます。浴槽もかなり広く、脱衣所もあり、管理もかなり行き届いています。

これを維持するのはかなり大変そうですが、温泉街の方々の努力に感謝ですね。

 

このようにオープンな場所なので水着・湯浴み着の着用が推奨なのですが、ほんとうに残念なのが、着用義務はないんですよね…。

なので、基本男性はそのままはいってます。もちろん問題はないのですが、女性からしたら正直厳しいかもしれない。夫は早朝に入りに行ったようですが、早朝なら入っている人は数えるほどだし女性も入れると思う。とのことでした。入りに行くなら早朝だと思います。

 

足元湧出なので泉質は抜群、ぬる湯とあつ湯のエリアがあり、ぬる湯はいつまででも入っていられるほど気持ちよかったそうです。昭和55年に編纂された全国露天風呂番付で西の横綱に輝いたそうですが、それもうなづける素晴らしさだったのだとか。入ってみたかった…!

足元湧出の温泉はほんとどこも良い

 

各宿でも湯浴み着を用意してあり、無料で借りられます。オオサンショウウオのワンポイントがかわいいですね。

男性の湯浴み着は無いので、なおさら男性はそのまま入るしかないんですよね。色々惜しい…!

男女ともに湯浴み着着用必須で入りやすい混浴

 

湯原観光情報センター

最後に、湯原温泉街で絶対訪れるべきスポットを紹介。

旭川沿いのメインストリートから少し入った場所もいい雰囲気。

 

昔の温泉街っぽさがあります。

 

そんな中にあるのがこちらの観光情報センター。

 

これは必見です。

ワニワニパニックって地方のゲーセンだと割とまだ稼働してるんですが、これは一味違います。

 

なんとはんざき柄にすべて塗り替えられています。結果はんざきたたきという名前になってる笑

ワニ部分もオオサンショウウオだし、絵とかも全部。特典のところとかも岡山弁に変わっていたりと、にくい演出ですね。

 

あと、にゃんこがいるんですがこれが可愛い。めっちゃ可愛いです。

 

人馴れしてて、膝の上に乗ってきたりとかもしてくれます。

 

にゃんこ目的でも満足間違いなし。

 

もう一匹も。全部で三匹いると聞いた気がする。

ここは観光情報を扱うだけでなく卓球ができたり、なんと大手の古本屋、古本市場と提携しており古本も売ってます。

温泉宿で夜読破する用に一冊買っていくのもありですね。

 

そして、こちらでできるアクティビティが、はんざきだるま絵付け

 

だるまみたいなオオサンショウウオの焼き物の絵付け体験ですね。

これだけまちなかでオオサンショウウオを見ていたら、だんだん洗脳されて自分のオオサンショウウオがつくりたくなってしまった笑

 

普通っぽい柄のやつと、ゆめかわオオサンショウウオの二匹をつくりました。意外と楽しくて記念にもなるし、これ、おすすめです!

なんだかんだ凝って1時間ぐらいかけちゃった

 

オオサンショウウオさがし

最後に、温泉街で見かけたオオサンショウウオたちを紹介します。

全部見つけられるかな

かけゆオオサンショウウオ

発見難易度:★☆☆

 

ドラゴンオオサンショウウオ

発見難易度:★☆☆

 

宿泊客オオサンショウウオ

発見難易度:★★☆

 

オオサンショウウオのぼり

発見難易度:★☆☆

 

避難オオサンショウウオ

発見難易度:★☆☆

 

酒盛りオオサンショウウオ

発見難易度:★★★

 

おぶられオオサンショウウオ

発見難易度:★★☆

 

ひょうたんオオサンショウウオ(右)

発見難易度:★☆☆

 

オオサンショウウオ掛け軸

発見難易度:★★★(湯の蔵つるや内)

 

どすこい&オオサンショウウオ

発見難易度:★☆☆

 

オオサンショウウオパーカー

発見難易度:★☆☆

つい買っちゃった…笑

 

オオサンショウウオ好きもそうでない人も、湯原温泉は楽しい場所です。アクセスはちょっと悪いですが、不思議な魅力のある温泉地でした!

またはんざきまつりの時期に行ってみたいな。

 

吹屋ふるさと村

湯原温泉を出て、福山の方へ向かったのですが、その途中に一か所だけ観光で寄りました。

吹屋は標高500mの高原の中に突如として現れる赤い町並みです。これはかつて塗料であるベンガラと銅の生産で財を成した鉱山町のなごりなんだとか。

重要伝統的建造物群保存地区の認定を受けているのはもちろんのこと、日本遺産としても認定されています。

 

周りには一切建物のない山道を走り、山道を登っていると突如として道が開けて町が現れます。

 

周りからは完全に隔絶されたような場所に、宿場町のようなこれほどの街並みがあるということが驚きです。

 

ベンガラの生産で有名だった吹屋は、その街並みもベンガラで彩られています。これはかつての郵便局みたい。

 

これは新しい郵便局。

 

壁もベンガラ色、さらには屋根には石州瓦が使われ、建物全体が赤みがかっています。

鉱山町の時代、石州から宮大工を招き町全体の建物の建造をお願いしたそうで、それでここまでの統一感がでているみたい。

 

住んでいる方もちらほらいらっしゃいますが、基本的には静かな集落です。何件かカフェやお土産物屋さんがあるので、ちょっとした街歩きもできます。

 

旧吹屋小学校

集落を登ると見えてきたのがこれまた立派な建物。

 

集落の建物と同じく、ベンガラ色で統一されています。

 

こちらなんと小学校なんです。残念ながら廃校になっていますが2012年まで現役で使われていたというのだから驚きです。

この堂々としたつくりはすごい

 

内部は有料で見学可能です。保存のために一度解体修理されたようで、非常にきれいです。

 

これほど立派な木造建築、そうそうないですね。

 

当時の学校時代のものや、吹屋の歴史を紹介する展示などがあります。

 

めっちゃ古いオルガン。

 

廃校となる直前までの予定表もそのまま残されていました。

 

吹屋地区で泊まることもできます。

集落内には一棟貸しの宿もありますが、こちらはなんとラ・フォーレというホテル。

 

こちらのレストランでランチをいただきました。

 

ジビエのパスタと

 

茸のペペロンチーノ。

どっちもレトルトに具材を乗せた感じでしたが、雰囲気のいい場所でゆったり食べさせてもらえたのでよかったです。

 

吹屋はアクセスの悪さがかなり致命的で、岡山駅福山駅から車で1時間半ほどかかり、しかも周りに大きな観光地がないため、美作三湯とセットにするか、ここを目的地にして訪れる必要があります。

ただ山の上に突如として現れる立派な街並みには感動しました。時間があれば訪れてみるのもおすすめです。

ポケモンGoのCMで使われたことがあるので、Youtube等でCMを見てみるとあぁここだったのか!となるかもしれません。

 

湯原温泉オオサンショウウオと良質の温泉に出会えるいいとこ

吹屋もベンガラ色で統一された街並みが素敵な場所だったね

吹屋に似た雰囲気を感じる、島根の石見銀山を訪れた記憶。