しろいるか旅行記

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2021年9月 上高地【1/5】「徳澤園」泊 片道2時間ハイキングのご褒美、食事も美味しくお風呂もある快適な山小屋!

こんにちは、しろいるかです
2021年9月、上高地から本格的な登山をしました。

旅の全行程

本記事は太字部分が対象。

【一日目】
上高地~五千尺キッチン(ランチ)~上高地ハイキング(河童橋→明神→徳澤)
宿泊:徳澤園

【二日目】
登山(徳澤→横尾→涸沢→穂高岳山荘)
宿泊:穂高岳山荘

【三日目】
下山(穂高岳山荘→涸沢→横尾→徳澤→明神→河童橋
宿泊:五千尺ホテル

【四日目】
上高地ハイキング(河童橋大正池)~帝国ホテルでお茶
宿泊:ひらゆの森

【五日目】
新穂高ロープウェイ
宿泊:槍見館

【六日目】
平湯温泉街散策(ナガセスッポン養殖場~平湯民族館)

上高地とは

岐阜県と長野県のおよそ県境、中部国立公園の中にある標高1,500mほどのエリア。

梓川を中心に緑豊かな湿地帯や美しい池沼が広がる自然と、戦前から山岳リゾートとして開拓された歴史に裏打ちされた、風格あるホテルや山小屋が立ち並びます。

ゆったりとリゾートホテルに泊まって優雅な気分を味わいながら、ほんのり1時間から2時間ほど軽いハイキングで素晴らしい自然を堪能する、そんな楽しみ方ができるすてきな場所。さらに近隣には白骨温泉奥飛騨温泉郷といった温泉地もあります!

一方で、上高地は日本有数の山岳地帯である北アルプスの山々への登山口としても有名で、過去に訪れた際も、上高地の中心地である河童橋周辺は、ガチな登山リュックを背負った登山客とリゾート客が入り混じる不思議な空間でもありました。

今回私たちは、そのガチ登山側の仲間入り目指して頑張ってみます!

上高地へ(高速バスで平湯温泉バスターミナル経由)

上高地はマイカー規制がされているため、どのような交通手段であろうと最終的には岐阜側のあかんだな駐車場、もしくは長野側のさわんど駐車場に車を停めて、そこから専用バスで上高地バスターミナルへ移動する必要があります。

イカーでない場合は近くに新幹線の駅等がないことから、高速バスがとにかく便利。都内からは上高地直通のバスも出ていました。

今回は岐阜側にある平湯温泉バスターミナル(あかんだな駐車場)行きの高速バスを使い、そこから上高地行きのバスに乗り換える形をとりました。

今回は平湯温泉行きの高速バス利用で往復特典のキャンペーンなんかがあったのでそちらを使ったけど・・・

直通バス使えるならそっちの方が良いね

長野側から行く場合はこちら

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途中寄った諏訪湖SAからの諏訪湖。快晴で、良い旅になりそうです。

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早朝発のバスに乗ってだいたい昼前に平湯温泉バスターミナルこと、アルプス街道平湯に到着。

観光バスも休憩に立ち寄るようないわゆる道の駅的ポジションの場所で、お土産物屋さんやパン屋さんに食堂があり、だいたい必要なものは調達することができます。

ただ近隣にコンビニはありません。また、山深い場所なのでゴミ箱が設置されていないことにも注意が必要です。

ここから上高地行きのバスに乗り、だいたい15分ほどで上高地バスターミナルに到着です!

上高地行きのバスの時間は1時間に1本とかなので時間は調べておいた方が良さそう

上高地バスターミナル~河童橋周辺

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上高地バスターミナルもとても充実しており、食堂やお土産物やさん、後は周辺散策や登山に向けたビジターセンターも設置してあります。ここからはトイレはチップ制(100円)になるため、小銭を常備しておきたいところ。

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バスターミナルから数百メートルほど歩くと上高地の中心地、河童橋に到着です!

青く透き通った梓川に架かる橋、奥には穂高連峰と最高のロケーションです。

ただこれから登ろうとしている穂高連峰はめっちゃ雲に覆われてる…。

大きな荷物を下山後宿泊予定の五千尺ホテルに預け、まずは昼食を摂ります。

五千尺キッチン

五千尺ホテルに隣接する五千尺キッチンでランチをいただきます。

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1階はお土産物屋さんになってます。

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最初に注文して、後は席で待つスタイル。

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河童橋を見ながら食べられるカウンター席もありました。

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こちらは松本名物、山賊焼定食!

ようは揚げ鶏なのですが、山賊は人からモノを取り上げる(揚げる)という言葉遊びから来てるらしい。サクサクでおいしい!

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こちらは味噌ラーメン。ハイキングの前にしっかり炭水化物を補給です。

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さらに飽き足らず、1階のお土産物屋さんで上高地ソフトもいただきました。

栄養補給はバッチリ、これから片道2時間の道のりを歩いて本日宿泊の徳澤園へ向かいます。

食べ過ぎた

2時間あるいても消化しきれないかも…

徳澤園へハイキング(岳沢湿原)

徳澤園へは最短となる梓川左岸コースを通れば2時間なのですが、体力に余裕があれば途中の明神までは景色が良く楽しい梓川右岸コース(明神池方面)を歩くのがオススメです。プラス30分ほどかな?

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河童橋から徒歩15分ほどで、岳沢湿原に到着です。

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広くない場所ですが、景色は随一。水がきれいすぎて思わず飛び込みたくなります。

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湿原に山が映り込むのがまた良いですね。

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右岸コースはこんな感じの木漏れ日が気持ちいい道を歩いていきます。しっかりと整備されていて、危険個所はありません。

徳澤園へハイキング(明神橋

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梓川右岸コースを歩いて1時間ちょっとで明神橋に到着です。

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なんだか人だかりがあるので近づいてみると…。

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ニホンザルの群れが橋を渡ってる!!

上高地ニホンザルが遊歩道を当たり前のように闊歩している姿がよく見られるのですが、橋を渡っているところも見られるなんて!

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怖くないのかな。ちなみに1匹だけなぜか泳いで渡っていく猛者がいました。

サルもいろいろですね…。

今回はスルーしたけど、明神橋まで来たなら明神池にも行っておきたい

徳澤園へハイキング(明神館~徳澤園)

明神橋を渡り、梓川左岸コースに合流します。合流地点には明神館という旅館があります。

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半分旅館、半分山小屋のような雰囲気です。朝焼け見られたら気持ちよさそうですね。

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明神館からしばらくは単調な砂利道を進んでいきますが、徳澤園が近くなるとコースは梓川沿いになり、景色が開けます。

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荒涼とした光景ですが、これは天気のせいですね…。

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山の天気は変わりやすい。また日も差してきたところで徳澤園周辺に到着です。

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徳澤園周辺はキャンプ場にもなっていて、色とりどりのテントが並びます。

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周りの景色が開けている場所ではないですが、背が低めの木々に囲まれた安心できる場所です。昔は牧場だったそうな。

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近くを流れる小川の水が透き通りすぎててやばい。このまま飲めるんじゃ…。

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手前が食堂(MICHIKUSA SYOKUDO)、奥の赤い屋根の建物が徳澤園ですね!

ここまでの道のりについて、登山というよりはハイキングという感じで、舗装こそされていないもののアップダウンも少なく歩きやすい道でした。

本格的な登山装備は無くても問題なく、迷うこともない道ではありますが山の天気は変わりやすいのでちゃんと雨具を用意し、歩きやすい靴で臨みたいところ。

また、夜はもちろん街灯などは無く、クマなどの野生動物も出現しやすくなるため16時頃までには宿に到着するスケジューリングが望ましいです。

徳澤園:外観・共用部

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赤い屋根が特徴的で、ところどころ石組みの壁を織り交ぜた姿は上高地帝国ホテルを思わせる優雅さです。

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中に入っても旅館と見間違う雰囲気。帳場には生花が活けられていました。

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奥に目をやるとこれまた立派なお花と時計。完全に旅館ですね!

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帳場の近くにはオリジナルグッズなんかを扱う売店と、ラウンジがあります。

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ラウンジは山小屋風でおしゃれな暖炉がいい感じ。残念ながらコーヒーサービスとかはありませんでした。

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奥に進むと夕食会場がありました。この雰囲気に夕食にも期待が高まります。

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床がとても磨かれており、外の緑が池のように反射しますね。

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奥はお風呂になっていました。

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お風呂は男女別で夜9時まで。朝はやっていないので、混みあう時間を避けて夕食前に入ったところほぼ誰もいませんでした。

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温泉ではなく、もちろん露天風呂なんかがあるわけではないですが清潔な大浴場でした。登山の後なんかは沁みるだろうなー。

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こちらのお宿は小説「氷壁」の舞台としても取り上げられたそうで、宿の一角に氷壁コーナーがありました。

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こちらは相部屋エリア。

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これが山小屋?と思わせるようなモダンっぷりと清潔さ。。

これなら個室じゃなくて相部屋でも泊まれたかも

徳澤園:部屋(和室タイプ、東陵)

徳澤園には個室が数多くあり、私たちはその中で和室タイプのお部屋に泊まりました。2名の場合と3名以上の場合で広さが違うようで、2名の場合は6畳間ぐらいのお部屋になります。

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お部屋の名前は東陵北穂高岳にある岩場の名前らしい。

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お部屋に入った瞬間目に飛び込んできたのは萌黄色の壁紙とテラスから差し込む光。普通の和室なんですが思わず声がもれました。

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お部屋は狭いものの、この大きな窓から光を取り込め、外に出ることもできるので圧迫感はありませんでした。

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なんとお茶うけまで。個室は歯ブラシや浴衣などのアメニティもついており、ほんと旅館と何ら変わりない待遇です。

徳澤園:MICHIKUSA SYOKUDO

お部屋でちょっとゆっくりしたのちに周囲を散策。宿に併設された食堂を見てみます。

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MICHIKUSA SYOKUDOと名付けられたおしゃれな食堂です。

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驚くのが店内の内装。どこか懐かしいレトロな雰囲気でありながら独特のデザインでまとめられています。

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注文する場所はなんだかパブのカウンターのような感じ。

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給水機まで独自デザインのカバーで統一。徹底してますね…。

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泊まらなくてもぜひここで食べたくなる食堂でした。

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食堂と宿の間にはMICHIKUSA SHOP(売店)も完備されてます。ここも用がなくてもつい入ってみたくなる見た目です。

徳澤園:夕食

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夕食は食堂でいただきます。メニューは入口のブラックボードに書いてあります。お魚にお肉、さらに地元産マツタケの茶わん蒸しやチーズにデザートまでついてくるという豪華さ!(これは個室泊の人だけの追加メニューらしい)

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入口に大きな薪ストーブが設置され、これまた温かい雰囲気の食堂でした。

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冬季は上高地は閉鎖なんですが、秋も近づくと夜は寒いため、薪ストーブが大活躍しそうです。

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席に座ると、岩魚の塩焼きとお肉を順次持ってきてくれます。

松茸の茶わん蒸しの蓋を開けた写真を撮り損ねた…

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お肉もなかなか。ホースラディッシュと一緒に美味しくいただけました。

f:id:irukas980:20211002084449j:plainお蕎麦も!

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最後は甘夏のジュレでさっぱりと。全体的にしっかりと手作りで作っているのが感じられる味で、とても美味しかったです。

なお、朝食は7時からなのですが、早朝出発予定だったためお弁当に変えてもらうことにしました。今度はゆっくりと朝食もお宿で味わってみたいな。

徳澤園:夜

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早朝出発するので、ご飯を食べた後はもう寝ようかなって感じだったのですが、折角なので夜の闇の中ちょっとだけお外を散歩。

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あたりは真っ暗闇の中、宿の灯りはとても安心感があります。

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宿の外はすぐテント場が広がっているのですが、そこにTOKUSAWA BASEというちょっとした共有スペースがありました。

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中はいろんなジャンルの本が並んだラウンジスペースのような場所でした。飲食の提供は無いので、テント泊の人がお酒とか持ち込んでここで談話するための場所なのかな。

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2階にはテント場を見下ろすテラス席もあります。

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夜の闇の中、ランプのように光るテントの灯りがなんだか頼もしく思えました。

徳澤園:感想

位置づけとしては山小屋であり、消灯時間が定められていたり相部屋のお部屋もあるのですが、宿全体として旅館のようにとても洗練された雰囲気が漂っています。お料理も完全に普通の旅館レベルかそれ以上。

清潔感も素晴らしく、徒歩2時間もかけてたどり着く場所とは思えないレベルです。お風呂もあるし、トイレも共用ではあるもののもちろん水洗でさらにウォシュレット完備!

登山でなくともここを目的地にしてまた泊りたいと思えるお宿でした。

なお支払いは現金のみ予約も電話からのみ予約後は前金を現金書留で送付(個室予約の場合のみ)という昔ながらのストロングスタイルを貫いているのと、チェックアウトは山小屋スタイルを踏襲し8時半になっています。もちろんお部屋にテレビもない。このあたりは一般の旅館と違うかもしれません。

こんな山奥でこんな快適な宿に泊まれるなんて驚き!

登山の前泊としても、ちょっと贅沢だけどゆっくり休めるのでいいね

翌日、紅葉の涸沢を抜けて標高3,000m、穂高岳山荘を目指します!