こんにちは、しろいるかです
2024年4月、大分・熊本へ旅行をしたときの記録です。
- 旅の全行程
- 杖立温泉と鯉のぼり祭りと渋滞
- 米屋別荘
- 米屋別荘 ラウンジ
- 米屋別荘 客室:籠もりの離れ(月夜)
- 米屋別荘:客室露天
- 杖立温泉街 散策
- 米屋別荘 貸切風呂と大浴場
- 米屋別荘 夕食
- 杖立温泉街 夜の散策
- 米屋別荘 朝食
- 宿泊の感想
- ひぜんや(大分と熊本の県境)
旅の全行程
本記事は太字部分が対象です。
【一日目】
博多駅~夜の屋台
宿泊:博多エクセルホテル東急
【二日目】
博多散策~九酔渓~高原堂
宿泊:寒の地獄旅館
【三日目】
くじゅう連山登山~杖立温泉散策
宿泊:杖立温泉 米屋別荘
【四日目】
杖立温泉散策~鍋ケ滝公園
宿泊:オーベルジュわいた館
【五日目】
わいた温泉散策~そらいろのたね~北里柴三郎記念館
初日の記事
杖立温泉と鯉のぼり祭りと渋滞
熊本といえば大分に並ぶ温泉天国。様々な温泉地がありますが黒川温泉が特に人気でしょうか。その黒川温泉からわずか30分、大分との県境の場所にある杖立温泉は、黒川温泉の陰に隠れた少しマイナーな温泉地かもしれません。
黒川温泉に行ったときの記録
例年5月の鯉のぼりの季節に行われる杖立温泉郷鯉のぼり祭りがすごい、という話を聞き、今回行ってみたのですが想像以上に素晴らしい温泉地でした。洗練された雰囲気ではないですが、杖立温泉独特の景観と、空を埋め尽くすほどの無数の鯉のぼりはまさに唯一無二です。あ、湯量豊富でほとんどの宿でかけ流しのため、もちろん温泉目的でも楽しめます。
さて、そんな杖立温泉ですが、鯉のぼり祭りの時期は地獄のような渋滞に見舞われます。もともと受け入れられる駐車場が広くないうえ、山間の温泉地なので、温泉地に至る道が大分側、熊本側からの2本に限られるんですね。
そのため、そもそも杖立温泉にたどり着く随分前から渋滞が起きており、土日の日中帯だと3~4時間の渋滞が当たり前というなかなか厳しい状態…。夜なら安心かと思いきや、ライトアップもされるので早朝か深夜以外はほぼ渋滞に巻き込まれます。朝は8時過ぎから既に上記の写真のようなありさまです。
近隣県からの日帰りの方が大半のため、事前に宿から宿泊者限定のショートカットルートを教えてもらっていたのですが、それでも黒川温泉から宿にたどり着くまで2時間近くかかりました。
ゴールデンウィークの時期だったのでなおさら渋滞が酷かったのだと思いますが、鯉のぼり祭りの時期に行くなら、覚悟を決めていきましょう!
鯉のぼりを見るためには試練がある
宿泊するならショートカットルートは絶対教えてもらっておきたい
あ、ちなみに帰りは全く混まずに帰れます笑
米屋別荘
結局宿に到着したのは17時頃。なかなか大変だった…!
米屋別荘は木造の落ち着いたつくりの老舗旅館。杖立温泉では珍しいタイプです。
こちらのお宿、じゃらんや一休などのインターネット予約は受け付けておらず、電話予約オンリーという珍しいタイプ。そのため調べていても候補にもあがりづらいですが、大変評判のお宿みたいです。常連さんとかが多ければ電話だけでも十分なのかも。
米屋別荘 ラウンジ
まずはラウンジでお茶菓子をいただきます。非常に小規模なお宿でわずか6室しかなく、さらに人手不足もあるのか、稼働も絞っているようでした。そのおかげでとても静かです。
芋の水羊羹だったかな。ほっとするおいしさです。
ラウンジは分かれており、一方はライブラリーのようになっていました。
とても落ち着く空間。立派なスピーカーからジャズが流れています。終始私たち以外誰も見かけなかったのがもったいない笑
ライティングが雰囲気出てていいんですよね。
バーカウンターもあるんですが、飲み物の注文とかはできないみたい。コーヒーのフリードリンクがありました。
米屋別荘 客室:籠もりの離れ(月夜)
今回は3室ある離れの方に泊まります。といっても本館3室、離れ3室なので本館も十分プライベート感があるんですけどね。
本館の通路を通って離れへ。レトロな赤じゅうたんです。
一旦外に出ます。屋根があるので雨天でも気軽に移動できそう。
途中、温泉たまごがありました。
離れと言って密接して建っているので、戸建てという雰囲気はないかも。
今回は月夜というお部屋です。古民家のようなしつらえで、入ってまずは囲炉裏スペース。冬場は火をいれてくれるのかも。
囲炉裏スペースの奥が和室と、客室露天があります。
磨かれた机のリフレクションが素敵なこじんまりとした和室です。
テラスもあり、覗き込むと杖立川を見ることができます。右に見えるのは客室露天ですね。
部屋の紹介を続けると、なんと離れはメゾネットなんです。先ほどの囲炉裏スペースから、上に登る階段があります。
階段の隙間に、お茶とかが置いてあるちょっとしたスペース。
下をのぞき込むとこんな感じ。
二階のお部屋は和室が一つ。ありがたいことにトイレも上下階にそれぞれあります。これ地味に嬉しい。
そして、こちらのウッドテラスが素敵なんです。まさに特等席。
というのは…。
温泉街が一望できるんですね。おびただしい数の鯉のぼりが見える!
なんかすごいことになってる
ここから見える景色は最高でした。鯉のぼりたちを独り占めです。
風でわらわらと舞う鯉のぼりたち。ちょっと多すぎない?笑
少し休憩したら見に行くぞー!
米屋別荘:客室露天
離れには客室露天がついています。まずは水回りを抜けて、外に出てみると…
岩づくりの露天です。なかなか良い感じ。広いです!
なんと、打たせ湯が付いてるんです!びっくり。
まさかプライベート打たせ湯ができるなんて。
川沿いの露天です。目隠しがあるので解放感抜群とはいきませんが、川の音も聞こえ、気持ちよく入ることができます。
このオーバーフロー!お湯自体もほんのり硫黄の香りがする良質なお湯です。
また、これも地味にありがたいんですが、湯量や加水の調節ができるんですよね。源泉100%にして入るもよし、ちょっとぬるめのお湯で気持ちよく入るもよしと、自分好みのお風呂にできちゃいます。
浴槽も広いし、二人でも余裕を持って入れる感じ。客室露天目当てでお宿を選んでも十分満足できると思います。
ほんのり硫黄のお湯がいい…
打たせ湯も地味に楽しかった
杖立温泉街 散策
それでは温泉街の散策へ!
温泉街の中心に駐車場があります。通常時だとそれなりに広いと思うのですが、鯉のぼり祭りの見物客を受け入れるほどのキャパは無く、ひっきりなしに車が出入りしていました。
このごちゃごちゃした配管がいい…。至る所から白煙が吹き上がっています。
別府温泉みたいに蒸し湯で色々なものを蒸せるそうです。自由に使える場所が温泉街の至る所にありました。
めっちゃ沸いてる!湧出温度も相当高いみたい。
駐車場の目の前にある旅館、泉屋さんで温泉卵を食べる。
駐車場のところにあったカフェ。
杖立プリンソフトをいただきます。ちょっと崩れてるけど…
杖立温泉は名物を作ろうと、各宿やお店で特色あるプリンを作り、杖立プリンとして売り出しているそうです。
川岸の方にでてみるとものすごい数の鯉のぼり!
これはすごいです。この規模の鯉のぼりは見たことがない。
飛び石を渡って対岸へ。
宿泊している米屋別荘の離れも見えました。ちょうど左上の黒い建物が私たちの泊まっている離れです!
うーん、これは楽しい。
杖立温泉自体も、昭和の雰囲気を色濃く残す町並みがあります。今風の建物とか、洗練された雰囲気とは違いますが、なんとも落ち着くというか。
また、崖沿いに立ち並ぶ民家が独特の景観を形成しています。
お土産物屋さんが並んでいたり、食べ歩きができたりするような今時の温泉街ではないですが、これほど歩いていて楽しい温泉街ってそんなにないと思う。
東南アジア感があるというか、外壁のこの感じとか台湾のような、そういった異国感がありますね。
ここは温泉街の端、もみじ橋です。
橋にとりつけられているのは絵馬…じゃなくて絵鯉。鯉と恋をかけたパワースポットらしいです。
もみじ橋から振り返って温泉街を眺めてみる。ぐるっと一周して30分ぐらいの温泉街ですが、鯉のぼりがすき間なく飾られてますね。
ズームにすると密度に驚く笑
わらわらしてる
もう一つ、杖立温泉の特徴がこの狭い路地。日本ではないどこか別の国のような情緒が感じられる路地は背戸屋と呼ばれており、増改築が繰り返された建物の間に張り巡らされた杖立温泉の動脈です。
カフェがありました。ここでも杖立プリンを売ってますね!
この管だらけの背戸屋…。好きな人にはたまらないだろうなぁ。
共同浴場もありました。今は残念ながら地元の方限定になっているようです。
杖立温泉は色々な要素が組み合わさって唯一無二の様相を呈しています。これにさらに鯉のぼりが加わりカオス状態なんですが、一見の価値があります。ただ温泉街を散策することがこれほど楽しいなんて。日帰りでも是非来てみてほしい。
鯉のぼり祭り自体も凄いんだけど
杖立温泉のこの景観だからこそ映えるところはあるね
米屋別荘 貸切風呂と大浴場
宿に戻りました。宿には貸切風呂が5か所と、さらに男女別の大浴場があります。
まずは貸切風呂。長屋のように入口が並んでいます。
中は微妙に異なるつくりみたいですが、一か所だけ入りました。奥に岩風呂と…
手前に檜の浴槽があります。もちろんどちらもかけ流し。しかし客室露天が良すぎて、貸切風呂は本館に泊まってる方向けかもしれません。
大浴場は、男女で広さがかなり違うのですが、残念ながら入れ替えはなし。男性用だけ紹介します。
男性用はこの水風呂があるのがうらやましい。
不思議なつくりで、この浴槽の奥に…
大きな露天風呂があるつくりです。どうやらもともと混浴だったみたいですね。これも時代の流れか。
かなり広いですね。ちなみに打たせ湯は女性側にもちゃんとありました!
そしてなんといっても杖立温泉特有のむし湯。これも女性の方にもちゃんとあります。
茶室のような小さな扉を開けると…。
めっちゃ狭い空間に温泉の蒸気が充満してる。和製スチームサウナですね。
この狭くて天井の低い空間に一人静かに入っていると、なんとも不思議な落ち着きがあります。夜だとちょっと怖いけど。これもまた杖立温泉ならではの唯一無二の体験でした。他のお宿にもこのむし湯があるところが結構多いそうです。
一種の瞑想的な感じ
お風呂上りにお宿の杖立プリンをいただきました。コーヒー味とミルク味。まさにお風呂上りにピッタリのフレーバーです。
米屋別荘 夕食
夕食は本館の個室でいただきます。掘りごたつの落ち着く個室ですね。
紙がかぶせてあってワクワクするセッティング。
御品書きです。こちらのお宿、なんとミシュランで一つ星を獲得しています。(旅館としてではなく、レストランとしての評価なので凄い!)
しかしミシュランの調査員って山奥の温泉宿にまで来るんですね…!驚きです。
京都で修行された、京仕込みの懐石料理だそうです。楽しみ!
まずは前菜三種。稚鮎のテリーヌ、甘藷レモン煮、蕨(わらび)と汐子の土佐酢。
食べてみて、既にこの時点で今後の料理もおいしいことが確定しました。どれも凄くしっかり作られてる。汐子はカンパチの幼魚だそうで、この時期が旬らしい。
熊本らしく、馬刺しなんですが、紅白の身にとろろをかぶせたもの。山椒醤油でいただきます。これもまた普通の馬刺しじゃない。
阿蘇豚と阿蘇高菜の飯蒸し。トンポーローのようなホロホロの豚肉ともち米の食感がいいですね。
翡翠茄子と阿蘇あか牛のトマトすり流し。これもまた出汁が利いてる!しょっぱくない絶妙な塩梅の味付けです。
虹鱒のカツ。はじめてカツになった虹鱒を食べました。中心部がレアでやわらか。タルタルソースをつけて食べるとごはんが欲しくなります。
新玉葱と鹿のロースト。ジビエもくるんですね!
こちらも鹿肉のクセは一切なく、付け合わせのデコポン黄身酢がさわやかな風味を足してくれて相性抜群です。こういう組み合わせ、よく思いつくなぁ。
山菜づくしの煮物です。優しいお味で料理のしめくくりにぴったりでした。
最後は桜えびとタケノコの炊き込みご飯。最後まで抜かりないです。
と思ったらデザートもぬかりない!この杖立プリンは、チーズ風味のプリンにイチゴソースがかかっていて、スイーツまでも秀逸でした。
ごはんめっちゃ美味しかった
温泉宿のレベルじゃない美味しさ…!
杖立温泉街 夜の散策
鯉のぼり祭りの時期はライトアップもされています。
お部屋から温泉街を眺めると、なんだか楽しそうな雰囲気。これはいくしかない!
色とりどりの鯉のぼりが夜空に泳いで…ないですね、風がない笑
夜のおでかけです。
夜のアプローチもステキだなー。
江戸時代創業なんですね!ということに気づいた。
駐車場まで来ていきなりこの雰囲気。スチームパンク的世界観を感じますね…。
こんな幻想的だとは思わなかった。
風がないので皆だらんとしてます。
風がないときー!
いや、これはすごいわ。
夜も夜で唯一無二の世界観を出している杖立温泉。
街歩きがめっちゃ楽しい。
お、風が…!
風が吹くと圧巻です。一斉にぶわっと鯉のぼりたちが泳ぎ始めます。
風があるときー!
川を泳ぐ鯉のような。
鯉のぼり祭り、もしかしたら夜の方が本領発揮かもしれません。
鯉のぼり祭りも素晴らしいんですが、夜は夜で杖立温泉の妖しげな雰囲気が増幅されるんですよね。基本ライトアップしている場所以外は暗めなんですが、ときおり店の明りが暗闇に浮かび上がります。このバーとか。
背戸屋なんかは異世界に繋がってそうです。
もみじ橋も少し妖しい雰囲気。
この配管とかごちゃごちゃした感じがもう、めっちゃいい。
このあたりは人もあまりいないのでちょっと怖いけど
どこか惹かれるんですよね。ちょっと失礼な言い方かもしれないけど、退廃的な感じが良いのかもしれない。
温泉街唯一のコンビニの灯りが頼もしい。
この赤ちょうちん、最高ですね。
みな取り付かれたように鯉のぼりの写真を撮っていました。
9時になるとライトアップも終わるので、ごく短い間の宴でした。この夜の雰囲気は泊まらないと味わえないですね。
どこか現実味の薄れるような不思議な世界観だった
米屋別荘 朝食
朝ごはんも美味しそう!昨晩と同じ個室でいただきます。
朝も紙がかぶせてあった。
賑やかなお惣菜たち。
皮パリパリで身がジューシーな焼き魚とフワフワだし巻き卵、さらにすきやき肉豆腐がついて、ご飯が進みます!
宿泊の感想
料理はさすが評判の美味しさでした。温泉宿の料理というよりはほんと料亭にご飯を食べに来たような感じです。
離れのお部屋も素晴らしく、客室露天は広くて快適、温度調節もできて打たせ湯もある豪華仕様だし、お部屋から温泉街を見渡せるのもいい。あと大浴場のむし湯も楽しい。お宿の方の距離感もほどよく、とても気持ちよく過ごせました。
お宿の値段も、びっくりなのが休前日関係なく値段が一緒なところ。そしてこのお値段でいいの?という価格です。昨今の値上げラッシュであわせて値上げしても構わないと思うんですけどね…。
唯一チェックアウトが10時なので、11時、12時だったらとは思うけど、人手不足もあるしなかなか難しいんだろうな。
ともかく非の打ちどころのない素晴らしい宿でした。予約が電話オンリーなので、そこだけ注意ですね!
また泊りたい
ひぜんや(大分と熊本の県境)
最後に、杖立温泉に面白い場所があったので行ってみました。
ここはひぜんや、杖立温泉で一番大きい旅館です。
中はリニューアルされていてとても綺麗。外壁工事中だったのが残念ですが、カフェで飲み物をいただきます。
温泉水で入れた温泉珈琲と梅ソーダ。もちろん美味しいのですが、真の目的は…
世にも珍しい、建物の中にある県境ライン!
ひぜんやは、大分県と熊本県の県境にまたがって建っているそうで、建物の中に県境があるんです。
固定資産税も両方の県に払っているんだとか。なかなか珍しいものが見られてよかったです。
杖立温泉の鯉のぼり祭りはめっちゃすごかった!
米屋別荘も最高の旅館だったし、杖立温泉いいとこだなぁ
街歩きが楽しい温泉地の記事