しろいるか旅行記

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2022年10月 岩手秋田【2/2】「乳頭温泉 鶴の湯」泊 雰囲気・お湯・ご飯と三拍子揃った、理想の秘湯を体現したような宿。

こんにちは、しろいるかです
2022年10月、はじめての岩手県観光と乳頭温泉鶴の湯に泊まってきました。

旅の全行程

本記事は太字部分が対象です。

【一日目】
盛岡観光(食道園~盛岡城跡公園~岩手銀行赤レンガ館)~道の駅雫石あねっこ田沢湖
宿泊:乳頭温泉郷 鶴の湯

【二日目】
田沢湖共栄パレス国見温泉石塚旅館~小岩井農場~平泉・中尊寺~そば処東屋駅前店(わんこそば)

こちらの記事の続きです。

田沢湖田沢湖遊泳場)

乳頭温泉郷は、所在地で言えば秋田県に位置しますが、ほぼ岩手県との県境にあり、岩手県盛岡市から1時間ちょっとで着くんです!

そのため今回の旅では、岩手県観光をメインに据えつつ、たまたま予約が取れた超人気宿、乳頭温泉 鶴の湯を宿泊地に選びました。

むしろこっちがメインな気がしなくもない

 

盛岡市から車で向かう際に、田沢湖で夕陽を見ます。

田沢湖は広い湖ですが、岩手県側から乳頭温泉に向かう場合、ちょうど夕陽が沈む方角に湖を望める田沢湖遊泳場がほぼ道すがらにあります。

広い駐車場もあるし、ふらっと立ち寄りやすかったです。

 

車を置いて、浜辺で沈む太陽をじっと見守ります。

 

夕焼けって同じ晴れた日でも特に綺麗に見える日がありますよね。そんな感じの日でした。

 

真っ赤に染まる西の空と田沢湖

ちょっとだけ寄るつもりが綺麗すぎて予想外に長居してしまったけど、来てよかった。

ずっと眺めてた

思わぬ夕陽スポットだね

 

乳頭温泉郷 鶴の湯温泉

田沢湖から車で20分ちょっと。途中まで快適な道ですが、最後の数キロだけ林道みたいな狭い道を通って到着したのが鶴の湯温泉

白く濁る硫黄泉と秘湯感溢れる佇まいで大人気の、乳頭温泉郷の温泉宿です。

 

鶴の湯温泉は温泉好きにはよく名が知られた温泉で、予約が取れない超人気宿としても有名です。事実ネット予約で空室を調べると、数か月先まで平日含めほぼ満室。ちなみにネットでは空室無しでも、電話予約すると意外と空いている日にちがあったのでダメもとで電話してみるのも良いかも。

今回はキャンセルが出たみたいで、運よく旅程に合わせて直前で予約が取れました。

駐車場に車を停めて、門をくぐるといきなりこの雰囲気にやられます。

写真左の建物は登録有形文化財の本陣鶴の湯温泉は江戸時代に藩主が湯治に訪れていたそうで、その際に警護の者たちの詰め所として使われた建物らしい。登録有形文化財の登録ページを見ると、明治初期の建物のようです。

現在は客室として使われているのですが、ただでさえ予約の撮りづらい鶴の湯温泉ですがその中でもここの予約を取るのは至難の業ですね。

 

宿に到着した時刻は既に陽が落ちていて、本陣から漏れる灯りに照らされるメインストリートの光景に心を奪われました。

めっちゃいい…

 

出典:乳頭温泉郷 鶴の湯温泉

少しわかりづらいので、ここで鶴の湯温泉の全体像を出しておきます。

今回お部屋が取れたのは、新本陣と呼ばれる最も新しいお部屋でした。

 

 

まずは事務所の中に入って手続きします。中も味がありますね…

ここは売店を兼ねていました。

 

秘湯を守る会の会員宿です。これほどこの提灯が似合う宿もないですね。

 

黒光りする廊下もステキ。

古そうな見た目の建物ですが、宿全体がとても清潔できっちりと整備されていて、秘湯宿にありがちなちょっとくたびれた雰囲気とか、雑然とした感じは一切受けません。

だけどわざとらしさは無く、年月が経った風合いというか、味がしっかりとあって、これが両立できる宿ってなかなかないなぁと思います。

 

一号館の中を通って東本陣の棟に移ります。

東本陣 客室

新本陣は新しめの棟ですが、他の棟との違和感なく完全に溶け込んでいます。

 

一番お安い二号館や三号館のお部屋はトイレなしですが、こちらはトイレ付。なんだかんだ言ってお部屋にお手洗いは欲しい…!

 

到着が夜なので外の景色はわからなかったですが、森に囲まれた場所みたいで、翌朝は木漏れ日が差し込んできてよい感じでした。

 

夜ご飯をいただく前に、名物の混浴露天風呂に入ってきました。白い濁り湯で、女性も入りやすいとはいえ、正直混浴は…という感じなのですが、夜ご飯の直前は全く人もおらず、気兼ねなく入ることができました。夜ご飯の後や、翌朝は結構人が入っているので、夜ご飯前の時間は穴場ですね。

お風呂はこのあと詳しく紹介します。

 

夜ご飯

ご飯はお部屋食。お膳に乗った形でお料理が運ばれてきて、それにプラスでおひつに入ったご飯と芋団子汁がついてきます。

 

十分すぎる分量です。やや濃いめの味付けでご飯がめっちゃ進みました。

 

この芋団子汁がめっちゃ美味しい!

山芋をすりつぶして団子状にしたものがいっぱい入っているんですが、もっちりとした食感で、たまらなく癖になります。鶴の湯温泉の名物みたいですね。

これまた食べたいなぁ…。寒い冬に食べたらさらに美味しいだろうなぁ。

芋団子汁、味付けもまた素朴で良いんだよね

囲炉裏のある本陣とかだと、自在鉤で囲炉裏の上に吊るしてくれるみたいだよ

 

お風呂

鶴の湯温泉には大小さまざまなお風呂があります。どのお風呂も個性的なので、まずは一通り行ってみたうえで、自分の好みの場所を見つけてそこにひたすら入り倒すのがよいですね。源泉もお風呂によっていくつか異なるのですが、基本どれも白濁した硫黄の香りのお湯なので、ここのお湯じゃないと!みたいなのはあんまり無かった。

 

  • 貸切風呂(源泉:黒湯)

東本陣の、ちょうど泊まっている客室に近い場所にある貸切風呂。2つあります。

 

中は二人がちょうど入れるぐらいのサイズの浴槽で、貸切のため人も来ないしゆっくり入れます。浴室の大きさも丁度良いですね!

特に時間も決められておらず空いていれば自由に入れますが、だいたい空いてるので入り放題です。部屋から近いので何度も入りました。

ちなみにシャンプーとかボディソープとかあるのは内湯とここだけなので、滞在の最初と最後はここに入るのがオススメです。

やっぱ貸切は落ち着く

 

  • 内湯(源泉:白湯)

一号館の中にある内湯。

 

男女別です。

 

内湯といいつつ、サイズ的には先ほどの貸切風呂とほぼ同じぐらい?

貸切風呂とは違う白湯という源泉ですが、そこまで違いはないので、貸切風呂が空いてるならそっちの方がいいかな?

 

  • 男女別の黒湯/白湯

橋の先にある内湯。この橋の先からは混浴露天風呂や女性専用露天風呂にも繋がっています。

小さな川ですが、この橋を渡るという体験がなんかワクワクさせてくれます。

 

この建物の奥にあるのが女性専用露天風呂。

 

建物の右側からは混浴露天に続く道があります。

 

写真は男性側のお風呂です。男性側は黒湯も白湯も脱衣所が共通で、そこからそれぞれの浴室に繋がってます、女性用はそれぞれ入口が違うので注意ですね。

 

男性の白湯。男性用では混浴露天を除くとここが一番広い浴槽みたい。

 

こっちは黒湯。浴槽のサイズは貸切風呂と同じくらいかな?

黒湯は、天気が悪いと色が黒くなるらしい

 

  • 混浴露天風呂(+中の湯)

鶴の湯温泉で思い浮かぶイメージといえばここ、混浴露天風呂です。

この左側の通路を歩いて脱衣所まで行くことになるので、ほぼ丸見えです。逆に言えば入る前にどれぐらい人がいるかが見えるので、かえって入りやすい…?

脱衣所は男女別で、さらにそれぞれ男女別に小さな内湯と、女性にはさらに小さな露天(中の湯)が併設されてます。

 

女性は写真奥の通路から浴槽に入るため、お湯に身を沈めてしまえば見えることはありませんが、明るい時間はなかなか入りにくいかな…。混浴露天風呂の中では難易度が低い部類なのだとは思います。前述したように入るなら夜ご飯直前か、深夜が入りやすいかな。

お湯は非常に素晴らしく、足元からポコポコと新鮮なお湯が湧いてくるうえに、程よいぬる湯でいつまでも入ってられそうです。

 

ちなみに夫は早朝からチェックアウトまでほぼここに入り浸っていたようですが、入浴者は最初から最後まで男性のみだったそうです笑

それもそのはず、女性にはこの混浴露天とそんなに変わらないサイズの専用露天風呂が用意されていて、しかもそちらもここ同様に足元湧出なんですよね。

 

  • 女性露天風呂

ここがあるおかげで、混浴が絶対無理という人だとしても、鶴の湯温泉を100%楽しむことができると思います。というか女性は混浴露天は一度入ったら、後はずっとこっちで良いかなと。

出典:ライブドアニュース乳頭温泉郷を温泉家がレポート!泉質の違う七湯を湯めぐりしてみた

乳頭温泉郷を温泉家がレポート!泉質の違う七湯を湯めぐりしてみた - ライブドアニュース

写真は撮れなかったので、引用させていただきました。

 

  • 貸切露天風呂

最後に、実は案内があんまりないんですが一号館にひっそりと貸切露天があります。

ただこちらはなんだろう、入ってみるとわかるのですがあんまり落ち着かないかも。

 

凄く狭い場所に作られてるのと、通路から見えそうなのもあるからかな?

滞在中はほぼ入ってた

露天はぬる湯なのも良いね、内湯はどこも瞑想できそうな静かな雰囲気で最高

 

宿を探検

翌朝、いろいろ宿の写真を撮ってみました。

改めて宿の入口。この独特の門構えは秘湯感を高めてくれるんですが、大分にある寒の地獄温泉旅館はなんと鶴の湯温泉にわざわざ許可を得て、同じつくりにしたそうです。

寒の地獄温泉旅館の宿泊記

 

建物全体に統一感があって、ひとつの集落のような感じですね。

 

写真撮ってる人もたくさんいました。

 

冬の時期にも来てみたいなぁ。

 

こちらは二号館と三号館。

 

一番安いお部屋の棟ですが、とてもきれいです。

 

こちらは洗面所やトイレは共同ですね。湯治場っぽいかも。

 

談話室みたいなのもあった。

 

こちらは泊まってる新本陣の廊下。

朝ご飯

朝ご飯はお部屋ではなく食事処でいただきます。

 

このお膳が雰囲気あってよいですよね!

 

朝は夜と比べると質素な感じですが、どれも手作りのような感じで嬉しいです。

 

食べるの一番遅かった笑

 

貸切風呂も日光が差し込んで夜とはまた違った明るい雰囲気です。

 

もう一泊してゆっくりしたい…。

 

後ろ髪をひかれつつチェックアウトしました。10時チェックアウトなのですが、10時から日帰り入浴のお客さんがどっとやってきて、一気に騒がしくなりました。

おそらくですが日帰り入浴の時間帯(10:00~15:00)と、それ以外の宿泊客専用時間帯では雰囲気が全然違いそうです。チェックアウトからチェックインの間まで日帰り客を受け付けていないので、宿泊客がゆっくり入浴できるようになっているのは良いですね!

駐車場待ちが発生する時もあるらしい

そういえば外国人にも人気みたい。みんな秘湯好きなんだね

 

鶴の茶屋

駐車場のところに、鶴の茶屋というカフェがありました。

 

そういえば朝コーヒーを飲めていなかった…。白神山地アイスコーヒーに惹かれて中へ。

 

アイスコーヒー以外に、きのこのポタージュも試飲させてもらえました。田沢湖の湖畔にあるひなたエキスというお店とコラボしてるみたい。濃厚で美味しかった!

 

鶴の湯温泉 宿泊の感想

秘湯ってこういうのだよね、という漠然とした人々のイメージを集約して具現化したらこの宿になるんだろうなぁと思えるような宿でした。宿の雰囲気に加えてお湯も素晴らしいし、ご飯も美味しい。古い建物なのに清潔感に溢れていて、設備面もしっかりしてる。

都心からは離れた場所なので、お値段が安いから行くという場所でもないだろうけど、これだけ揃っていて、宿泊料金が1万円前半っていうのにもびっくり。10年前とかの雑誌を見てたら今と全然お値段が違う宿も多い中、同レベルの宿と比べてもかなり安く感じました。

温泉好きならもちろん、そうでなくても旅行好きなら一度は泊まってみるべき宿です!

 

田沢湖 共栄パレス

行きにも寄った田沢湖へ帰りも寄りました。

共栄パレスは、昭和の雰囲気が色濃く残る感じの、ドライブインみたいな場所ですがめっちゃ賑わってます。

 

ここ、秋田犬を間近で見学できるんです!

(何か買った人は無料で、見学だけだと100円とかだったかな?)

 

あー癒される…。

モフモフ

実は昔秋田を訪れた時にも来てました

 

比内鶏もいました。するどい目つき!

 

こちらのみそたんぽも前回来た時に食べて美味しかったやつです。

 

五平餅に似てる感じ。湖を眺めながらいただきます。また食べられて嬉しい。

 

スワンボート楽しそう。。

 

こっちは秋田名物のババヘラアイス。おばあちゃんがヘラででっかい缶のアイスをコーンに盛り付けてくれます。暖かい時期、秋田県の至る所で出店しているのを見かけます。

 

バラの花みたいで見た目にも楽しめていいですね!


一度行ってみたかった、乳頭温泉郷鶴の湯温泉

人気で予約がとれないのも納得のいい宿だったよ

冬の雪深い時期にまた行ってみたいな。

雰囲気よかった温泉宿の宿泊記を3つ挙げてみる