こんにちは、しろいるかです
2023年4月、奈良県を巡る旅をしてきました。
旅の全行程
本記事は太字部分が対象です。
【一日目】
名古屋駅~牛銀本店~松坂城跡散策~VISON
宿泊:温泉地温泉 やど湯の里
【二日目】
道の駅十津川温泉~果無集落~谷瀬の吊り橋~洞川温泉散策
宿泊:花屋徳兵衛
【三日目】
面不動鍾乳洞~道の駅吉野路 黒滝~吉野山~百楽奈良店
宿泊:センチュリオンホテルクラシック奈良
- 旅の全行程
- 奈良県南部の謎
- 奈良県南部(十津川村)へのアクセス
- 牛銀 本店
- 松坂城跡散策
- VISON
- 温泉地温泉 やど湯の里
- 宿泊の感想
- 道の駅 十津川温泉
- 果無集落
- 谷瀬の吊り橋(たにせのつりばし)
奈良県南部の謎
奈良県と言えば東大寺に法隆寺、奈良公園の鹿。南の方に行けば古墳のある明日香村や、桜で有名な吉野山もあります。
が、それらの観光地はみな奈良県の真ん中よりも上に位置しています。奈良県の南部は紀伊山地が広がり、秘境感溢れる場所なのだといいます。
秘境感あふれる例をあげていくと枚挙にいとまがないですが、いくつか例に出すと…
- 人口は北部の30分の一以下
- 鉄道は一切走っていない
- 高速道路は一切ない
- 6時間半かけて170キロ近く走る日本最長のバス路線がある
- 関西弁ではない独自の方言がある
- 日本三大酷道がある(国道425号)
- るるぶやまっぷる奈良県版にも完全にスルーされる(るるぶは洞川温泉がちょっとだけ載ってた)
などなど、調べていくとなかなか驚きの事実がわかります…。
なんか秘境スペックが凄い
しかし、その一方で日本で最初に温泉地の全ての施設がかけ流しであることを宣言する「源泉かけ流し宣言」を行った十津川温泉郷や、世界遺産熊野古道でもある果無集落、生活道路として日本最長のつり橋である谷瀬の吊り橋など、ここにしかない場所がたくさんあり、とても気になっていた場所でした。
今回は行きませんでしたが日本百名山も二座あり、知る人ぞ知る魅力ある土地、それが奈良県南部なのかもしれません。
奈良県南部(十津川村)へのアクセス
今回の旅の最初の目的地は奈良県の最南、十津川温泉郷等がある十津川村です。東京から東海道新幹線に乗って向かう場合、最寄りの京都駅からでも車で3時間近くかかります。
今回は名古屋駅で降りて、名古屋駅から十津川村に向かうことにしました。この場合、三重県の熊野大社等を経由して南の方から回り込んで向かう形になり、4時間近くかかりますが、途中三重県で色々寄り道をしたかったのです。
また、十津川村からの帰りは同じ道を通らず奈良市の方に抜ける形にしています。
牛銀 本店
名古屋駅でレンタカーを借りて車で一時間ちょっと走ると、松坂市に着きます。松坂牛で有名なあの松坂ですね。
松坂牛の産地だからか、有名なすき焼き屋さんがあります。
こちらは牛銀本店。明治時代から続くすき焼きの老舗ですね。
明治時代のままの建物で松坂牛のすき焼きをいただくことができます!
ちなみに隣の白い建物は洋食屋牛銀。定食スタイルでリーズナブルに松坂牛のハンバーグやすき焼きを食べることができるみたい。
建物の中は老舗感たっぷり。二階の奥にすすみます。
旅館みたいな建物だと思っていたらどうやら昔は旅館でもあったそうです。
事前に予約していたためか、2名ですが個室でいただくことができました。大広間の場合もあるのかな?
お値段的にも基本予約しておいた方がよさそうですね。
一番下のコースですが、それでもこのお肉の色味。綺麗な霜降りですね。このほかにお野菜一式もコースについてます。
南部鉄のお鍋に入れて、割り下を使わず醤油と砂糖で味付けする関西風スタイルでいただきます。関西風のすき焼きは味加減が非常に難しく、お給仕さんがずっとつきっきりで焼いて食べさせてくれます。
お肉は言うまでも無くめっちゃ美味しかった…。
一人140グラム、枚数にしてたったの2枚なのですが、良いお肉だからか二枚でもお腹いっぱいになって満足感がありました。
最初お肉少ないかなとか思ったけど、全然そんなことない
良いお肉は少なくても満足できるんだね
松坂城跡散策
牛銀はかつて城下町の中心であった場所にお店を構えており、少しあるくと松坂城跡に行けます。
車もとても広い駐車場にそのまま置かせてもらいお散歩開始です。
松坂城自体に現存する建物はありませんが、立派な石垣が残っていて百名城にも指定されているみたい。
天守閣がある場所まで登っていきます。
この切り立った石垣!柵も何もないのでちょっと怖いですね笑
再建なども特にされていないのでちょっと寂しいかもだけど、周りに高い建物もないので見晴らしがよかったです。
お城の近くにあるのが御城番長屋。松坂城を警護する武士の邸宅として江戸時代に建てられ、現在でもその子孫の方たちが住んでいるんだって!
一部の建物は開放されていて中に入ることもできました。
また、この松坂の地は江戸時代の国学者として有名な本居宣長の出身地でもあったようで、宣長にちなんだ神社があります。
天神さんみたいな学問のご利益があるみたいですね。
お散歩の途中、松坂でもう一つの有名なすき焼き屋、和田金の建物を見つけました。
明治時代の牛銀の建物と違い、こちらはビル型で、中は温泉旅館みたいなつくりだそうです。
ちなみにお値段は牛銀の1.5倍ぐらいします!さすが「金」ですね…。
VISON
さて、松坂市から車で30分ほどの距離にあるのが、VISONという施設。
こちらは地方創生をテーマにした商業施設で、広大な敷地の中に数々のショップやレストラン、ホテルや温浴施設、農園まであります。
敷地内はかなり広いので目当ての施設に近い駐車場を選ぶのが良さそうですが、土日だったので近い駐車場は空いておらず少し離れた駐車場に案内されました。
そこからシャトルバスで高台にあるホテルヴィソンへ行き、そこからショップ等のあるエリアへ降りていくルートです。
イメージ的にはおしゃれなアウトレットモールに近いかもしれない。中に入っているお店は地産地消的が中心ですが。
猿田彦コーヒーで一服しました。
やっぱりコーヒー美味しい。ここ限定っぽい伊勢の国ブレンドが売っていたのでお土産に買いました。
左からかつおぶし・昆布・味噌・醤油のお店。どれも三重県ならではのお店っぽい。
こちらがホテルヴィソン。お値段は結構お高め。
有名な辻口博啓シェフのパティスリーもありました。三重ならではの生ケーキがすごく気になりましたが…。
旅の途中だったのもあり、多少日持ちのする焼き菓子を買うことに。普通に美味しかったです。
金沢でも食べた
ここ、2時間程度じゃ足りないぐらい楽しめそうです。
もっとじっくり時間とれば良かった!と思いました。またいつか来よう。
温浴施設もおしゃれみたいで、入ってみたかった
温泉地温泉 やど湯の里
さて、VISONから車で2時間半ほどで、ようやく十津川温泉郷へ。ちなみに三重県側からの道(国道311号、168号)はとっても整備されていて快適でした。
ナビで国道425号が案内される場合もありますが、こっちは絶対に行ってはいけません!こちらは三大酷道のひとつで、離合不可能な山道がずっと続く過酷な道みたいです。
お宿の人からも、奈良県南部は168号以外の道はできるだけ通らないようにしてください、と忠告されました。これはマジです。ほんとやばいです。この後の旅で、洞川温泉や吉野山に行く際に168号を外れたんですが、ひどい道でした…。
話は戻りますが、本日のお宿はこちら。なかなかシブい外観ですね。
十津川の渓谷にへばりつくように建っています。
十津川温泉郷のひとつ、温泉地(とうせんぢ)温泉というみたい。
めっちゃレトロな民宿みたいな見た目ですが、なんと過去に秋篠宮殿下も泊まられていたそうです。そして、秘湯を守る会所属の宿でもあります。
談話室もレトロ感あふれる味わい。
今回のお部屋は二階でした。二階には広間もあるみたい。
こちらが今回のお部屋、「父」というらしいです。なんだか珍しいネーミングですね。
ちなみにお部屋にトイレはないものの、二階のお部屋はここしかなく、実質この部屋専用のトイレが外に用意されてるようなものなので安心です。
おぉ、角部屋ですね!渓谷が眺められる、景色の良いお部屋です。
奥には和室があり、ここにお布団を敷いてもらいます。
めっちゃ景色が良くて、川の水も透き通ってました。
翌朝、雨の影響で少し川の水は濁ってましたが、それでもまだまだ綺麗。
谷間にかかる霧がまさに深山幽谷の様相ですね…。
ごはんはお部屋の隣にある専用の個室でいただきました。やっぱり個室だと気兼ねしなくてよいのでありがたいですね。
山奥のお宿らしく、ますのお刺身。
山菜の天ぷら。旬ですね!
お料理のお品書きはありませんが、どれも手が込んでいます。
飾り包丁がこれでもかってぐらい入ってるんですよね。写真だと伝わりづらいんですが、実物みるとこれほど入っているのは初めて見ました。すごい感動します。
お料理自体も素朴なお味で美味しかったです。
めはりずしもいただきました。そういえばここ、三重県に近いんですよね。
基本お料理は全て準備されていますが、後から焼き立ての鮎の塩焼きが出てきました。
最後にごはん。満足なお食事でした!
すごくゆっくり食べられてよかった
飾り包丁は一見の価値あり!
食べる前に撮ればよかったのに、食べた後の写真笑
こんな感じの個室です。テレビもありました。
大浴場は男女別。地階にあります。
崖にへばりついてるのであんまり地下って感じでもないですが…。
このレトロ感…!
ちょっと明りが少なくて夜は怖いかもしれない。
こちらは男風呂。男女ともつくりはだいたい同じです。
お風呂は割と最近にリニューアルしたんでしょうか。意外にも新しめです。
内湯と露天風呂だけですが、硫黄の匂いがして薄濁りしたお湯が結構な勢いでかけ流されています。湯ノ花もたっぷり。
朝は特に薄青白く濁ってました。
やや熱めで、かなり新鮮。パワーを感じるお湯です。
ちなみにシャワーなんてものはなく、湯舟から洗面器でお湯をすくって体を洗う仕組みです。銭湯っぽい!
露天風呂からのこの景色も素晴らしいです。周りに何もないのでかなり開放的。
雨だと露天はちょっと入りづらいですが、内湯の窓も広く取られてるので気持ちよく入れました。
お湯と景色の両方が良いってなかなか両立しないんですよね…。
内湯の構造上、寝湯ができるようになってるのも良い…
お湯がほんと新鮮
こちらは女性風呂。左右対称な感じです。
目の前を流れる川の曲がり具合の関係上、こっちの方が開けてて景色が良いです!
女性風呂でもこんな景色良いのは珍しい気がする。
ただ、微妙に対岸の道路や宿の駐車場から見えてしまうんですよね…。対岸の道路は山奥なので気にならないですが、駐車場は少し気になるかもしれない。
最後に朝ごはん。シンプルな朝食ですが、鮎の甘露煮があるのが嬉しいですね。
宿泊の感想
外観の古さや立地的な問題など人を選ぶ宿だとは思いますが、温泉好きであればまず満足できると思います。
硫黄の香りがする薄く濁ったお湯がドバドバかけ流されて、外の景色も開けている大浴場は一晩中入れるし、人に合うこともほとんどありません。(一日3組ぐらいしかとってないみたい)
また、ご飯についても派手さはありませんが、とても丁寧に作られたお食事を個室でいただくことができて満足です!
道の駅 十津川温泉
さて、宿をチェックアウトしてコーヒーが飲みたくなったので、とりあえず道の駅へ。
十津川村にはコンビニ…というかそもそも商店的なものはほぼないので、旅行者にとってはこの道の駅が生命線です。
中はそれほど広くありませんが、外の川を見ながらゆったりできる席で朝コーヒーをいただくことができました。
果無集落
世界遺産である熊野古道はいくつかのルートに分かれており、そのうち高野山と熊野大社を最短ルートで結ぶ小辺路(こへち)が十津川村を通っているのですが、そのハイライトともいえる果無集落があります。
果無集落は山深い場所なのですが、実は車で目の前まで行くことができます。
ただ前述の通り国道168号から外れたとたん、離合困難な道を数キロに渡って進むことになるため、ちょっと覚悟が必要かもしれません…。
世界遺産の石碑が集落の入口に建っていました。
遠くを見渡す限り山、山、山。
まさに果無(はてなし)ですね。
山奥にある集落ですが廃村にはなっておらず、田畑の手入れがしっかりなされています。そして、その横をぬうように整備された石畳の道…。風情がありますね。
あいにくの雨ですが、それでも来てよかったと思える光景でした。
民家の真横を通り過ぎるようになっているのですが、その中の一軒では軒先を開放しているそうです。ただ今日は雨だからか閉まっていました。
水場もありました。
果無…。ロマンあふれるこの名前がいいですね。十津川村に来たら寄ってみたいスポットでした。
谷瀬の吊り橋(たにせのつりばし)
お次は十津川村の中心から北の方にある名所、谷瀬の吊り橋です。三島スカイウォークやくじゅう「夢」大吊橋など、これより長い吊り橋は他にもありますが、ここの特徴はその見た目と、あくまで生活道路としての長さ日本一。
もとは観光用に作られたのではなく地元の人たちがお金を出し合って作ったそうなのです。
そしてこのつくり!
なんと同時に20人までしか渡れないそうな…。
わんこは0.5人分かな?
めっちゃ怖い!かなり揺れるし、なにより下が見える、木の板一枚しかないこのつくりが怖い。かなりビクビクしながら渡りました。
対岸にはお茶屋さんがあって一服できます。
これ、高所恐怖症の人には絶対無理だ…。
他の吊橋をクリアできてる人は是非こっちにもチャレンジです!
くじゅう"夢"大吊橋を渡った思い出
山奥の秘境、十津川村を堪能した
十津川温泉郷には他にも魅力的な宿があるから気になるね
次は十津川村の北、天川村にある洞川温泉(どろがわおんせん)へ向かいます。
日本三大秘境のひとつ、祖谷を旅した時の記録