こんにちは、しろいるかです
2022年ゴールデンウィーク、九州の佐賀・熊本・大分を中心に旅しました。
旅の全行程
本記事は太字部分が対象。
【一日目】
羽田空港~福岡空港~福岡市博物館~新三浦博多本店
宿泊:水野旅館
【二日目】
唐津やきもん祭り探訪~呼子(加部島)でイカ活け造り~浜野浦の棚田で夕陽
宿泊:御船山楽園ホテル
【三日目】
武雄温泉元湯~有田陶器市探訪
宿泊:天河山荘
【四日目】
くじゅう花公園~ガンジー牧場
宿泊:黒川温泉 帆山亭
【五日目】
阿蘇山(高岳・中岳)登山~阿蘇ミルクファーム
宿泊:寒の地獄温泉旅館
【六日目】
長者原(タデ原湿原散策)~九重"夢"大吊橋~わいた温泉郷
宿泊:長湯温泉 翡翠之庄
【七日目】
長湯温泉街散策~ラムネ温泉~白水鉱泉~吉野ヶ里歴史公園~一藤(もつ鍋)福岡空港~羽田空港
今回の旅のこれまでの記事
阿蘇山とは
正確には阿蘇山という山は無く、阿蘇五山(高岳・中岳・根子岳・烏帽子岳・杵島岳)と呼ばれる5つの山から構成されています。基本的にどの山も日帰り可能。
もっとも登山しやすいのは杵島岳のようで、草千里という阿蘇山の観光エリアから1時間もハイキングすれば登れてしまうみたい。
登山道もほとんどの場所できちんと階段が整備されているんだって!
が、阿蘇山といえば火山。火山といえばやっぱり荒涼とした風景を見てみたい。
最も火山活動に近い高岳・中岳は火山活動が収まっていて活発でないときでないと登れないということもあり、今回は高岳・中岳を登ってみることにしました!
なお、高岳は阿蘇五山の中でも最高峰となる標高1,592mです。
阿蘇山の噴火警戒レベルのまとめ
まず何はともあれ阿蘇山に登るときには火山活動の情報は確実に把握しておく必要があります。火山活動の状況次第によってはそもそも登山道が閉鎖され、登山できません。
気象庁や阿蘇火山防災会議協議会のHPから最新状況は入手できるので、まずはここを見る感じ。
火山活動の状況は、噴火警戒レベルという形で表されます。
噴火警戒レベルは全部でレベル1からレベル5まで五段階あるんですが、阿蘇山ではHPによると有史以来レベル5・レベル4に達したことはないそうです。
ということで、噴火警戒レベルは基本的にレベル1・2・3のどれかであるのですが、高岳・中岳に登ることができるのはレベル1の時だけ!です。
2021年度の1年間では、レベル1から3の間を行ったり来たりしています。
- レベル1:2020年9月1日~2021年5月1日
- レベル2:2021年5月2日~2021年6月8日
- レベル1:2021年6月9日~2021年10月12日
- レベル2:2021年10月13日~2021年10月19日
- レベル3:2021年10月20日~2021年11月17日
- レベル2:2021年11月18日~2022年2月23日
- レベル3:2022年2月24日~2022年3月13日
- レベル2:2022年3月14日~2022年4月14日
えっ、ほとんどレベル2か3だ!?
特に2021年度はレベルが全体的に高い年だったみたいですが…。
常に登れるとは限らないと考えると、阿蘇に観光へ行ったとき、もしレベル1だったら、是非高岳・中岳登山にチャレンジしたいところ!
高岳・中岳の登山ルート
さて、今回登る高岳・中岳には多彩な登山ルートが存在します。
大きく分けて、山の東側、仙酔峡エリアから登る2つのルート(仙酔尾根ルート、仙酔峡ロープウェイ跡ルート)と、山の西側、草千里エリアから登る砂千里ルートです。
だいたいどのルートでも山頂まで3時間~3.5時間で往復可能となっています。
事前にネット上で情報収集してわかった、それぞれのルートの内容
- 仙酔尾根ルート:やや中級者向け?景色が良さそう。
- 仙酔峡ロープウェイ跡ルート:途中で火口東展望所ルートと日ノ尾線ルートに分岐する。もともと観光ロープウェイがあった場所を通るため、3ルートで最も道が整備されてる
- 砂千里ルート:それぞれの間ぐらいの難易度?観光エリアからアクセスが良く最も人気のルートっぽい
私たちは、仙酔峡に車を停めて、登りを仙酔尾根ルート、下りを仙酔峡ロープウェイ跡ルートを使いました。
そして、登ってみてわかった注意点が2つ。
- 仙酔尾根ルートは結構ガチ
アルプスとかと比べると全然なのだと思いますが、それほど登山をしていないと結構怖いと思います。私たちもちょっとビクビクしながら登りました。
イメージとしては、有名なザイテングラートをもう少しマイルドにした感じです。
比べたら全然だけど、雰囲気は似てた。どちらも支稜線を登る地形だからかも
- 中岳から降りるときに間違ってすずめ岩迂回ルートに入ってしまった
仙酔峡ロープウェイ跡ルートのルート分岐の一つ、日ノ尾線ルートは現在閉鎖されていて、看板にないすずめ岩迂回ルートという新たなルートが整備されていました。中岳山頂から下るとき、普通に見てればそんなことはないと思うのですが間違えてそっちに入ってしまい…。
すずめ岩迂回ルートは実は最近作られたようで、噴火レベル2でも中岳・高岳に登るために色々迂回しながら登るルートのため、あんまり面白みはなかったです。レベル1であれば、火口東展望所ルートが道も緩やかで、火口も見学できるのでオススメそうですね。
もちろんYAMAPやヤマレコ等の地図アプリは必携ですが、仙酔峡駐車場にある地図がとてもわかりやすかった。
仙酔峡登山口
阿蘇山高岳・中岳登山の拠点となる仙酔峡はミヤマキリシマという高原植物が咲き誇る丘が有名な観光地。5月下旬は丘がピンク色に染まるそうです。
それ以外の時期は特に見どころがあるわけではないので、基本的には登山口のようなものだと考えておくのがよさそう。
ビジターセンター的なところと、自販機、トイレ等があります。駐車場も広いので難民になることはなさそう。
食料を売っている売店のような場所はないですので注意です。
こちらのずっと先まで続く階段は仙酔峡ロープウェイ跡ルート。
仙酔峡には元々はお手軽に高岳・中岳に登ることができるロープウェイが整備されていたのですが、経営難のため2010年以降運休、残された施設も2016年熊本地震で被災してしまい現在は撤去を待つ状態となっています。
仙酔峡は登山には良いですが、やはり観光面で考えると山の西側からアプローチする草千里方面の方が、観光施設も揃っているようなので、致し方ない感じではありました。
一方、こちらのモコモコした丘に向かう橋が、仙酔尾根ルートの入口。
ゴールデンウィーク中では少し期間に早かったものの、既にところどころピンクに色づくミヤマキリシマが見られてよかった!
阿蘇山登山
ミヤマキリシマを見ながら丘を登っていくと、仙酔峡ロープウェイの支柱跡が見えます。なんだか文明崩壊後の世界のような世界観ですね。
寂寥感…
ミヤマキリシマの丘の最高峰まで来ます。ここまではお花見の観光客もチラホラいました。
いよいよこの辺りから本格的な登山道に入ります。先ほど登ってきた丘が既に小さく見えるようになってきた。
この辺りはまだまだ緩やか。
ゴロゴロした岩場を抜けていきます。
随分高く登ってきた!仙酔峡駐車場が遥か彼方になりました。
この辺りから手も使って登っていく必要のある岩場が増えてきます。落ちそうになるような危険な場所はないものの、周りが開けているのもあって少し高度感がありますね。
この中間点は明らかに嘘です笑
距離的には中間なのかもですが、ここから先がさらに険しいため、実質1/3ちょっとだと思っておいた方がいいかも。
ここからが本当の阿蘇山だ
後ろを振り返ると180度全面開けた世界が見えます!これはスゴイ!
阿蘇山のカルデラ地帯のさらに先、遠く九重連山の山並みまで見渡せます!
一方、山頂の方を見ると、とにかくひたすら急な岩場をガシガシ登っていく感じです。切り立った場所はないのですが、本当に転げ落ちそうな斜度。
ようやく山頂付近、傾きも落ち着いてきました。
仙酔峡駐車場からだいたい2時間ほどで仙酔尾根を登り切りました!
ここから先は緩やかな砂利道。
稜線を歩きながら、いよいよ阿蘇山の最高峰、高岳の頂上が見えてきました!
やったー、登頂!
山頂は腰掛ける岩もあって結構広いのでごはんとか食べるのも良いかもですね。
周り見渡してもここより高い山が無いって最高!
さて、ここからさらにもう一つのピーク、中岳を目指します。
高岳から中岳の道はなだらかで、気持ちよく稜線を歩いて15分もあれば到着です。
荒涼とした岩肌が続きます。砂漠のようなこの雰囲気、伊豆大島を思い出しました。
伊豆大島には日本唯一の砂漠があるって知ってた?
中岳山頂にも到着!
標識の奥には煙の上がるところが…
火口です!
阿蘇山は2018年にも大規模噴火を起こしており、ここが現役の火山なんだと改めて思わせますね。
奥の道は砂千里ルートで、さらにその先、写真の右上のあたりが草千里っぽい。反対側のルートだとあのあたりからここまで登ってくるんですね!
茶色、灰色、緑色、白色、青色…
地球の色んな側面が一度に見られる光景に圧倒されました。
さて、帰りですがここで間違えてすずめ岩迂回ルートに入ってしまった…。
道はそこまで険しくなく歩きやすい一方、景色的にはずっとこんな感じの景色が続くので飽きてしまうかも。
自然のグラデーションを見て気分を変えたりして頑張って歩く。
遠くに見える廃墟、あれが仙酔峡ロープウェイの山頂駅です。昔はここまでロープウェイで来られたんですね。
ようやくすずめ岩迂回ルートを過ぎて、仙酔峡ロープウェイ跡ルートに合流しました。
仙酔峡ロープウェイ跡ルートは、ギリギリ整備された砂利道が続きます。景色は開けているため気持ちよく歩けますね。
下りは楽だけど、ふと振り返るとなかなかの傾斜。
サクサク下ってきて無事帰ってこられました。
阿蘇ミルクファーム
本当はこのあと草千里にも行ってみようと思ったのだけど、草千里に続く道がまさかの大渋滞に陥っていたため、諦めてこちらの阿蘇ミルクファームへ。
登山後のソフトクリームは美味しいー!
絶景を楽しみながら登ることができる阿蘇山。歩いていて楽しいし、山頂までもそれほど時間もかからない
登山客も多いので、初心者にも仙酔尾根ルートさえ外せばオススメだと思う
この後はちょっと名前が恐ろしい?寒の地獄温泉旅館に泊まります。
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