こんにちは、しろいるかです
2022年ゴールデンウィーク、九州の佐賀・熊本・大分を中心に旅しました。
- 旅の全行程
- 佐賀県を目指して
- 福岡市博物館
- 新三浦 博多本店
- 水野旅館
- 水野旅館:内観
- 水野旅館:お部屋
- 水野旅館:夕食
- 水野旅館:お風呂
- 水野旅館:朝食
- 唐津やきもん祭り
- 旧大島邸
- 旧唐津銀行
- 旧高取邸
- 唐津城
- 唐津猫
旅の全行程
本記事は太字部分が対象。
【一日目】
羽田空港~福岡空港~福岡市博物館~新三浦博多本店
宿泊:水野旅館
【二日目】
唐津やきもん祭り探訪~呼子(加部島)でイカ活け造り~浜野浦の棚田で夕陽
宿泊:御船山楽園ホテル
【三日目】
武雄温泉元湯~有田陶器市探訪
宿泊:天河山荘
【四日目】
くじゅう花公園~ガンジー牧場
宿泊:黒川温泉 帆山亭
【五日目】
阿蘇山(高岳・中岳)登山~阿蘇ミルクファーム
宿泊:寒の地獄温泉旅館
【六日目】
長者原(タデ原湿原散策)~九重"夢"大吊橋~わいた温泉郷
宿泊:長湯温泉 翡翠之庄
【七日目】
長湯温泉街散策~ラムネ温泉~白水鉱泉~吉野ヶ里歴史公園~一藤(もつ鍋)福岡空港~羽田空港
佐賀県を目指して
佐賀県。るるぶやまっぷるの九州版を見ても、佐賀県だけ割かれているページが少なかったり、魅力度ランキングで毎回最下位周辺(でも最下位になって話題をかっさらうことも無い)だったり何かと不遇な立ち位置な感じです。
実際に旅行してみるまでは
そろそろ全都道府県制覇できそうだけど、そういえば佐賀県は長崎県に行くときに通ったっきりだったわー
とりあえず行ってみるか…
みたいなテンションでした。
しかしいざ行ってみると佐賀県、とても素敵な県です。美味しいものに焼き物をはじめとする文化的な土壌、個性的な温泉。。
佐賀県の魅力はまた次の記事で語るとして、佐賀県の北部(唐津や呼子など)へ行くには実は佐賀空港よりも福岡空港の方がアクセスが良いため、今回は福岡空港から佐賀県を目指します!
福岡市博物館
福岡空港に降り立ったとき生憎の大雨。あまり出歩かず、屋内施設の福岡市博物館へ。
朝から空いていて、入館料もお安い。時間つぶしにぴったりです。そしてなにより、ここにはあの有名な金印のホンモノが常設展示されているのです。
歴史の教科書にも載ってる、漢委奴国王と書かれたやつですね。発見された志賀島(しかのしま)もすぐ近くです。
写真がボケてしまってた…。
思ったより小さいですが、これが畑仕事の最中に見つかるなんて思いもよらないですね。未だになぜここで発見されたのかは謎だそうです。
印影がかっこいい。
金印以外にも、福岡県を中心に歴史をたどっていく展示は惹きこまれるもので、なんだかんだで1時間以上じっくり見てしまった。
企画展では日本号と呼ばれる名槍が展示されてました。
繊細な刀身の彫刻に加えて柄の部分は螺鈿で飾られていて、およそ儀式用にすら見えますが、実際に打ち合った形跡も見られることから戦いに使用されていたんだって。
思いがけず、いいものがみられた!
新三浦 博多本店
福岡県から佐賀県に移動する前に、博多でお昼ごはんをいただきます。
博多と言えばとんこつラーメン、もつ鍋等色々名物がありますが、今回は水炊きをいただいてみることに。
新三浦は創業100年を超える水炊きの名店だそうで、期待も高まります。
ただ場所が少し中心街からは外れていて、車がないと行きづらいかも。一応バス停は近くにあるみたいです。
中はテーブル席ですが、仕切られていて半個室みたいな雰囲気。
今回は一番お安い4,000円弱のランチコースです。まずは湯引きしたささみ。
隣に水炊きの鍋が用意されるんですが、これの匂いがすごい!原始的な香りというか、ひたすら鶏肉を煮詰めていて、100年以上継ぎ足しされているというのだからそれも納得です。ここは好み分かれるかも。
水炊きと言えば、薄めの出汁で鶏と野菜を一緒に煮て食べるというのが定番のイメージでしたが、ここではまず鶏肉だけを煮て、それを先にいただくスタイルです。
鶏肉はホロホロで美味しい!濃ーい鶏出汁のお味も沁みてて、そこに九州らしく甘めのポン酢につけていただきます。
美味しかったので追加注文してしまったつくね。一人2個で、二人前で1,000円ちょっと。
一通りお肉を食べ終えた後にお野菜をいただく形です。
お野菜にも鶏出汁が沁みてて美味しいですね!
〆は雑炊…ではなく、お茶漬けのように鶏出汁をかけていただきます。最後はポン酢も入れて味変を楽しみながら。
デザートは牛乳プリン。最後はさっぱりできました。
水炊きのイメージが覆された
本場の味をいただけて満足!
水野旅館
博多から車で1時間ほどで唐津に到着。近い!
唐津は歴史ある町で、古くからの旅館がいくつも残っているようなのですが、その中で今回泊まったのはこちらの水野旅館。
海沿いで唐津城に近い好立地なのと、唐津からほど近い、呼子のイカの活け造りをいただくことができる旅館だったからです。
少し奥まったところにあります。雰囲気ある小道と、奥に見える唐津城がいいですね。
この門と、母屋は登録有形文化財みたい。門は近くにある名護屋城跡から移築されたものだそうです。水野という屋号からも、戦国大名とかも所縁のある旅館なんでしょうか。
立派な門をくぐって中へ。
小さ目の入口。旅館っぽくない、帳場みたいなのが入口にない独特のつくりでした。
水野旅館:内観
中に入ると、こどもの日も近いからか立派な五月人形と囲炉裏のあるお部屋。
囲炉裏の自在鉤で鎧が隠れてしまった…。
狭い道を通って明るい中庭に面した廊下へ。お花がたくさん置いてあって華やかです。
こちらはお風呂への道。なんと生け簀があるんです!たっぷりの伊勢海老がうぞうぞしてました。ところで活け造りのイカもここにいるのかと思ってたら、いない…?
ただいま不在です
水野旅館:お部屋
お部屋の名前を忘れちゃったのですが、「海の見える和室十畳 檜の内湯付」のお部屋です。入ってすぐには玄関のようになっていて、広々としたスペース。
広縁もかなりとってあって十畳よりも相当広いです。
床の間も良い感じ。
お宿のつくり的にどのお部屋も一面オーシャンビューっぽい?窓も大きくて、とても気持ちいい滞在ができたのが良かった。
砂浜に面しているので、到着当日は台風並みに風が強く少しガタガタしていたのですが、お宿の人もここまで風が強い日はそうそうないとのことで、翌日風が収まるととても静かになりました。
遠くにみえる台形の山は高島という島で、宝くじにご利益があることで有名な宝当神社(ほうとうじんじゃ)があるんだって。テレビか何かで見たことがある気がする。
唐津焼のリスがかわいい!お土産としても売っていました。
水野旅館:夕食
夕食は、二階の別のお部屋を貸切でいただきます。広くて落ち着くし嬉しい!
お献立。ここで衝撃の事実が。本日は風が強すぎてイカ釣り漁船が出航できず、イカの活け造りが用意できないとのこと…。ガーン…
イカたべたかった…
まぁ、無いものはない、気を取り直してお料理を見てみると、美味しそう!
こちらはとんさんなます。秀吉が朝鮮出兵で唐津に寄った際、地元の漁師が生き魚を海水で洗い、えなが(ひしゃく)にお刺身として盛って出したところ、秀吉があまりの美味しさに玄界灘周辺の地先権(漁業権みたいなもの)のお墨付きをもらった、といういわれある料理だそうで。
イカは残念ですが、それを忘れられる料理の美味しさです!
こちらはイカの代わりの生うにと車エビ。こちらも新鮮でした。
さざえのお造り。コリコリで、これまた新鮮。生臭さが全然ないですね!
お椀はタケノコがのったしんじょ。お出汁が利いててこれまた良い…。
イサキの幽庵焼き。皮パリパリです!
伊勢海老の具足煮。生け簀で泳いでた伊勢海老かな…。
ちょっと変わり種の薬膳茶わん蒸し。漢方と聞くと食べづらそうな気もしますが、うまく調理されてていただけました。いっぱい食べても胃もたれせずに済みそう!
珍しい、クジラのウネというお腹の皮下脂肪のあたりの部位の湯引き。初めて食べました。ちょっと癖ありますが酢味噌と一緒に食べると美味しいですね。
最後はごはん。
デザートが手作り感あってほっこりしました。
イカ食べられなかったのは残念ですが、他のお料理もとても丁寧に作られていて、特にとんさんなますはめっちゃ美味しかった。
さすが料理旅館
水野旅館:お風呂
唐津には温泉はなく、残念ながら沸かし湯です。
男女ともあり、深夜は入れませんが、早朝も入れるので朝風呂派も安心。
あまり広くはない浴室なものの、旅館自体受け入れ人数が少ないからか、一度も他の人とかちあわずにゆっくり入れました。
水野旅館:朝食
朝食も同じく専用のお部屋で。夜はわからなかったけど、こんな眺めが良かったとは!
朝もお献立ついてるとテンションあがりますよね。
地元の有名店のものが少しずついただけます。川島豆腐のざる豆腐や吉田屋のひもの、藤川蒲鉾のギョロッケ…。
ギョロッケは魚のすり身コロッケなんですが、ネーミングセンス抜群ですね笑
唐津やきもん祭り
良い感じの五月晴れになった出発日。
唐津に来た理由の一つとして、ゴールデンウィーク期間はやきもん祭りが開催されており、それを観に来ました。
佐賀県は焼き物大国。有田焼、伊万里焼、波佐見焼(これは立地的には近いけど長崎県…)、そして唐津焼と名だたる焼き物の産地をかかえています。
焼き物の産地が佐賀県に多いのは、大陸が近い立地だったいうことに加え、秀吉の文禄慶長の役も大きく関係しているそうな。
さて、今回見に行く唐津焼は有田、伊万里と比べると紆余曲折した歴史があります。
戦国時代には焼き物と言えばからつもの、と呼ばれるほど隆盛を極めたのですが、その後江戸時代に入り幕府方針で有田の方に窯元が集約されてしまい、さらに明治期に入ると一度は完全に廃れてしまいました。
しかしその後、人間国宝の中里無庵が古唐津の技法を復活させ、それによって再び唐津焼の良さが世に知れ渡り、現在では50ほどの窯元ができるほどに復興したそうです。
栄枯盛衰、時代は廻るのですね…。
唐津焼は絢爛豪華で繊細な有田・伊万里(磁器)とは異なり、素朴で土っぽい造り(陶器)が魅力。また、小さい窯元が多いことから大量生産は行われておらず、結果として器との一期一会が楽しめるという特徴もあります。
そして、今回唐津の街を歩いてみてわかったのは、こじんまりとしているんですが随所に歴史があり、とても雰囲気のいい場所だということ。陶器に興味がなくとものんびり街歩きは是非オススメです。
水野旅館から町の中心部までは徒歩15分ほど。唐津やきもん祭り中は町の空き店舗等に様々な窯元の作品が並べられ、ショップ巡りをするような感覚で楽しむことができます。
雰囲気ある昔ながらのアーケード街。
今風のお店もありますね!
商店街の中の和菓子屋さんで、お団子を食べつつ散策。
唐津駅の横に唐津市ふるさと会館アルピノがあります。お土産物屋さんやカフェ等も集まる複合施設。迷ったらここを目指すのがいいかも。
唐津駅は立派ですね。
駅の中にも窯元が出店していて、こちらの椎ノ峰窯さんで器を一つ購入。
こちらも駅近くにある、ホテルも併設したKARAE(唐重)という施設。唐津で今時のレストランでランチしたいならここですね。
やきもん祭り中、こちらの二階のスペースに出店されていたお店。
作礼窯さんの作品がとても気に入り、コーヒーカップを購入しました。
焼き物巡りの楽しさに目覚めてしまったかも
旧大島邸
やきもん巡りと併せて楽しみたいのが唐津の名所めぐり。
こちらの旧大島邸は唐津藩士の邸宅跡。やきもん祭り中はお茶会のイベントが開かれていて、茶の湯で愛用されたという唐津焼にピッタリのイベントですね。
良い感じのアプローチ。
庭園の緑が綺麗でした。
お庭の中にお茶室があるみたいですね。
トイレまで焼き物!?
旧唐津銀行
お次は旧唐津銀行。
東京駅舎を設計した、あの有名な辰野金吾は実は佐賀県出身。こちらの旧唐津銀行も辰野金吾作の建物なのです。
このクラシカルな雰囲気がいいですねー。やきもん祭り中は展示会場になっていて、ここで展示された作品はすべてオンライン購入することができるようになっていました。
二階部分にも登れます。
宮殿のような応接室。
旧唐津銀行の一階部分の吹き抜けは必見ですね。
旧高取邸
お次はこちら、旧高取邸。
九州の炭鉱王とも言われる高取伊好の邸宅跡です。
ちょっと別格すぎる大きさ。なんか洋風建築もくっついてるし。
こちらは中は写真禁止だったので、裏側のお庭から建物を撮ってみます。外観ではわからないですが、実は中に能舞台まで用意されているという豪華さ。
裏手は海になっていて、きっとプライベートビーチに繋がるであろう門(想像)。なんかいい雰囲気。
ワインセラーまである!
炭鉱王の底力を見た
唐津城
最後は水野旅館滞在中もチラチラ見えていた唐津城へ向かって唐津観光を締めくくります。
高島は特徴的な形ですね。プリン型とも言われるとか。
先ほどの旧高取邸からは海岸線の道を進んでいくのが眺めも良くておすすめ。
泊まっていた水野旅館も見えました。
海岸線からだと一旦ぐるっと回って表階段にたどり着く形になりますが、実はエレベータ(有料)も用意されてて楽に天守閣のところまで行くこともできるみたい。
唐津城は藤棚も有名みたいで、すこし最盛期を過ぎてましたが綺麗な藤の花を見られました。
城跡の石碑は取ったのに肝心の唐津城を間近で撮らないという痛恨のミスをしつつも…
天守閣は模擬天守ですが、最上階の見晴らしは格別ですね!遠く弓なりの海岸線沿いに、日本三大松原のひとつ、虹の松原も見通せます。
唐津城の中は唐津の歴史がわかる展示がされていて、これも意外と面白かったです。
唐津猫
最後に、唐津にはネコがたくさんいました。
めっちゃ人懐っこい子。
ニャーと言うと、ニャーって返事してくれます。可愛すぎる。
THE三毛猫。唐津城周辺に特にネコが多かったです。
老舗旅館にやきもん巡りに史跡巡り…
街の雰囲気もいいし、唐津では楽しい観光ができたね
またやきもん祭りの時期に訪れて、今度は虹の松原散策や高島に渡って宝当神社にもおまいりしてみたい。
唯一の心残り、海が荒れてイカ釣り漁船が出ずに食べられなかったイカ。当日のものでなくてもいいからイカを求めて、唐津から30分ほどの距離。呼子に向かいます。
呼子でまってるよー
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