こんにちは、しろいるかです
兵庫県の丹波篠山にあるぼたん鍋発祥の店に行ってきました。
ぼたん鍋
冬と言えば、海産物が美味しくなる時期ですね!カニ、寒ブリ、フグ、アンコウなど。一方で内陸で味わえる冬の味覚ってあまり無いイメージです。
しかし実は冬の里山でのみ新鮮なものが味わえる食べ物がありました。それはなんとイノシシ肉!
猪肉自体はもちろんカニ等と同様に年中食べることが出来るのですが、それはあくまで冷凍もの。冬場の期間だけ猟が解禁されるので、猟期には地元のマタギさんがその日の朝に調達した新鮮な猪肉をいただくことができるのです。海の近くだと海産物が美味しいというように、この時期は山奥だと猪肉が美味しいということですね。
冬場は農作物には厳しい環境だけど、猪肉があったんだ!
猪肉の食べ方で一番メジャーなのはぼたん鍋ではないでしょうか。名前の由来は鍋に入れる前のお肉をぼたんの花のように盛りつけたことから来ているのだとか。
ぼたん鍋は山深い地域では全国的に食べられているようですが、兵庫県の丹波篠山地方の郷土料理だと言われています。
丹波篠山 近又
近又(きんまた)さんは、丹波篠山にある創業400年を超える料理旅館です。そして、ぼたん鍋発祥のお店なんだとか。猪肉を入れたお鍋自体は昔から食べられてきたと思うので、ぼたんの花のような盛りつけ方とその名前を広めたお店、ということなんでしょうか。
料理旅館なので宿泊ももちろんやっているようで、冬場は泊まってのんびりしながら夜はぼたん鍋・・・というのも良さそうです。
場所
丹波篠山は京都・大阪・兵庫の3府県のちょうど中心あたりに位置する地域で、篠山口(ささやまぐち)というJR福知山線の駅が最寄りになります。篠山口へは大阪駅から1時間ちょっとかかる距離。京都駅・神戸三宮駅からもルートがあるのでホームページがわかりやすいかも。
交通とアクセス|丹波篠山篠山観光協会|あえてよかった丹波篠山
さらに篠山口から近又のある篠山城下町周辺まではバスで15分ほどかかるようです。
車を使えるなら車で行くと良いかも。交通量も少ないですし、里山の風景を見ながらのんびり向かうことができます。豪雪地帯ではないですが、積雪情報は以下のホームページなどで事前にご確認ください。
篠山城からは近又までは徒歩5分ほどの距離です。お店の目の前には駐車場は無いので、車で来た場合は篠山城をナビに入れておいて、周辺にある駐車場に停めるのがよいかと思います。
外観
創業400年の威厳を感じる外観ですね!なんと、浩宮殿下(現天皇)もお泊りになられていたらしいです。
なお、おそらくですが事前予約が必須です。もしかしたら飛び込みでも食べられるかもしれませんが、メニュー等は表に出ておらず、お肉も当日新鮮なものを仕入れられているとのことだったので予約していった方が確実に美味しく食べられます。
周りは昔ながらの街並み。篠山城下町の目抜き通りのようですね。ぼたん鍋をやっているお店も何軒かありました。
ちょっと敷居が高そうだけど、このワクワク感の高まる門構えがいい!
内観
入口をくぐるとロビースペースがあります。
最近リノベーションされているようで、建物全体が非常に洗練された空間になっていました。
お昼を食べに行ったのですが、食べ終わるころにはこのあたりでチェックインされているお客さんも見かけました。
手入れされた中庭。いい感じです。
二階部分は客室のようでした。この階段はリノベーション前のものを残しているらしく、なんと木戸孝允(桂小五郎)も登しばらく宿泊されていて、この階段を上り下りしていてらしい。ここで倒幕の密談でもしていたのでしょうか、想像が膨らみます。
通されたお部屋は中広間でした。テーブル席が3席用意されていましたが、終始自分たちだけで貸切状態でした!予約の際には小部屋は既に埋まっており、大広間か中広間のどちらかになるとのことだったので、これは嬉しい。
奥にも庭があり、お庭を眺めながらの贅沢な食事が出来ました!
外観といい、お部屋といい料理への期待がどんどん膨らむ!
料理
ランチ、ディナーともに共通で3種類のコースです。
- 上肉(赤身肉) 7,200円
- 最上肉(新鮮なロース) 9,300円
- 最上肉+塩焼き料理 11,400円
どのコースでも先付け3品、ぼたん鍋、ぼたん丼、香の物、甘味と内容は変わらず。ぼたん鍋のお肉の質と、一番上のコースは塩焼きが追加料理としてつくのが違いですね。
なお、ぼたん鍋は冬場の狩猟期間中(11月15日~3月末しかやっていないようでしたのでご注意ください。
今回は、なんと一番上のコースを頼みました!
先付けはキノコの和え物や筍のお刺身、丹波黒豆などでした。どれもなかなかのお味。
ぼたん鍋のお肉!キレイに盛り付けられていてちょっと感動。
しかしこれは半分以上脂身なんじゃないか…と思いきや、お話を聞いてみるとコラーゲン(脂質ではなくタンパク質)が多く、お肉自体に臭みがないのはもちろんのこと、見た目ほど脂身ではないので沢山食べても胃もたれもしないとのことでした。
お野菜は地元丹波篠山産のものを使っているみたいです。お野菜も美味しいのですが、量が半端ではなく、野菜に気を取られていると最後お肉が食べきれなくなってしまうので、ある程度諦めた方がよいかもしれません笑
お鍋は仲居さんが作ってくれるので、その間に猪肉の塩焼きをいただきます。たいてい猪肉は臭みを消すために、ガッツリ濃い味噌味のお鍋で煮て食べたりするものですが、これはシンプルな塩焼き。肉の味をしっかりと感じられるのに食べやすい、ベースが豚肉で、そこに牛肉のうまみが加わったような美味しさでした。
お鍋のスープは一般的な味噌ベースなのですが、隠し味として山椒が加えられており、味噌と山椒の風味がまじりあって食べたことのない味でした。お肉もそうですが、スープも抜群に美味しいです。
〆には雑炊やうどん…ではなく、生卵をお鍋に投入し、それを半熟状態まで煮詰めます。
それを、白米の上に少量のスープと一緒に乗っけることで〆のぼたん丼の完成です。既にお腹いっぱいだったけど、食べきってしまう魔力がありました。このぼたん丼はぼたん鍋のポピュラーな食べ方のようで、色々なお店で食べられるみたいですね。
最後にデザートのごま豆腐の黒蜜掛けです。上に乗っているきな粉が、黒豆を使っているところが丹波らしいです。
ぼたん鍋の美味しさが想像以上。新鮮な猪肉の美味しさも知ることが出来た!
周辺の立ち寄りおすすめスポット
近又の通りにある和菓子屋さん、清明堂。
丹波栗をたっぷり使った栗まんじゅうや栗きんとんなどがあります。栗まんじゅうは栗餡がたっぷり詰まっていてとても美味しいです!
大正ロマン館。
なぜ大正なのか。謎も多いですが、お城と近又の間にある建物で、ようはお土産物屋さん+カフェです笑
丹波篠山のお土産が揃っていました。建物の中には座る場所もいっぱいあるので、とりあえず入ってみるといいかも。
篠山城跡。
お城は残念ながら残っていませんが、大書院という建物が復元されています。これは、天守閣のない篠山城の中核をなす建物だったらしいですが、年末年始は残念ながら閉館しており入館できず。お城跡には入れました。
2020年のNHK大河ドラマ「麒麟が来る!」の主役の明智光秀ゆかりの地の一つでもあり、これから話題の場所にもなりそうです。
お城の中からの大書院。キッチリ木造で復元しているみたい。
城内には神社もありました。周りに高い建物がなく、見晴らしが良いので気持ちのいい場所でした。