しろいるか旅行記

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旅行が好き だいたい週末更新

2022年1月 山陰【4/7】城崎温泉 さんぽう西村屋で活松葉蟹のフルコースディナー! タグ付き蟹一匹丸ごと最高の調理でいただける。

こんにちは、しろいるかです
2021年から22年にかけての年末年始、島根県から福井県まで、西日本の日本海側を縦断する旅をしました。

旅の全行程

本記事は太字部分が対象。

【一日目】
羽田空港~米子鬼太郎空港~江島大橋(ベタ踏み坂)~松江城出雲大社島根県古代出雲歴史博物館
宿泊:温泉津温泉 旅館ますや

【二日目】
薬師湯(温泉津温泉)~石見銀山世界遺産センター~石見銀山公園~龍源寺間歩)
宿泊:出雲湯村温泉 湯乃上館

【三日目】
青山剛昌ふるさと館~米花商店街~鳥取砂丘~砂の美術館~さんぽう西村屋(城崎温泉
宿泊:城崎温泉 川口屋本館

【四日目】
城崎温泉街散策永平寺で除夜の鐘
宿泊:永平寺 親禅の宿 柏樹関

【五日目】
永平寺でお勤め~黒壁スクエア~近江八幡
宿泊:sequence KYOTO GOJO

【六日目】
ドミニクブシェ京都「La Teppanyaki」~K36(The Bar&Rooftop)
宿泊:ザ・ホテル青龍 京都清水(The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu)

【七日目】
清水寺安井金比羅宮~天下一品知恩院前店
宿泊:メルキュール京都ステーション

【八日目】
帰宅

城崎温泉とは

兵庫県の北部にある温泉。1300年の歴史があり、江戸時代の温泉番付では西の関脇に位置付けられ有馬温泉に次ぐ人気であったことが伺えます。現代でもほぼ位置づけは変わっておらず、全国的にも有名な温泉のひとつです。

城崎温泉が他の温泉地と違い独特なのが、旅館内の内湯の制限

宿泊客は、数多くある外湯を巡ることが伝統とされ、戦前にはじめて内湯を作った旅館は裁判沙汰にまでなったそうです。無事に和解したものの、今でも独自の制限のもと、宿の内湯の大きさは制限されているんだとか。

そんな経緯もあり、城崎温泉はとにかく外湯巡り文化がものすごく発達しています。

それがどの程度すごいのかというと…

  • それぞれ雰囲気も異なる規模大きめの7つの外湯が、温泉街に点在
  • 外湯は(場所にもよるが)朝7時から夜23時まで営業
  • 城崎温泉の宿の宿泊者は、7つの外湯巡りがすべて無料になるパスポートが貰える
  • 外湯の開湯時間が長いので、夜9時でも空いてるお土産物屋が数多くある

温泉街を巡る宿泊者がとにかく多く、町全体に活気があります。街並みも風情があり、景観条例によって守られた木造三階建ての旅館やお店が立ち並び大正レトロを感じるすてきな雰囲気。

熊本の黒川温泉とかもそうだけど、やっぱり温泉街全体が一丸となって街づくりは重要だね

景観条例とかも大事だよね

欠点はというと、源泉かけ流しは期待できません。外湯はすべて循環併用、内湯もかけ流しの旅館はほぼありません。泉質重視派の人には物足りないかも。

城崎温泉街散策(夜)

さて、鳥取から車を飛ばし、すっかり日も暮れてしまいましたが城崎温泉に到着。

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宿にチェックインしてひとしきり休んだのち、温泉街をぶらぶらしながら夕食を予約しているレストランまで歩きます。

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大谿川(おおたにがわ)に沿って作られた温泉街は、灯りに照らされた柳並木や石灯篭がとてもきれいです。

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大規模旅館もこの辺りには無く、低い建物ばかりなのも景観が守られてますね。

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城崎では夜空いている店も多く、素泊まりでも夜ご飯難民になる心配はあまりなさそう。

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川面に映る灯りが幻想的でいいですね。

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こちらは7つある内湯のひとつ、一の湯です。劇場のような、駅のような外観ですね。

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一の湯から先は大谿川沿いから離れますが、まだまだお店や旅館が立ち並びます。

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温泉街が長い!遥か先まで続いてます。ちょっと残念なのが、交通量が意外にあること。難しいのかもだけど、このあたりホコ天にできたら捗るだろうなー。

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お店も閉まるところはありますが、夜でもバンバン空いてます。

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温泉街巡りの定番となりつつある射的。実は一度もこういうとこ入ったことがない…。

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右手にあるお寺のような建物が外湯のひとつ、御所の湯。2020年11月にリニューアルされたばかりです。

実は入った外湯はここ一か所だけだったんですが、とても広くてきれいな露天風呂で、循環しているものの良い薬剤を使っているのか、塩素臭もほぼゼロで気持ちよく入ることができました。

朝いちに入ったので、人が多い時間帯だとまた違ったかもですが…。

かけ流し好きで、城崎を避けていた人でも、いざ入ってみたら意外に満足するかも?

避けていた人の一人だった

かけ流し・循環のカタログスペックだけでは測れないものがある

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御所の湯のお隣には立派な神社も。ちょっと怪しいライトアップ。

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御所の湯を超えて、さらにもう少し進むと、本日予約していたレストラン、さんぽう西村屋さんです。

蟹のお話

城崎温泉兵庫県でも日本海側に面した立地。主に鳥取県から石川県にかけての日本海側の県では冬の間、良質なズワイガニがたくさん獲れることから、冬の城崎温泉といえばカニというぐらいカニ推しです。

しかし、ズワイガニといっても実はピンキリで、漁場に近い城崎温泉等であっても旅館のカニプランなどでいただけるカニは冷凍ガニがほとんど。冷凍ガニだからといって美味しくないわけではないですが、折角の産地なので活き蟹をいただきたい!

そしてまた、活き蟹と一言で言っても、生け簀の中で長く過ごしたカニは身が細ってしまい味が落ちてしまいます。単に生きていることが重要なのではなく、水揚げされて間もない状態でいただくのがベストなんですね。(数日生け簀に入れ、泥抜きをする方が美味しいというところもあるそうです)

そしてまだまだ!活き蟹の中でも、体が大きく、身がしっかりと締まっているカニに対して各地の漁港ではブランドタグをつけて、特別な名称で他のカニとは区別して流通させています。

このカニたちを総称して、「松葉ガニ」と呼ばれているんですね!

カニ博士!

えへん

さらに、同様の活動は北陸の県でも行われており、石川県では加能ガニ、福井県では越前ガニと呼ばれています。

実はどれもズワイガニという同じ種類のカニで、獲れる漁港が違うだけだったというのは、驚きです。

福井県の望洋楼、美味しすぎる越前ガニを食べた記憶

※望洋楼は2021年に全面リニューアルしたため、宿泊の参考にはならないかもです。

さんぽう西村屋

城崎温泉の中でもごく一部の宿では松葉ガニをいただける宿もあるんですが、非常にお高い&予約が取れない…。

ということで、今回は素泊まりでお安めの宿に泊まり、松葉ガニを提供している外のレストランでいただく方針にしました!

さんぽう西村屋は、城崎を代表する老舗高級旅館、西村屋が2019年に新たにオープンしたレストラン。西村屋自体は城崎の中でも古くから松葉ガニを取り扱ってきたようで、蟹の目利きにも期待できます。

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木造の二階建てのおしゃれなレストラン。お隣にあるのが旅館の西村屋です。登録有形文化財にも指定されているようで、そこからも歴史が伺えますね。

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明るい時間に撮った写真。入口はギフトショップになっていて、名物の蟹山椒とか売ってます。

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お隣の旅館、西村屋もとても立派。

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いつか泊まってみたいな。以前泊まったことのある夫曰く、旅館で食べる蟹もめっちゃ美味しいそうです。

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お昼はカジュアルな雰囲気で、ランチであれば2000~3000円ぐらいでいただけるみたい。

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そして、こちらで蟹フルコースディナーをいただきます!

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活松葉蟹と但馬牛炭火焼「雪松」。活松葉蟹一匹を様々な調理法でいただくことができるコースだそうです。

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「活」松葉蟹と銘打っている料理はその場でさばいて調理しているんでしょうね。

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お酒はあまり飲めないんですが、二人で一人前を分けてもらえるとのことで、折角なので日本酒ペアリングを頼んでみました。

これが大正解で、非常に飲みやすいお酒ばかりだったのと、ソムリエの方もお料理と美味しいペアリングの仕方を教えてくれたりと、お値段以上の価値がありました!

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まずは前菜。蟹はいないですが、どれも滋味深い味でこれからの料理に期待が高まりました。

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前菜のお浸しとのペアリングで持ってきていただいたのがこちらのMISAというお酒。日本酒には詳しくないので違いがわかるわけじゃないんですが、ペアリングになっていたのがだいたいどれも甘めのお酒で、非常に好みに合いました。

別の場所でも、ペアリングやってたらまた頼んでみようかな、と新たな世界が開けたかもしれない

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続いて蟹しんじょ。これも染み渡るー。。

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ワインのようなデザインのeverythingというお酒。お酒の製造者の背景とか、ストーリーを合わせて説明してくれたりするのがいいですね。

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蟹と地魚のお刺身です。付け合わせのお醤油がもろみをその場で絞って作ってくれるもので、これが優しいお味でとても良かった。

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そしてなんといっても蟹。モチモチの食感でした。

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こちらのペアリングはお醤油に合う形で作られているようで、これまた合うんですね。すごい。

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次は茹でガニ!これも最高です。チラリと見えるタグはピンク。日によって仕入れは変わるそうで、今日は柴山カニだそうです。

蟹味噌って臭みやえぐみがあってあまり好きではなかったんですが、美味しい蟹は全然そんなことないんですよね…。

また、この蟹酢が美味しすぎる。なんだろう、ほんのり甘味があって、蟹酢だけでも買って帰りたい…!ってぐらい。

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こちらはリスト上だと白木久酒造のCHIMERAというお酒だったんですが、これまでのお酒の好みを見てくれてか、こちらの方が合うかなということで同じ白木久酒造のブラックレーベルというお酒でした。蟹酢とめっちゃ合うんですよね!

f:id:irukas980:20220209223350j:plain実はカウンター席。目の前の空間で、次のカニを炭火で焼いてくれているところを見ながらいただきます。

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この焼きガニが間違いなく一番でした。美味しすぎる。身の甘みと蟹味噌がすごい。

語彙力が無いのが悔しい。

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このプリプリ感!

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蟹味噌も、グツグツいってるんです。

かにおいしすぎる

わかるわー

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ここでも、もともとリストにあった剣菱というお酒に加えて、八重垣酒造のお酒と二種類で。ペアリングって奥深いです。

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ここまでですでにお腹はだいぶ膨れましたが、とどめの但馬牛。牛肉は余計かなと思ったけど全然そんなことなかった。付け合わせのもろみもいいんですよねー。

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リストにあったSYNAPSというお酒をいただいて、これもまたもろみと抜群に合ったのですが、まさかの撮り忘れ。

さらにその後、こういうのもあります、ということで飲みやすめの古酒を少しオマケでいただけました。こういうジャンルもあるのか…。奥深い…。

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お料理はまだまだ続きます。

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ねっとりとした芋に蟹のあんかけ!

良質の蟹を使っているのはもちろんですが、全体的にお料理自体もとても手が込んでいてどれも美味しいですね。

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最後は蟹雑炊。おかわりもありますよー。とのことでしたがお腹いっぱいすぎて断念…。普段だったらこれ無限にいけるやつです。

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最後はデザート。フルーツとジュレがさっぱりしてて締めにピッタリの味。

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気が付けばだれもいなくなってたので、全景写真を。天井が吹き抜けになっていて解放感があるし、真ん中の炭火焼のところにあるマントルピースのような構造が素敵な空間。

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テーブル席もありますが、こちらのお店はカウンターで食べた方が楽しそうです!

お値段は張るけど、さすがに美味しくいただけた

城崎で蟹食べるなら間違いないお店

川口屋本館

蟹を食べて大満足で宿に帰宅。

お宿の方は今回素泊まりだったのと、朝は時間を間違えて内湯に入り損ねたためほとんど寝るだけになってしまいましたが、とても立地の良い場所にある旅館でした。

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入口はTHE旅館って感じでいいですね。

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木造三階建てのお宿。木造なのでちょっと声は響いてしまうかも。

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お部屋はやや小さ目の和室ですが、トイレバス別であるし、ゆっくり寝られました。

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こちらの川口屋本館は温泉街のほぼ中心部に位置しており立地がとにかく抜群。城崎温泉に泊まって温泉街歩きを楽しむなら、大谿川に面した旅館、かつ外湯の一の湯に近い場所を選ぶとよいかもしれません。

温泉街散策(朝)

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ちょっと曇り空の朝。眠い目をこすりながら御所の湯に入りに行きました。

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温泉街の奥には山々が。ロープウェイがあって、登ることもできるみたい。

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お風呂に入って、少し温泉街を散策。

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意外によくみる、建物にとりつくカニ

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駅までお散歩。兵庫県といえどここは雪の多い場所で、電車もよく運休になってしまうそうです。この日も実は運休でした…。

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駅前にある7つの外湯のひとつ、里の湯。こちらは唯一サウナがあるそうなんですが、オープンが13時からということで、断念…。

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近くの喫茶店でモーニング珈琲をいただいて…

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朝からあいているソフトクリーム専門店にふらりと立ち寄って

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黄金のカニソフト!

イロモノかと思いきや、蟹せんべいが食感のアクセントになった、普通においしいやつでした。

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朝ごはんは意外に選択肢がない城崎温泉。モーニングをやっているところもあるようですが、結局食べずじまいで温泉を後にしました。

カニ目当てで他の観光地には行く時間がなかったんですが、城崎温泉には数多くの文豪たちが泊まったことにちなんで文芸館があったり、温泉地に定番の温泉寺参拝したりと、他にも見るべきところがいろいろありそうです。次回の宿題ですね。

冬の松葉ガニの美味しさは期待以上だった

城崎温泉の雰囲気も良いし、冬は城崎温泉カニ三昧っていいね。

次は福井県永平寺に行き、大晦日と元旦を過ごします。

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