しろいるか旅行記

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2022年11月 栃木【2/3】「湯西川温泉 本家伴久」泊 宿の中に立派なかずら橋が!?平家の末裔が営む江戸初期からの老舗旅館の宿泊記

こんにちは、しろいるかです
2022年11月、栃木県の山奥の温泉を満喫する三泊四日の旅をしてきました。

旅の全行程

本記事は太字部分が対象です。

【一日目】
宇都宮駅~NAOZO~NASU SHOZO CAFE
宿泊:大丸温泉旅館

【二日目】
殺生石那須どうぶつ王国湯の郷湯西川観光センター
宿泊:本家 伴久

【三日目】
湯西川温泉街散策~平家の里~湯西川ダム~山王林道~光徳牧場~中禅寺湖ライトアップ
宿泊:日光グランドホテル ほのかな宿 樹林

【四日目】
湯ノ湖トレッキング~宇都宮みんみん本店

初日の記事

湯の郷 道の駅湯西川観光センター

那須高原から、那須塩原を抜けて湯西川温泉へ。思ったほど遠くなく、1時間ちょっとで到着です。

こちらは湯西川温泉の玄関口、道の駅湯西川観光センター。道の駅といいつつ、実は本当の鉄道駅が併設されているんです。

鉄道駅はぱっと見の外観では存在がわからなかったんですが、なんとトンネルの中にホームがあるみたい。ギリギリの場所にあるんですね…。

 

公共交通機関の場合、ここから路線バスに乗り換える形になります。ここから温泉街へは20分ほどかかるので、湯西川温泉は平家が隠れ住むのも納得の山奥ですね。

 

湯西川温泉 本家伴久

湯西川温泉は、平家の落人が見つけた源泉からはじまり、江戸時代から続く歴史ある温泉街です。

今回泊まる本家伴久は平家の末裔の方が経営されてるらしい。

 

宿は温泉街のちょうど中心ほどに位置しており、木造の立派なつくり。横に非常に長くあって、写真だとおさめきれないぐらいです。紅葉が綺麗ですね!

外観でわかる良い宿感

 

本館の手前にゲートのような門もあって風情があります。こちらは夜の写真。

 

夜もライトアップはバッチリ。

 

中に入ると立派な松?杉?のオブジェと、提灯がお出迎え。これは雰囲気良いですね!

 

これは迎え太鼓だそうで、チェックインの時にドンドンたたいてくれます。

 

ロビーには囲炉裏もあります。二階まで吹き抜けになっていて、天井も高いですね。

 

こちらやお土産物屋さん。写真の左に薬膳七味唐辛子と書いてあるんですが、これが伴久特製の調合だそうで、山椒が効いた美味しい薬味です。

自宅で愛用してて、切れたらまた買いに行きたいなぁと思うぐらい。道の駅でも売ってました。

山椒好きなら絶対ハマる

 

こちらはラウンジ。夜の時間以外はコーヒー紅茶、ジュースにお煎餅などがフリーで置いてあってゆっくりできます。

 

二階の吹き抜け部分の天井にはめっちゃ平家アピールの提灯が笑

 

ライブラリーもあります。さすがというか、平家関連の書籍が豊富です。

客室数は26とそこまで多くはないいっぽうで、共用部分は広いのでゆっくり過ごせますね。本館以外にも別館があったようですが、今はやってなさそう?

 

部屋(本館一般客室 内風呂無)

客室露天がついてるお部屋がいくつもありますが、今回は一番安いお部屋。

客室への廊下も色々小物が置いてあって賑やか。

部屋は二階ですが、この二階にあがる階段が凄いねじまがったデザインで印象的でした。建物自体は50年ほど前のものみたいですが、100年前からあるようなつくりでワクワクしますね。

めっちゃ歩きづらいし、ギシギシいうけど

それがいいんだよね

 

お部屋も一般的な和室なんですが、随所に独特なデザイン。

 

写真だとわかりづらいですが天井もとても高いです。古民家みたいな感じでしょうか。この辺も平家っぽさを意識して作ってるのかな…?

 

お風呂

伴久のお風呂は貸切風呂が3つと、男女別の大浴場。客室数がそれほど多くないのと、客室露天があるお部屋も多いので、お風呂はそこまで混みあわずに済みます。

貸切風呂は有料でしたが、今回は使わず大浴場を楽しみました。

 

こちらは男女別の入れ替えなしですが、男性用の露天風呂(藤鞍の湯)が、湯西川温泉発祥の場所だそうな。

かつて平家の人が温泉を見つけ、そこに平家のシンボルである藤の木で作った鞍や金銀財宝を埋めたのち一時は忘れられましたが、現在の伴久の先祖の方がそれを発見し、そこから温泉として発展したんだとか。

藤鞍の湯は、その藤の鞍が見つかった場所に作られた露天風呂みたい。

 

湯西川温泉のお湯はほんのり硫黄が香る無色透明のお湯。お湯使いはたぶん循環併用のかけ流しっぽい。時間帯によって消毒がなされているのかな?夕食前に入ると若干塩素の臭いがしましたが、それ以降は翌朝含め全くしませんでした。気持ちのいいお湯です。

 

藤鞍の湯は解放感ありますね!

 

川に手が届くほどの場所に作られており、少し遊歩道とかからも見えてしまうので、確かにこれは男女交代には出来ないのかも…。

 

目の前を流れるのは温泉地名でもある湯西川。なかなかの清流です。

女性用の露天風呂からも望めますが、お魚がいっぱい泳いでいるのが見えました。

川面のお魚や紅葉を見ながらの湯浴みは最高

お湯はやや熱めな感じで、冬にピッタリかも

 

出典:本家伴久

【公式】湯西川温泉 本家伴久|平家伝承かずら橋と源泉・囲炉裏会席の宿。

 

ちなみに女性用の露天風呂はこんな感じ。藤鞍の湯ほどではないですが、こっちも川に近くて気持ちよく入れました。

 

夕食(平家隠れ館とかずら橋)

到着が結構夕方だったので、気づいたらすぐ日も落ちて夜ご飯でした。

ロビーから既に見えていたんですが、このお宿にはかずら橋があります。

かずら橋とは、平家の落人が追ってが来た時にすぐ橋を落として逃げられるように植物を編んで作られた橋です。有名なのは徳島の祖谷にあるかずら橋ですね。

こちらのかずら橋は祖谷のかずら橋職人に、同じ製法で作ってもらった本格的なものだそうです。

 

夕食を食べるのに、この橋を渡って対岸のお食事処に行くのですが、これはテンションあがる!

 

渡っていると少し揺れるのがまさにかずら橋です。

800年に渡る源平の遺恨を終わらせるため、1994年に源氏と平氏の和睦式が執り行われたそうなのですが、その舞台となったのがこの宿で、両氏の子孫が手を取り合ってこの橋を渡ったのだとか。

なんとも感慨深い話

 

夜はあたりがライトアップされてて幻想的でした。

 

さて、橋を渡り終えるとこれまた雰囲気のある食事処の入口。

 

意外にも自動ドア笑

 

少し暗い廊下を通って…

 

囲炉裏テーブルが並ぶ食事処に到着です。思ったより広かった。

 

御食事は囲炉裏を最大限活かしたメニューです。

 

先付と一緒に囲炉裏には食材がセットされています。鹿肉串は既に焼いるものを温めている形でしたが、他はまだ焼き途中で、リアルタイムで焼きあがるのを待ちながら他の料理を食べるのは気分が高まりました。

 

お造りは山の中なので鱒が中心。

 

炊き合わせ。この辺は席に着いてから一品ずつ持ってきてくれます。

 

面白いのがこの一升べら。山椒の効いた味噌と鴨肉?を混ぜたつくねのようなもので、これを囲炉裏の火に近づけて炙って食べます。生なのでじっくり焼いて。

 

焼き上がりはまさにつくねみたいな感じ。これ1枚でお酒が一升飲めるほどの味わいからついた料理名だそうで、これはお酒にもご飯にも合いますね!

 

囲炉裏で焼くのが楽しすぎていくつかの料理を撮り忘れてしまうぐらい笑

 

エンターテイメント性が強くて、建物の雰囲気と相まってとても楽しいお食事でした。

囲炉裏で焼くのは楽しいし美味しいね

竹筒に入った熱燗も頼めて、これも囲炉裏で温められるんだよね

 

早朝の温泉街散歩とモーニング・グローリー

早朝、少し宿の周りをお散歩しようと外に出たらなんと…!

 

これ、モーニンググローリーでは!?

レアな気象現象です。

モーニング・グローリー (気象現象) - Wikipedia

 

伴久の裏手の橋。確かに露天風呂(藤鞍の湯)がめっちゃ見えてる笑

 

こんなクッキリと雲の線が出来るんですね。早起きは三文の得でした!

 

宿に戻ってきて、ラウンジで少しゆっくり。

 

朝日が昇る方向に窓があるので光が差し込みますね。

 

朝ごはんはこっちでは食べないけど、かずら橋をもう一度渡ってみる。

 

この橋も祖谷のもののように架け替えたりするのかな。

 

明るい時間帯も良いですね。

 

モーニンググローリーはもうすっかり消えていました。

 

朝食

朝食会場はたぶん良いお部屋だと良い感じの場所(碧流亭?)に案内されるのでしょうけど、一番安いお部屋なのでちょっと狭い場所で、夜の場所が素敵だったので少し落ち着かない感じでした。

朝は雰囲気にはあまり期待せずに食べに行くとよいかも。

 

ご飯はお膳形式。見た目賑やかでした。

 

湯波のお味噌汁もついてきます。

 

宿泊の感想

客室数はそれほど多くなく、木造のお宿なので秘湯系とか、おこもり系かと思いきや意外にもファミリー系にも合うお宿な気がします。かずら橋を渡ったり囲炉裏でいただくエンターテイメント性あふれる夕食や、館内全体で感じられる平家っぽさ?みたいなのが楽しかったです。

湯西川温泉に行くなら間違いないお宿ですね。あと薬膳七味唐辛子は美味しいので泊まらなくてもお土産にもオススメです!

 

湯西川温泉散策

湯西川温泉は山間の小さな集落なので、温泉街散策、というほどではないですが、大通りに面して何件かのお土産物屋さんや飲食店と…

 

湯西川沿いの遊歩道に古いお店があります。こちらは今はやっていなさそうだけど。

 

こちらのお豆腐屋さん(会津)はやってました。

 

作り立ての豆腐での湯豆腐がいただけるみたいですが、朝ごはん食べた後だったので、お土産にこの深山チーズを買いました。豆腐の燻製のような感じで美味しかったです。

 

平家の里

湯西川温泉の観光スポットといえばここ。平家の里です。

湯西川の集落の人たちに協力を仰いで様々な収集品を集め、復元した古民家に当時の生活を再現した施設です。

 

敷地内には何軒かの茅葺き屋根の古民家が復元されており、とても雰囲気があります。白川郷の集落とかに似てる?

白川郷に行ったときの記録

 

施設内は意外に広いです。

 

内部の展示よりもこの雰囲気の中お散歩する方がメインかも。

 

内部はこんな感じ。

全体をゆっくり見て1時間ぐらいかな。湯西川温泉に来たらとりあえず行っておきたいスポットです。

 

湯西川水の郷~湯西川ダム

温泉街からは車で10分ほど離れた場所ですが、道の駅的ポジションの施設、水の郷というものがありました。こちらも行ってみます。

これは確かにあふれる道の駅感。

 

吊り橋もあります。

 

山肌が真っ赤に染まってる。

 

ふと見ると、これは水陸両用バス…?湯西川ダムを運行してるそうです。

乗って見たかったけど風が強くてこれは今の装備ではムリそうだと断念。でもせっかくなのでダムまで行ってみます。

 

湯西川ダムです。目の前に迫る山の紅葉に圧倒されます。

 

この紅葉はすごい…

立山室堂の紅葉も凄い良かった!

 

紅葉の中に映える青い川です。

 

水陸両用バスいないかなぁとダム湖の方を見渡してみると…

 

いたー!

頑張って泳いでました。いつか乗ってみたいな。

 

湯西川温泉は冬は雪深い地、厳冬期にはかまくら祭りが開かれていて、こっちにも一度行ってみたいなぁ。2023年は2月26日(日)までみたいです。

出典:とちぎ旅ネット

湯西川温泉かまくら祭 | とちぎ旅ネット〜栃木の観光旅行情報サイト

 

楽しい湯西川の旅だった

次は奥日光に向かうよ!

平家の隠れ里と言えば徳島県の祖谷。とても山深い地でした。