こんにちは、しろいるかです
2023年5月、岐阜県、飛騨高山観光の記録です。
実際には愛知・犬山旅の続きで飛騨高山へ。
旅の初日の記事はこちら。
旅の全行程
本記事は太字部分が対象です。
【一日目】
レールマウンテンバイク Gattan Go!~高山散歩~甚五郎ラーメン
宿泊:カントリーホテル高山
【二日目】
トランブルー(パン屋)~宮川朝市~高山陣屋~梗絲(飛騨牛鮨)
宿泊:奥飛騨 福地温泉 湯元長座
【三日目】
ひらゆさくら~飛騨大鍾乳洞
奥飛騨温泉郷
何度も通う奥飛騨温泉郷。
岐阜県の山深い地にある温泉郷ですが、近くには上高地があり、白川郷もあり、今回の旅で行った飛騨高山もあって近隣の観光地パワーも強いので旅のセットで行きやすい温泉です。そして何よりどの宿の雰囲気もとても良く、どの宿も湯量豊富でかけ流し当たり前という素晴らしさ。
温泉郷というだけあっていくつかの温泉地に分かれていますが、今回はそのうちの一つ福地温泉にある湯元長座に泊まりました。
福地温泉
福地温泉は奥飛騨温泉郷の中心地ともいえる平湯温泉から車で10分ほどで到着。山あいの集落のような場所に10軒ほどの温泉宿が並んでいます。
国道を一本外れた場所にあり、完全にこの温泉地のための道のため、とても靜かなのもよいですね。
その歴史は長く、古くは平安時代の村上天皇がお忍びで湯治に訪れたこともあるそうです。
その由来から、源泉は天皇泉って言うんだって
湯元長座
そんな福地温泉の中で最も古いお宿がこちらの湯元長座。
古いといっても開業は50年ほど前だそうで、現在の姿になったのは約35年前。ちょうどバブル時代のころでしょうか。
当時は大型コンクリート旅館全盛の中、いち早く古民家を移築した宿をはじめ、現在では全国に数多くある古民家再生の宿の先駆けとも呼ばれているそうです。
すごい宿なんだね
立派な門。建物はこの奥にあります。
この門も移築したんでしょうか。雰囲気ありますね。
門をくぐると、そこからは回廊。
木漏れ日が美しい回廊を歩いていくと建物にたどり着きます。
こちらがお宿の本館。新潟にあった築150年ほどの豪農の屋敷を移築してるんだとか。
中に入ると重厚な雰囲気がありますね。
早速目の前に飛び込んでくるのが囲炉裏。実際に火を焚いており、香ばしい香りが漂っています。この匂いと、パチパチと薪が爆ぜる音によって一気に非日常に連れていってくれる感じ。
クマの毛皮とかが敷いてあるのもいい
薪火って、ほんと癒されますよね…。
ロビーでチェックインしたらお部屋へ。湯元長座は全部で27室と中規模宿ですが、複数の棟を渡り廊下でつないでおり思ったより広さがあります。
お部屋は大部分が本館にあるのですが、今回は離れにある「桐の家」というランクのお部屋です。
お部屋は全部で5ランクあるうち、ちょうど真ん中ですね。
離れといってもお部屋自体が独立してるわけではなく、離れの中に複数の部屋があります。
二階にあがったところの錦木というお部屋ですね。お部屋の前に吊るされているステンドグラスのランプがかわいい。
部屋:桐の家
お部屋はいかにも古民家風なつくりでテンションあがります。既にお布団は敷いてくれていました。
奥にはソファのある部屋。ここが主に滞在中ゆっくりする場所ですね。
お部屋に囲炉裏があるんですが実際に火をおこすことができるようになってます。さすがに何かを焼いたりはダメと注意書きがありますが、火遊びができるんですね。
炭もたっぷり用意されていて、その気になれば数時間楽しめるレベルです。
この囲炉裏をいじるのがなんとも楽しくて、桐の家から上のランクが囲炉裏のついたお部屋になるので、より古民家気分に浸りたいならこのランク以上のお部屋がオススメです。
かわいいヤギの木彫り。よくよく見ると3匹いる!
わかるかな
貸切風呂:山野草の湯
長座には客室露天のお部屋はないですが、宿泊者は無料で何度も入れる貸切露天風呂が全部で8つ、それに加えて男女別大浴場と男女別渓流露天があるという、というもはや入りきれないレベルの湯めぐりが可能です。
貸切風呂は山野草の湯(3つ)と雫の湯(5つ)に分かれており、山野草の湯は館内の大浴場の近くにあります。
オープンエアな渡り廊下を通って貸切風呂のある棟へ。新緑が美しい…。
貸切風呂は3つ並んでいます。空いてればそのまま入って、中から鍵を閉めるスタイル。
ここの貸切風呂、凄いです。洗い場に加えて二人がゆったり入れる内湯に…
露天風呂までついてます。広さや設備は3か所とも共通で、間取りは微妙に違うのですが誤差の範囲なので空いてるところに入れば問題なしです。
個人的には内湯がなんとも気持ちよく、たっぷりかけ流しのオーバーフローを味わいながら入ることができて幸せです。
深夜も入ることができるのも素晴らしいのですが、深夜は一人で入らないようにと注意書きがありました。治安上というよりは何か体の異常等があったときに知らせる装置とかがないからでしょうね。
途中の道に休憩所もあります。こういう共用部に余裕ある宿っていいなぁ。
大浴場
お次は大浴場。こちらも先ほどの貸切風呂とは近い立地にあります。
男女別なので待合室っぽい場所も。お水も湧いてます。
この内湯がほんと素晴らしい…。窓いっぱいに溢れる新緑と、湯治場のような風情ある湯屋がたまらないですね。ちなみにこちらは男湯。女湯もほぼ同じ構造でした。
温度別に浴槽が分かれており、あつ湯はピリピリするレベルですが…
このぬる湯が不感浴できるぐらいの温度で、あつ湯と交互浴したら無限に入ってられるんじゃないかというレベル。
露天風呂も併設されてました。眺望はないですが、不自然な塀とかで仕切られているわけではないので閉塞感がなく気持ちいいです。こっちもややぬる湯とややあつ湯に仕切られてる感じ。
この大浴場だけで満足なのに、大量の貸切風呂にさらに渓流露天があるなんて…。
まるで温泉の宝石箱やー
制覇するだけでも大変
貸切風呂:雫の湯
こちらの貸切風呂は2021年に新設されたそうです。館内からは少し離れた場所にあり、下駄をはいて外に出ます。
館内の入口のところにレモネードがおいてありました。湯上りに甘いレモネード、さっぱりしてよかった。
こっちにも囲炉裏があった。
来るときに通った回廊を抜けて、一旦敷地の外に出ます。
その後、道路を渡って小道を少し歩くと…
貸切風呂の雫の湯と、その奥に男女別の渓流露天、かわらの湯があります。徒歩2~3分の短い距離ですが、雨の日や真冬とかはちょっと億劫になっちゃうかもしれない笑
まずはこの待合室になっている建物を通りぬけて
それぞれの湯小屋に入ります。ここも鍵が開いていれば自由に入れるタイプですね。
ここは内湯はなくすべて露天風呂になっています。ここでポイントは、伍の湯だけ川を眺めることができるようになっており、湯舟の広さも他と比べて頭一つ抜けています。
どれか1つ入るならここなんですが、皆わかっているようでここだけなかなか空かなかった…笑
とはいえ他も十分満足できるつくり。湯舟のタイプが檜風呂か、岩風呂かわかれています。
こっちは岩風呂タイプ。
大きさもまちまちなので、ここは空いていればとりあえず覗いてみて気になるところに入るのがよさそう。
ちなみにこちらは本館からも離れているため、陽が沈むと入れなくなってしまいます。
渓流露天風呂:かわらの湯
こちらは男女別の露天。立派な建物だ…。
浴槽は一つだけ。シンプルな構造です。こちらは男風呂。
ここは源泉が少し他とは違うっぽい?無色透明、無臭なのは同じなのですが、成分の含有量が多いのか微妙に浴感が違います。
新緑のリフレクションが最高。
湯口のこの体積っぷり、見た目に反してすごい濃い温泉であることが伺える…。
超濃厚!
ちなみに女性風呂の方は目隠しがついてます。対岸に微妙に建物があるのでしょうがないんでしょうね。
夕食
夕食は囲炉裏のある個室で。たぶんどのお部屋に泊まっても個室っぽい?
よくよく見ると、囲炉裏のところにガスコンロが設置されてます笑
雰囲気を味わいつつ、途中焼きしゃぶがあるのでその時にはガッツリ火を入れることができるという工夫ですね。
賑やかなメニュー。奥飛騨温泉郷の宿は山菜に飛騨牛、岩魚あたりもはや様式美と言えるような安定感がありますね。
お酒もなんだかレアっぽいものも含めて豊富にありました。最近宿に泊まった時に飲む地酒が楽しみ。
まずは前菜たち。
そして、囲炉裏で焼く岩魚やら五平餅やら。
この飛騨牛の焼きしゃぶは焼肉みたいに囲炉裏の上に鉄板を敷いて焼いて食べます。
やっぱお肉は間違いないですね。
山菜の天ぷらはサクサク。
これ、なかなかに冒険してる一皿。飛騨ポークスペアリブだそうで、微妙に洋風な味付けになってます。
にしんそば。さらにこの後炊き込みご飯もあったのですが、お腹いっぱいになってしまったのでここでストップ。
最後はデザートです。
やっぱり囲炉裏を囲んで食べるのは楽しいですね。個室でゆっくり食べられるのも嬉しい。鉄板の夕食でした。
囲炉裏で焼くのが楽しい
お酒もすすむし楽しい夕食
夜の諸々
少し館内を散策してみます。
夜のロビーに行ってみた。天井が高いのが素敵。
こういったラウンジスペースも雰囲気ありますよね。暖炉は冬だと火が入るのかな。
お部屋の囲炉裏で火を起こしてみます。
着火剤があるので最初も安心です。
うまく風を送ったりして、なんとか炭に火が付きました!
火守は難しい
お部屋で飛騨高山で買った宿儺カボチャプリンを食べたり。美味しかった。
のんびりした夜を過ごしました。
朝食
朝食も夜と同じ個室へ。朝は炭は撤去されていて完全にガスコンロになってます笑
ガスコンロではお味噌汁、机には火鉢で朴葉味噌をいただきます。
朴葉味噌、飛騨の朝ごはんには欠かせないですね。ほんとご飯泥棒です。
今まで見つからなかったんですが、つい最近東京に岐阜県のアンテナショップができたみたい。ここに行けば朴葉味噌セットも売ってるかな。
焼きタケノコをいただきます。どこまで剥けばいいか見極めに悩んだ。
朝から豪華な食事でお腹いっぱいです。とてもゆっくりした滞在でした。
欲を言うなら、チェックアウトが11時だといいな…。
宿泊の感想
このスタイルの宿が35年も前から存在してたということに驚きです。
貸切風呂の数も多いし、良質なお風呂にのんびり入って囲炉裏を囲んでご飯を食べて…。これぞ古民家宿という満足感が味わえる宿でした。
真冬の豪雪期とかに行ってみたらまた異なる雰囲気が味わえそうですね。
ひらゆさくら
宿を出てから平湯温泉の方へ。
平湯温泉の中心街から少し離れた場所にある、ナガセスッポン養殖場という施設があるのですが、その近くになんだか桜が大量にある場所が!
ひらゆさくらという、平湯温泉の新スポットだそうな。お店とかがあるわけじゃないですが、高地ならではのゴールデンウィーク時期でも咲き誇る桜が美しいです。
レジャーシートを敷いてピクニックしたくなる雰囲気ですね。
お天気も良くて気持ちよかったです。
アルプスの山はまだまだ雪山。美しい山と桜が同時に楽しめる良スポットでした。
思わぬ形でお花見できて良かった
飛騨大鍾乳洞
日本最高峰の観光鍾乳洞だそうで、行ってみることに。平湯温泉と飛騨高山のちょうど間に位置するので寄りやすい立地です。
このドライブイン感溢れる駐車場エリアにほっこり。
こういうのでいいんだよ感ある
このあたりは両面宿儺の伝説が有名だそうです。
一般には怪物として語られる両面宿儺ですが、この地方においては英雄として扱われており、大和政権にとっては朝敵、地域からしてみれば朝廷の支配から守る英雄ということなんでしょうか。なかなか深い…。
あと、鍾乳洞に入る手前に地元の名士(大富豪)の方?が集めた美術品コーナーがあるんですが、これがすごい。金に糸目をかけず蒐集された世界の美術品が並びます。
撮影禁止なんですが、思わず撮影したくなる品物もあり、鍾乳洞に早く入りたい、はやる気持ちを抑えて一通り眺めてみるとよいかも。
鍾乳洞自体はとても広く、思ったよりも楽しめました。スイスイ見て行って30分ぐらいかな?一方通行になっていて、どんどん洞窟内部で標高をあげていきます。
ライティングされた鍾乳石が美しい。
我ながらよく撮れてる…。
途中、謎にカラフルな通路を抜けたり
洞窟!って感じの通路を抜けたりして
いよいよ出口へ。
TUKI NO SEKAIが何だかシュール。
寄りやすい場所にあるし、1時間もあれば一通り見て回れるので時間調整にもピッタリ。定番の観光地ですね。
奥飛騨温泉郷はやっぱり良い
標高が高いから夏場も涼しいのが良いよね
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