こんにちは、しろいるかです
2024年9月、東北の温泉地を巡る、温泉旅をしてきました!
旅の全行程
本記事は太字部分が対象です。
【一日目】
古川駅~鳴子温泉
宿泊:鳴子観光ホテル
【二日目】
鳴子温泉散策~潟沼~鳴子峡~川原毛地獄~川原毛大湯滝
宿泊:泥湯温泉 奥山旅館
【三日目】
小安峡大噴湯~佐藤養助本店
宿泊:鉛温泉 心の刻 十三月(藤三旅館別邸)
【四日目】
大沢温泉~マルカンビル大食堂
川原毛地獄
日本三大霊地ってご存じでしょうか。青森県の恐山、富山県の立山は知名度が高いと思いますが、最後のひとつ、川原毛地獄(かわらけじごく)は知らない人も多いかもしれません。私も知りませんでした。
今から1200年以上前、月窓和尚という方が開山したそうで、まさに地獄谷のような光景が広がっているそうです。
緑あふれる山道を車で進んでいると、突如現れる真っ白な光景。ここだけ別世界のようです。
車を置いて、散策にでかけます!
これはすごい。こうした地獄谷って恐山や立山以外にも、雲仙温泉や登別温泉など、割といろんな場所にありますが、ここは他と比べると起伏が段違いで、地形のダイナミックさが感じられます。
遊歩道は下に続いています。下っていくタイプなんですね。
階段続き。帰りを想像するとちょっと二の足を踏んでしまいますが、この先にはまた魅力的な場所があるのです。
この一帯だけ真っ白で、周りは青々とした森なんですよね。それがここの異質さを引き立て、唯一無二の光景を形成しているように感じます。
地獄谷のような場所を抜けると、急に風景が変わります。元の世界に戻ったような。
地獄から現世に戻ったか
菩薩様がいました。このあたり、霊場たるゆえんでしょうか。
昔はここまで車の道が通じていたそうですが、今は車道が崩落し、川原毛地獄を経由して歩いてくるしかありません。
川原毛大湯滝
ここから、川原毛大湯滝を目指します。今回川原毛地獄に来たのもこの大湯滝に行きたかったのもあります。
歩いていると、緑色の川が!?
よく見ると、緑色なのは水ではなく、川底でした。温泉藻と呼ばれ、50度から80度という環境下に適応した、その名の通り微生物群です。ようは藻が生えているんですね。
よく見ると湯気もでており、非常に高温の川であることがわかります。
高温なので危険!と書いてあったよ
さらに進むと、大きな滝がありました。ここが川原毛大湯滝。
ここが凄いのが、なんと野湯として整備されていること。まさに天然の湯舟です。
湯温も、先ほどの川の部分だと熱すぎるんですが、ここは沢の水等も混ざり39度~40度ぐらいの適温になっています。湯守がいるのかと思うぐらい適温でびっくり。
水着着用必須で、ご丁寧に更衣室まで用意されているんですね!
流れ落ちる滝の水量はかなりありますが、流れは緩やかで滝つぼ付近も深くなく、雨などで増水してなければ危険性もゼロです。座って肩まで浸かれる場所もたくさんあり、ロケーションの良さもさることながら、温泉として見てもとても快適です。
ここはめっちゃ感動しました。こんな温泉の滝に入れるなんて。
川原毛地獄の駐車場からは徒歩で往復1時間ぐらいかかるものの、おすすめです!
こんな人間に都合のよい温度で温泉滝が湧いているなんて…
水量も適切だし、入っていて気持ちよすぎる…
帰り際。空がほんのり赤く染まっていました。
最後の階段がきつかった笑
泥湯温泉 奥山旅館
さて、地獄谷のような場所とくれば、温泉地がつきものですよね。例にもれず、ここにも泥湯温泉という温泉地が近くにあります。
温泉地と言っても、現在営業している旅館は1軒のみ。日帰り入浴のみですが、小椋旅館というところも営業しています。周りにもお店はありません。
こちらは今日泊まる奥山旅館。旅籠風の雰囲気が素敵です。数年前に建て替えたばかりみたいだそうですね。
こちら、秘湯を守る会所属の宿です。ここは場所的にも納得の秘湯ですね。
秋田県なんだ、ということがわかる秋田犬。
館内は1階部分がレセプションとラウンジになっており、二階部分が客室です。この廊下の雰囲気、良い感じだなぁ。
お部屋は川側か渓流側で、お値段はどちらも同じです。1室だけ温泉内湯付きの特別室があります。今回は基本のお部屋。
民芸調のデザインでいいですね。秘湯っぽい。
窓からは宿の裏手を流れる渓流が望めます。
1階のラウンジにはコーヒーマシンやティーバッグが置いてあり飲み放題なのが嬉しいです。
お着き菓子に、道中買ったお菓子を加えてプチパーティです!
奥山旅館 大浴場
お風呂は男女別に二か所あります。まずは内湯+露天風呂の方から。本館とは別棟ですが、連絡通路で繋がっているので雨の日でも安心。
男湯のほうの写真です。内湯は湯治場っぽい雰囲気。泥湯という名の通り、白く濁ったお湯の底には泥がたっぷり沈んでいます。全身泥パックできそうな分量。
かき混ぜたら入っているだけで体が真っ白になります。
外に出ると、ここは実は混浴エリア。男女それぞれから同じ場所に出るような作りです。外の川を眺めながら入ることができる、解放感あるつくりですね。
混浴エリアにはもう一つ浴槽があります。こっちも基本的には同じようなつくり。女性はこっちの方が入りやすいと思います。写真奥の扉が女湯から通じている扉です。
女湯エリアには専用の露天風呂があるため、混浴エリアに入らないでも露天が楽しめます。
求めている秘湯感をしっかり満たしてくれる良いお風呂!
もう一つ、野天風呂があります。こちらは道路を挟んで向かい側になります。
混浴っぽい見た目ですが、男女でしっかり分かれてます。
かなり広く、開放的なお風呂です。もともと1つのお風呂を分けたようで、男性側からお湯が供給され、女性側に排水口があります。もちろんかけ流しですね。
その構造上、女性側には泥が多くたまってます。夫が男性側には泥全然ない!と言ってました笑
夜はちょっと怖いです…。こっちは男湯の方ですね。
泥湯温泉、その名の通りの名湯でした。硫黄の香りも心地よく、もとの湯温は相当高いと思うのですが温度管理も適切で、ややぬるゆの気持ちの良い温度。最高すぎる…。
恐山、立山も素晴らしい温泉が湧いてたし、三大霊場の温泉はどれも良すぎる
夕食
お風呂の後は夜ご飯!お食事処でいただきます。
御品書き。
まずは前菜です。
山菜とか小鉢料理です。どれもしっかり作られていておいしい。
鴨鍋。地熱三つ葉が入っています。地熱を利用して栽培した三つ葉なんでしょうね。
めっちゃ霜降りのステーキ。皆瀬牛はご当地和牛ですが、生産者が1件だけという希少な黒毛和牛です。見た目の期待通りの美味しさでした。
茶わん蒸し。秋田の茶わん蒸しってなんと甘い味付けなんだそうで、確かにほんのり甘さが感じられました。玉子焼きも甘いし、プリンも甘いし、卵って甘い味付けが合いますね。
甘い茶わん蒸し、くせになりそう!
鯉の昆布〆。臭みも無くてもっちりした食感。
洗いじゃなくて昆布〆って初めて食べたかも。
揚げたてサクサクのかきあげ。まさに今揚げましたって鮮度で最高だった。
秘湯宿で定番の岩魚ですが、こちらも焼き加減が絶妙です。
最後はごはん。いぶりがっこの付け合わせが良すぎる。
とうもろこしジェラート。
全体的にご飯はかなり美味しかったです。秘湯宿でご飯も美味しいとテンションあがりますね。
ごはんの美味しい秘湯宿って得した気分!
朝食
朝は落ち着いたラインナップですが、品数も多くて嬉しいですね。
サイズ感が伝わりづらいですが、大き目のサラダボウルに新鮮な野菜がたくさん。
このいぶりがっこタルタルがめちゃ美味しかった。
写真にはないですが、米粉パンと自家製ジャムコーナーもあって、朝もとても満足いくものでした。
子安峡大噴湯
大満足で泥湯温泉を後にし、車で30分弱。子安峡大噴湯(おやすきょうだいふんとう)に到着です。
渓谷の両側に温泉が湧きだしている景勝地らしい。事前情報はあまりなく、とりあえず寄ってみた場所なんですが、これがめっちゃ良かった。
木漏れ日の中、渓谷の底に降りていきます。
おぉ、めっちゃエメラルドグリーンな川!
底に着くと、霧が出ている?真っ白です。
その正体は、この先に行くと判明しました。
反対を向くと、こっち側には霧がないんですよね。
湧き出る石清水。
先に進むと納得。
霧の正体はそう、湯気だったんですね。しかしすごい量です。ゴウゴウと音を立てて噴出しています。
これほど広範囲で湧き出ているなんて。
風向きによっては目の前が真っ白!
写真だとすごさが伝わりづらいのが残念ですが、ここも他にない、地球の息吹を感じる光景でした。
真っ白の湯気を抜けて、振り向いて一枚。赤い橋が映えますね!
遊歩道は周遊できるようになっていました。帰りはまっすぐな階段を頑張って登ります。
だいぶ登ってきた!
先ほど見えた赤い橋の上に行ってみます。
橋からの光景が素晴らしかったです。
もうもうとあがる湯けむりが森を包んでいます。
湯けむりがない側も、渓谷美が素晴らしい。
大噴湯の駐車場を兼ねる、あぐり館みなせ。
地熱を利用して作った地元の食品などが豊富にありました。ここにしかないものが多く、寄ってみたら楽しかったです。
佐藤養助商店 本店
さて、続いて訪れたのは稲庭うどんの名店、佐藤養助商店の本店です。
こちらのお店は古くは佐竹藩御用達のお店であり、今でも手延べでうどんを作っています。
本店裏にあるでかい工場。でも手延べなんですね!
良い雰囲気の本店の店構え。中にはお土産物屋や、ちょっとした工場見学スポットもありました。
早速稲庭うどんをいただきます。
このつるつるした見た目、最高か…!
細いながらコシもあり、なるほどめっちゃ美味しかったです。
秋田県には何軒もお店があるんですが、なんと東京にも三店舗あるんですね。今度行ってみよう!
高市青果店(オランダ焼き)
さらに北上し、湯沢市内へ。ソウルフードとして親しまれる、オランダ焼きを提供するお店があるらしい…?
駅前の商店街の一角、昔ながらのお店が一軒残っています。
オランダ焼きを提供している場所は湯沢市内で何軒もあるそうです。
いわゆる大判焼き/回転焼き/今川焼き/あじまん/…と同じジャンルのものですが、中にハムとマヨネーズが入っているところが特徴です。昔懐かしい味でした。
石孫本店
湯沢市は醤油づくりがさかんです。石孫商店という醤油蔵が途中にあったので少し寄ってみました。
昔ながらの店構え。
内部もとても歴史があり、良い雰囲気でした。予約すれば蔵見学もさせてもらえるそうです。ここともう一軒、ヤマモ醤油というお店も有名みたいです。
川原毛地獄、泥湯温泉、小安峡大噴湯と、大地のパワーを感じる場所ばかりだった
秋田県、温泉力高すぎ!