しろいるか旅行記

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旅行が好き だいたい週末更新

2021年9月 上高地【2/5】「穂高岳山荘」泊 紅葉の涸沢とザイテングラートを超え、標高3,000mの世界へ!

こんにちは、しろいるかです
2021年9月、上高地から本格的な登山をしました。

※2023年8月追記 穂高岳山荘は2023年、100周年を迎えたそうです。そんなに昔からあるなんて…!

旅の全行程

本記事は太字部分が対象。

【一日目】
上高地~五千尺キッチン(ランチ)~上高地ハイキング(河童橋→明神→徳澤)
宿泊:徳澤園

【二日目】
登山(徳澤→横尾→涸沢→穂高岳山荘)
宿泊:穂高岳山荘

【三日目】
下山(穂高岳山荘→涸沢→横尾→徳澤→明神→河童橋
宿泊:五千尺ホテル

【四日目】
上高地ハイキング(河童橋大正池)~帝国ホテルでお茶
宿泊:ひらゆの森

【五日目】
新穂高ロープウェイ
宿泊:槍見館

【六日目】
平湯温泉街散策(ナガセスッポン養殖場~平湯民族館)

穂高岳山荘を目指して

今回の記事の内容は滑落事故や遭難の危険がある場所への登山であり、相応の準備が必要になります。記事をご参考にされる方は十分ご注意ください。

登山用の装備や知識が必要な場所だったよ!

ガチ登山だね

今回は日本で標高第三位の山である奥穂高岳(3,190m)と標高第八位の涸沢岳(標高3,110m)の間にある穂高岳山荘(標高2,997m)を目指して登山をすることにしました。

上高地から穂高岳山荘までは片道8時間半(休憩時間除く)の過酷な道のり。今回は上高地から2時間の距離にある徳澤に泊まり翌日6時間半かけて穂高岳山荘まで登山しそこで宿泊翌日一気に上高地まで下って上高地で宿泊というプランを立てています。

徳澤園の宿泊記事はこちら

出典:穂高岳山荘

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上高地から穂高岳山荘までの道のりは、途中いくつかの中継地点を経由して向かうことになります。

本谷橋以外の場所には山小屋(売店)とトイレ、飲料水を補給できる水場があり、休憩ポイントを意識しながら進むのですが、これがなんだか旅をしている感覚というか、RPGで次の町にたどり着いたときの感覚というか、えも言われぬワクワクを感じられました!

徳沢から横尾(コースタイム1時間10分)

険しさ:★☆☆☆☆(車も通れるような未舗装路で、アップダウンも少ない。)

徳澤園を朝6時に出発し、まずは横尾を目指します。

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横尾までは割と単調な道を進みます。アップダウンもほとんどないので軽快に歩ける感じ。しばらく歩くと道が開けて、梓川沿いの景色になります。霧が出ていたのですが朝焼けとともに霧がどんどん晴れていきます。

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対岸の山も少しずつ姿を現してきました。

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群生きのこを見つけた!一見しめじのようで、カサのトゲトゲが毒々しい…。

道端にきのこは良く生えてたけど、このきのこはここしか見つけられなかった

横尾山荘

そろそろ休憩しようかな、というタイミングで横尾に到着です。コースタイムより若干早かったかな。

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横尾には横尾山荘という山小屋とテント場に水場、トイレと一通り設備が揃っていて売店ではお菓子や飲み物も購入できます。

ここで前泊してここからスタートという人も多いみたいですね。

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横尾山荘にもお風呂があるので前泊しても気持ちよくスタートできそうです。ただ、個室は無いので個室を求めるならやっぱり徳澤園でしょうか。

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霧が一気に晴れてきました!手前にあるのは横尾のシンボル、横尾大橋です。

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ここで徳澤園で用意してもらった朝ごはんを食べて準備万端。次は本谷橋を目指します。霧もほぼ完全に晴れました。

このまま真っ白な中を歩いていくんだとしたらどうしようかと思ってた

山の天気は変わりやすいけど、良い方に変わるのも一瞬だね

横尾から本谷橋(コースタイム1時間)

険しさ:★★☆☆☆(前半はアップダウンの少ない砂利道、後半はハイキングコースぐらいの登山道)

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横尾大橋を渡っていきます!

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朝の空気が気持ちいい!

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朝の陽ざしが心地よい、木漏れ日の中進んでいきます。

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このごつい岩山は屏風岩と呼ばれているようです。ここを周り込んでいく感じ。

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道のりはそこまで険しくなく、天気の良さも相まってスイスイ進んでいけました。

本谷橋から涸沢(コースタイム2時間)

険しさ:★★★☆☆(本谷橋から30分ほどはしんどい急登が続きますが、そこを乗り切るとあとは緩やかな登り)

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本谷橋は横尾~涸沢間の休憩ポイント。トイレもお店もないですが、渓流沿いで気持ちよく、ゴロゴロ転がっている岩に座って休憩している人が多かったです。

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ここでお菓子を食べて体力補給し、涸沢までの2時間を頑張ります!

ここまでの道は平たんだったので体力的にはまだまだ!

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前半は結構な登り坂を頑張って進みます。そこを乗り切ると傾斜が緩くなり、しばらく進むと見晴らしの良い岩場に出ました。

ずいぶん遠いところまで来たという感じがします。

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そこからしばらく山道をすすんでいくと、一気に景観が開け、ほんのり色づいた樹々とともに穂高岳が姿を現します!

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紅葉の最盛期だとすごいんだろうな。

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ゴツゴツした岩の道を登っていきます。

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ついに涸沢の案内看板が!どちらに行ってもそこまで差は無さそうですが、涸沢ヒュッテの方を目指します。

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後ろを振り返ると絶景。けどこの先これ以上の絶景が待っていました。

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太陽が近い気がする。

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涸沢ヒュッテが見えた!だいぶ疲れた。。だいたいコースタイムぐらいで到着。

涸沢(涸沢ヒュッテ)

涸沢には涸沢ヒュッテと涸沢小屋、2つの山小屋があります。

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規模が大きいのはこちらの涸沢ヒュッテ。トイレも綺麗でした。

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このテラスからの景色が最高です!

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広いし、頑張ってここまで来てよかった!と一気に疲れが吹き飛びます。

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みんなここでいったん休憩ですね。ここから先は一気に標高が上がります。

高山病にかからないためにも、1時間ほどここで高地順応を待つことがおすすめされていました。

この景色を見たら、意識しなくても1時間と言わずずっとゆっくりしちゃう

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ヒュッテは規模が大きく、売店でご飯をいただくこともできます。

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オリジナルグッズなんかもあった!山小屋は作っているところが多いみたい。

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涸沢ヒュッテはおでんが名物らしく、折角なのでおでん盛り合わせをいただきました。

頑張って登ってきたからだに染みる…。

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なにより、涸沢カールの雄大な景色を見ながら食べるおでんは最高!

ところどころ紅葉した樹林帯とゴツゴツした岩場に白い岩肌。こんな景色見たことないです。

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涸沢ヒュッテから、涸沢のテント場も見えます。

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涸沢は山頂ではないですが、ここを目的地にしてもいいぐらい素晴らしい場所でした。紅葉の季節はこれらの木々が真っ赤になる景色を見ることができると思うと、時期を変えて再訪したいです。

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涸沢ヒュッテから見えている、涸沢にあるもう一つの山小屋、涸沢小屋へ向かいます。

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途中テント場を通ります。こんなところまでテント背負ってこられるのがすごい…。

涸沢小屋

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こちらの涸沢小屋はやや奥まった場所にあるこじんまりとした山小屋。

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また違う角度から涸沢カールを堪能できます。

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改めて涸沢ヒュッテとテント場の規模の大きさに驚かされます。

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ここから難所、ザイテングラートを抜けて穂高岳山荘を目指すため、ご飯をしっかり食べて栄養補給です。

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さらに、涸沢小屋ではソフトクリームもあるんです!めちゃくちゃ美味しかった!

どっちの小屋ものんびりできて景色最高だった

どちらもお風呂はないのが残念だけど、涸沢小屋は個室があるみたい。今度は泊まってみたいね

涸沢からザイテングラート(コースタイム約1時間)

険しさ:★★★☆☆(急な岩場ですが、危険に感じる箇所はあまりない)

涸沢からさらに上に登るためには、涸沢カールの斜面にあるザイテングラートと呼ばれる岩稜帯を伝って登ることになります。

まずはそのザイテングラートまでの道のり。テント場から伸びるパノラマコースか、涸沢小屋の裏から登るルートの二択がありますが、どちらも距離はほぼ変わらず、すぐ合流することになります。

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自分がこんな場所を登っているなんて…。

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上から眺める涸沢カール。吸い込まれそうです。

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ひたすらゴツゴツの岩道を歩きながらザイテングラートを目指します。写真の左の方から岩山が写真の中心にある山頂に向かって伸びていますが、これがザイテングラート。

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ザイテングラートは近そうに見えて結構距離があります。スケールが大きすぎて距離感を見誤りますね…。

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なんかいい感じの一枚。

ザイテングラートから穂高岳山荘(コースタイム約1時間半)

険しさ:★★★★★(手を使ってよじ登る箇所が続き、高度感もある。年間何件も滑落による死亡や遭難事故が発生している箇所)

ザイテングラートはドイツ語でseitengrat(支稜線・支尾根)の意で、日本では特にこの涸沢から穂高岳山荘の道のりのことを指す固有名詞になっているみたい。

落石や、万一の滑落時に備えてヘルメット着用が推奨されています、ヘルメットは涸沢ヒュッテか涸沢小屋で借りることができるので、是非借りていきたい!

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ザイテングラートの入口(取り付き口)に到着。ここから1時間半ほどかけて、かなり急な岩場を登っていきます。

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写真を撮る余裕があまりなかったのですが、これは結構怖い…。

ほかの登山者の方のヤマップの活動日記とかYoutubeの動画を見て予習して行ったのですが、実際に登るとなかなかの高度感があってビビりました。

意外と楽だった、というたぐいの感想も多くあったけど…。

ここを通る人はその先にある奥穂高とかに登るレベルの人達ばかりだし、ガチ勢からしたらザイテングラートは朝飯前なのかも

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豆粒のような大きさの涸沢ヒュッテが眼下に見えます。こんなところまで登ってきたんだ…。

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あと少しで穂高岳山荘!というところで天気が急変し、これまで青一色だった空が瞬く間に真っ白になりました。

穂高岳山荘

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着いた!!

穂高岳山荘はしっかりした岩組の上に建つ堅固なつくりで、もうすぐ創業100年にもなるという歴史ある山小屋なんだそうな。

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ここから奥穂高岳に続く登山道があり、山頂まで1時間かからない距離だそうですが、ザイテングラート以上の険しい道が続くということで、登山はここまでとします。

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反対側には涸沢岳が。こちらはザイテングラート未満の難易度で、30分かからず登頂できるそうなのでこちらに登るつもりでいたのですが、天候が急変しているので断念しました。悔しい…!

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涸沢もあっという間に雲に包まれて見えなくなっていきました。

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とりあえず宿泊予定の穂高岳山荘に入ります。標高3,000mとは思えない立派さ。

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中に入るとさらにびっくり。普通に綺麗です。

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コーヒーと、下界から持ってきたお菓子をいただきます。こんな場所なのに豆から挽いてちゃんとドリップされたコーヒーが飲めるなんて…。美味しかったです。

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泊まる部屋は個室。相部屋の場所を抜けて・・・

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こちらの黒部五郎岳のお部屋。

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4畳半の和室です。ちなみに上の方は密閉されておらずいわゆる半個室でした。

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夜ご飯を頂いてから・・・

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ロビーでのんびりしました。なんとスマホの電波も届き、充電もできます。(充電は有料)

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雑誌なんかも置いてあって、皆思い思いに過ごしていました。

ひたすら下山

朝日を見るぞ~!とかすかな期待を胸に寝て目を覚ますと、お外は真っ白。(朝5時)

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やっぱりだめか…。

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ガッカリしつつ、朝ごはんをいただきます。朴葉味噌があるのですが穂高岳山荘は岐阜県と長野県の境目にあるらしいので、岐阜県名物もいただけるんですね!

こんな高所で泊まるなんて、貴重な体験だった。

朝日と夕日が見たかったので、それだけが心残り…!

 

さて、ここから、8時間半の下山は気が重い…笑

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まずはザイテングラートを慎重に下ります。目の前が見えないほどの霧ではなかったので良かった。

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うーん、白い…。

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雲の切れ目から太陽の光が。

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なんとか無事ザイテングラートを降りてきた。

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ザイテングラート入口から涸沢ヒュッテ方面を見下ろす。これはこれで神秘的でいいかもしれない。

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涸沢ヒュッテまで降りてきた!ここまでくればだいぶ安心です。

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昨日はあれだけクッキリ見えていた山頂が完全に雲に隠れています。この雲の層を通り抜けてきたんですね…。

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涸沢ヒュッテでコーヒーをいただき、体調を整えてから後はひたすら下山、下山です!

ここから下山中の写真はありません笑

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徳澤まで戻ってきたところで、徳澤園でランチをいただきます。14時までの限定メニュー、野沢菜チャーハンと・・・

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はちみつ&ブルーベリートースト!

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さらに、徳澤園名物の・・・

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コーヒーソフト!

一気に回復しました。残り2時間、気力を振り絞って歩き続けなんとか上高地まで戻ってこられました。

とにかく大変な登山だったけど、涸沢の美しい紅葉と雄大な景色を拝めてよかった。

あと、ザイテングラートを抜けて穂高岳山荘まで到達した達成感!よく頑張った。

いつか穂高岳山荘からの朝日や、奥穂高岳涸沢岳への登頂。リベンジしたいです。

上高地にたどり着いた後は五千尺ホテルに宿泊しました。上高地帝国ホテルとよく並んで語られる上高地の評判のホテルみたいですね!

次の記事で宿泊記を綴ってみたいと思います。

以前行った、上高地帝国ホテルの宿泊記事はこちら