こんにちは、しろいるかです
2024年9月、東北の温泉地を巡る、温泉旅をしてきました!
旅の全行程
本記事は太字部分が対象です。
【一日目】
古川駅~鳴子温泉
宿泊:鳴子観光ホテル
【二日目】
鳴子温泉散策~潟沼~鳴子峡~川原毛地獄~川原毛大湯滝
宿泊:泥湯温泉 奥山旅館
【三日目】
小安峡大噴湯~佐藤養助本店
宿泊:鉛温泉 心の刻 十三月(藤三旅館別邸)
【四日目】
大沢温泉~マルカンビル大食堂
鉛温泉 心の刻 十三月(藤三旅館別邸)
秋田から岩手へ。岩手県の花巻温泉郷のひとつ、鉛温泉に今日は泊まります。
鉛温泉は藤三旅館という秘湯旅館が一軒だけの温泉地なのですが、その藤三旅館には別邸があり、屋号も異なっています。
今回宿泊するのはその藤三旅館の別邸、十三月です。
藤三旅館は秘湯好きには非常に有名な旅館で、足元湧出の浴場はよく雑誌にも登場しています。
旅館自体も複数棟に分かれており、旅館部、湯治部と区分されています。
それらとは別に、別邸である十三月は、なんだか入口からモダンな雰囲気です。
中に入るとロビーラウンジ。
甘めのハーブティー?をいただきながらチェックイン。
ラウンジでは毎日、夕方になるとミニコンサートが開かれます。電子ピアノが置いてあったのでジャズっぽい感じかな?と思ったら結構賑やかな曲でイメージとちょっと違ってびっくりしました。
スチームサウナが付いている部屋と、そうでない部屋の違いがあるぐらいで、部屋の間取りはどこもほぼ同じです。ただ、デザインは部屋による違いが大きく、黒基調だったりカラフルな部屋もあるみたい。
私たちが泊まったお部屋は白基調でした。
リビングとベッドルームがひとまとめのワンルーム。奥にはテラスのような空間が。
大きめの半露天風呂がついています。
このお風呂、とても広くて気持ちよかったです。無色透明、無味無臭のお湯ですがかけ流しで、温度もちょうどよく調整されてる。
また、窓も広く、開けると心地よい風が入ってきます。網戸もあるので夏場でも虫の心配もありません。
部屋と外の中間のようなこのスペース、とてもよかった
春や秋だともっと気持ちいいだろうな~
小川に面していますが、一階のお部屋だと川はあまり見えないかな。二階のお部屋だと景色も望めそうです。
冷蔵庫にはビールやジュース等の飲み物が入っており、すべてフリーでした。他にもブラウニーみたいなお菓子も入っていて、おいしくいただきました。
藤三旅館を探検
十三月と藤三旅館は連絡通路で繋がっています。十三月側はカードキーで施錠されているので、カードキーを忘れると大変です。
折角なので、外から藤三旅館に行ってみます。
モダンな別邸とはうってかわってレトロな雰囲気。
昔の旅館って、とびらに名前が書いてあるところ多いですよね!
館内は木造。赤い絨毯がいいですね。
本館のロビーにはちょっとした売店もありました。湯治部が賑わっていたころはここで自炊のための食材を売っていたりしたんでしょうか。
この不思議な青い看板のエリアはラウンジだそうで、別邸の人は自由に入れます。
ラウンジの中はアルコール含むドリンク類がおいてました。
レトロな本館においてここだけ別世界のような雰囲気。
お風呂上りにここで待ちあわせとかしたらよさそうです。
大浴場
別邸には大浴場はなく、本館には4か所の浴場があります。お風呂によって混浴時間、男性時間、女性時間と目まぐるしく変化するため、しっかりタイムテーブルを見ておかないとあれ、今は入れないか…ということになってしまいます。難易度高め。
まずは白糸の湯と、銀の湯。銀の湯は時間帯によっては貸切風呂になるのですが、今回は入らずでした。様子だけでも見に行けばよかった。
白糸の湯は最近リニューアルしたようで、一番綺麗なお風呂です。時間によって男性用/女性用と入れ替わります。
特徴はサウナがあること。セルフロウリュもできる本格的なフィンランドサウナです。
外気浴ができるととのえスペースと、深い水風呂も完備。ちょっとせまいけどサウナーも満足できそう。
サウナの中は不思議なアートが。どうやら藤三旅館は宮沢賢治の親戚の方が経営しているそうで、これは童話「なめとこ山の熊」をモチーフにしているそうな。
続いて白猿の湯。ここが藤三旅館を秘湯であり、名湯たらしめる場所です。
ベースは混浴ですが実質男性時間ですね。とはいえ女性時間も一日に何度も設けられているのはありがたい。
扉を開けた瞬間、地下に続く階段と、巨大な空間に圧倒されます。
ここだけ時代が違います。脱衣所とお風呂も一体になっており、昔の湯治場ってこんな感じだったんだろうなぁと。
この浴槽、なんと深いところでは深さが150センチぐらいあります。底は岩でごつごつしていて、足元から相当量のお湯が湧いてきています。源泉も白糸の湯とは異なっており、明らかに鮮度や力強さが違う。
この空間全体に漂う独特の空気感。静寂に包まれた中でこの浴槽に浸かり、熱くなったら椅子に腰かけてぼーっとする…。
一日中過ごせそうな、居心地のよい場所でした。写真では伝わらないこの凄さ、ぜひ行ってみてほしいです。
現地で入ってわかるこのすごさ
凄いと噂には聞いてたけど、ハードルかるくこえてきた…
※許可を得て誰もいない時に写真を撮っています。
ちなみに写真は撮れませんでしたが、もう一か所桂の湯という男女別の大浴場もあります。川に迫る露天もさることながら、ここも独自源泉で、金気臭がほんのり漂う良いお湯なんです。
同じ旅館に居ながら異なる源泉を楽しめるのは嬉しいですね。
湯治部を覗いてみる
ほんの少し、湯治部をみてみます。
本館自体かなり年季が入っているんですが、湯治部に一歩足を踏み入れるとさらにワンランク上の世界が待っています。
写真だと結構きれいめに見えたりしますが、実際はなかなかの古さなんです。
この通路、雰囲気ありすぎ笑
古い学校のようなつくりの階段。
二階の通路もなかなか。
炊事場もある!
湯治部の人は、ここで自分でご飯作りながら長期滞在するんですね。
時が止まったような雰囲気でしたが、備品はしっかり備え付けられており、今でも炊事する人は結構いるのかもしれません。
湯治部のお部屋はお安いプランで出ているのですが、ここに泊まるとなるとこれは結構人を選ぶかも…。ちなみに湯治部でも旅館部相当の食事つきプランなんかもあるんですね。
夕食
さて、色々と探検して、待ちに待った夜ご飯です。別邸に泊まると、ご飯はこちらの食事処でいただきます。
御品書き。
前菜からお造りも含めて、一つの箱に入ってくるのは珍しい気がする。
椀ものの器もそうですが、別邸は全体的にモノトーンで統一された色使いです。
蕪なめこのすり流し。優しいお味でした。
胡四の牛王という、岩手のブランド牛のヒレ肉。
初めて聞きました!すごく上質なお肉です。
今回は値段が通常プランとほぼ同じだったのでグレードアップしたお料理プランです。毛ガニやアワビの溶岩蒸し。
賑やかで良かったし、美味しかったんですがやっぱり旅館でいただくのは地のものや旬のものの方が、ストーリー性があっていいのかな…とも思いました。なかなか難しいところですね…。
お口直しを挟んで…
枝豆饅頭。出汁が利いてる!
最後にごはんセットです。分量多いかな?と思ったけどわりとちょうどよかったです。
デザートはお部屋に運んでくれます。黒蜜ソースと自家製プリンが良い感じ。豪華な夕食でした。
食事処もプライベート感あってよかったよ
朝食
朝食も同じ場所で。
初めて見たタイプのひとり小鍋用のコンロ。これ家にあったら便利そうだなぁ。
デザートにヨーグルトもありました。
朝食は見た目色々お皿があるんですが料理自体は全体的に手がかからない感じのラインナップになっており、あまり期待しすぎない方が良いかも。
宿泊の感想
とにかく白猿の湯。これほど雰囲気のある浴場は全国探しても見つからないと思います。群馬の法師温泉に並ぶ衝撃でした。
法師温泉の大浴場もすごい!
別邸も客室露天が気持ちよかったですし良かったのですが、白猿の湯が凄すぎてちょっと印象が薄れてしまった笑
白猿の湯は日帰りでも来られますが、混雑するのでぜひ泊まって人が少ない時間に入ってみてほしいです。旅館としては、個人的には旅館部に泊まるのがバランス良さそうな気がしました。
大沢温泉 もうひとつの鈴木敏夫とジブリ展2
こちらの大沢温泉も、花巻温泉郷のひとつ。藤三旅館からは車ですぐの距離です。
この旅館を、かつてジブリの社長だった鈴木敏夫さんが気に入り、観光振興のためにジブリ展を開き始めたそうです。今年(2024年)が二回目なんだとか。
大沢温泉も歴史ある温泉宿で、雰囲気ある本館に泊まってみたい!
ジブリ展は、別館でやってました。
この川沿いにせり出すように作られた木造の建物が温泉宿って感じですよね!
なんかすごいオブジェが、と思ったらハウルの動く城みたいです。
茅葺き屋根が素敵な別館ですが、ちょうど葺き替え中でした。
中にはまっくろくろすけがいたり…
ここにもいたり…
ラピュタの展示があったりしましたが、思ったよりジブリ要素は少なかったです。
ジブリだけを目当てに訪れると肩透かしかもしれないですが、大沢温泉の建物も含めて楽しむのであればきっと満足できると思います。
バルス!
マルカンビル大食堂
旅の最後に、花巻市内にある名所、マルカンビル大食堂へ。
ここは昔、マルカン百貨店というデパートが入っていたビル。
残念ながらデパートは2016年に閉館してしまったんですが、この最上階にあるレストランがとても人気で、復活を望む声を受けて半年後に復活しました。
ビル自体も地階・一階・二階は再利用されており、一階はお土産物屋さんなどが入っており賑やかな感じでした。
エレベーターで6階に上がると、昭和レトロな柄が目に飛び込んできます。
フロア丸ごとが食堂なのでかなり広いです。
マルカンビルが周囲で一番高い建物なので、景色も抜群!
このお箸立ても名物みたいです笑
いただいたのは、ピリ辛なスープが特徴的なマルカンラーメンと
ナポリタンの上に極薄のトンカツが乗った、ナポリかつ!昭和っぽいですね…!
どちらもマルカンビル大食堂が誇る名物メニューです。
デザートも昭和っぽい、プリンアラモード!
そしてこちらの名物、十段ソフトクリームです。
インパクトがすごいです。しかもこれだけ巻いてるのに350円という値段にも二重でびっくり。
見た目のインパクトだけじゃなくて、味も普通においしい。巻きやすくするためにかなり固めに調整されており、それでいてミルク感もしっかりあります。
なんと中が空洞なんですね!お箸で食べるスタイルなのにびっくりしましたが、この硬さなら納得です。
一人一つ、全然いけちゃいます。また食べに行きたいなー。
デパートが閉館してもレストランだけ復活するのも納得
地元の人たちに愛されてたのがわかりますね。
花巻に来たらマルカンビル大食堂は外せないスポットです!
最後にマルカンビルから歩いてすぐの場所にある、宮沢賢治の生家跡もちょっと見て、帰路につきました。
いつか入りたかった白猿の湯、噂通りの名湯だった!
マルカンビルのソフトクリームも良かったな~ また食べたい。
岩手を旅した記録