しろいるか旅行記

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2025年2月「四万温泉 積善館」泊 千と千尋みを感じる本館に宿泊。大正ロマン溢れる元禄の湯は唯一無二の雰囲気!

こんにちは、しろいるかです
2025年2月、群馬県四万温泉にある積善館に泊まりました。

旅の全行程

【一日目】
おっきりこみのふる里(ランチ)
宿泊:積善館本館

【二日目】
シャンゴ(ランチ)

 

おっきりこみのふる里

今回向かう四万温泉へは、高崎駅から車で1時間半ほど。高崎から車を借りて向かう途中、伊香保温泉にも近い場所にあるおっきりこみのお店でランチをしました。

この道を登って行けば車で10分ほどで伊香保温泉です。

 

ぐんまちゃんがおっきりこみ食べてる!

おっきりこみは群馬の郷土料理。幅広の麺を使った煮込みうどんのような料理です。

 

年季の入った古民家のような建物ですが、中はきれいです。

 

おっきりこみ、美味しかった!みそ味で体に沁み渡りました。

意外におっきりこみの専門店って無いので、貴重な存在です。

おっきりこみ自体はお土産でよく見かけるんだけどね

 

四万温泉

四万温泉に近づくにつれて白銀の世界へ。

前日大雪だったこともあり、平地より標高が高く、山間の四万温泉では雪がしっかりと積もっていました。ちなみに高崎や伊香保では一切積もっていませんでした。冬場に来るときはスタッドレス必須です。

真っ白な道を慎重に運転して向かいます。

 

四万温泉には温泉街といえるほどの街並みはありませんが、この一角だけ温泉街らしさがあります。雪の積もる中も風情がありますね。

東北の温泉街のような雰囲気!

 

お土産物屋さんやレストラン、酒屋等が何軒かありました。

 

小さな温泉街を抜けると大きな四万グランドホテルが見えてきます。ここから先が大規模旅館ひしめくエリアですね。

 

四万グランドホテルのたもとにある高田屋さん。温泉饅頭の老舗です。ここから道が非常に狭いので、宿の予約がない場合は車だと引き返すしかありません。

 

積善館

狭い通りを抜けて川の手の方に曲がると突如現れるこの風景。

これが…積善館か…!

 

前日に雪が降ったという非常に良いタイミングだったのもありますが、素晴らしい光景です。風情ありすぎる。

これはすごすぎる

雪がね…いい仕事している…

 

手前の朱塗りの橋、三層にわたる湯屋、1階部分はまさかの洋風なので擬洋風建築ですね。これほどのロケーションはここ以外にない気がします。

 

建物から漏れる光がまた妖しさを醸し出しており、美しいですね!

公式にはモデルと言われてはいないですが、千と千尋の神隠し湯屋(油屋)のモデルっぽい雰囲気があります。

また、奥の建物は元禄4年に建てられたものだそうで、なんと築300年以上!?

さすがに建材などは入れ替えたりしてそうですが、それにしても信じられない築年数です。日本最古の湯宿建築だそうですね。

 

この1階部分の洋風建築がなんとも不思議です。二階以上は和風なのに下は洋風。ハッキリと分かれているので擬洋風ともなんだか違うような。

 

また、川を渡る橋もあります。残念ながら川の手前の建物は現在利用していないようですが、ちゃんと橋にも明りをつけて雰囲気つくりしてくれているのは嬉しいです。

 

玄関のアプローチまでくると、雰囲気的には他の老舗温泉旅館と近い感じです。

ちなみに駐車場はこの左手にあります。つまり、橋を渡っていく必要があります。チェックイン・アウトの時間はひっきりなしに車が通るため、写真撮影をするには早朝、お昼、夕方が良さそう。

 

館内もまたいい雰囲気。電話室がでーんと構えているのが味がありますね。

 

玄関で靴を脱いで…と思いきや、今は土足でそのままOKらしいです。下足番をおくのも大変ですしね…。

 

目の前の階段から二階へ。二階・三階部分が客室になっています。

 

内部も複雑なつくりです。迷ってしまいそう。

 

ところどころリノベされつつも、案内板なんかはそのまま古いのが残っていたりして、レトロ空間を生み出しています。

 

部屋:本館 10畳+3畳和室

本館は他にも7.5畳、10畳の部屋がありますが、こちらの広いお部屋しか予約できず。

というか本館の予約はかなり困難です。じゃらん等のOTA経由だとほぼ空いておらず、今回も直前で土日に空いているのをみてすかさず予約しました。

直接電話すると枠がもうちょっと空いていたりするのかな。

廊下をすすんで奥の方へ。

 

イ_38号室です。一番奥のお部屋ですね。

 

冬なのでこたつがありました。これは嬉しい。

二面窓がありますが、右の窓からは駐車場、奥の窓からは川を挟んで隣の建物なので景色が広がっているわけではありません。

 

3畳の前室は荷物置き場かな。4人とかで泊まる場合、テーブルなどを前室の方にどかせば余裕をもって布団を敷けそうです。

そうそう、お部屋にトイレはありません。共用トイレはリノベされていてとても綺麗でしたが、そこが本館宿泊のネックですね。

古い温泉宿はしょうがない

 

山荘・佳松亭へ

積善館は本館以外に、山荘佳松亭という建物の3棟からなる旅館です。

本館と山荘は木造で、登録有形文化財になっています。とはいえ入口の朱塗りの橋から見えるのは本館だけですね。佳松亭はコンクリづくりで、現代風の設備が整っています。

懸崖造りのように本館、山荘、佳松亭の順番で並んで建っている感じですね。

本館から向かうにはこちらの連絡通路を通り、山荘を通り、佳松亭に向かうパターンがまずひとつ。

 

山荘は本館と同じ木造建築でも、ワンランク上といったつくりです。天井も高い。

 

もうひとつのルートはこちらの連絡通路を通ること。奥にあるエレベーターから直接佳松亭に行けます。崖をくり抜いたトンネルのような感じで、夜は正直怖いかもしれない笑

 

佳松亭のロビーは本館や山荘とうってかわって今風の旅館っぽいつくり。

 

明治か大正か、そんな時代から一気に令和まできた気分です。

 

ちなみに佳松亭の外観はこんな感じ。建物自体は普通ですね。

なお、佳松亭に泊まる場合、本館の駐車場ではなく外周通路のようなところを通って直接こちらの佳松亭目の前の駐車場にアプローチすることになります。

 

お土産物屋さんコーナー。

 

ラウンジ。うーん、おしゃれです。

本館及び山荘と、佳松亭は別物と考えた方が良さそうですね。

 

大浴場(杜の湯)

大浴場としては、こちらの佳松亭の杜の湯か、本館併設の元禄の湯のふたつ。なお山荘には貸切風呂(無料)もあります。

今風のお風呂に入りたいなら迷わずこちらの杜の湯です。

 

男女別に分かれています。

 

お茶なども完備。

 

内部は広い内湯と露天に分かれていました。こちらは男湯のほう。

 

内湯、露天ともに源泉かけ流し。結構な湯量が投入されていました。

僅かに硫黄が香り、鮮度も良い良質のお湯です。

 

塀があって景色が抜けているわけではないですが、広々とした浴槽は気持ちよかったです。人がほとんどおらず、静かに入れるのも良いですね。

ちなみにサウナはないよ

 

大浴場:元禄の湯

さて、もう一つの大浴場、そしてこちら積善館のトレードマークともいえるのがこの元禄の湯。

本館のフロント右手、なんだか資料館的な場所を通り抜け…

 

外観で見えていた建物の1階部分、洋風建築になっていた場所ですね。

 

こちらが元禄の湯になっています。ちゃんと男女別。

 

扉を開けた瞬間現れる光景がこれ。

まさにテルマエ・ロマエの世界。ここ、旅館だったよね…?

 

昭和5年に建てられた元禄の湯は、当時の流行り?の洋風スタイルがそのまま残されていました。脱衣所スペースも一体になっているのがそのまま残されており、これもまた当時の雰囲気が味わえる要因ですね。

5つの浴槽はそこから源泉が出て来る仕組みになっており、オーバーフローしたお湯が静かに流れる音だけが響いています。

泉質や湯使いは杜の湯と比べても大きく差は無かったですが、やっぱりこっちの方が湯舟が小さい分新鮮だった気がします。

 

昔はこの蛇口から温泉が出ていたのかな?歴史の重みを感じる堆積物です。

10時から17時の間で日帰り入浴ができるのですが、その時間は正直…混みます。あんまりおすすめしないです。もっとも日帰りでさっと雰囲気を味わう分には日帰りでもありだと思いますが、ゆっくりは入れないと思います。

逆にその時間さえ外せば、静寂の中での湯浴みが楽しめます。これは宿泊してこそですね。

瞑想にも近い気分が味わえる

 

貸切風呂:山荘の湯

山荘に泊まっていないと、本館から佳松亭に向かう通路でしかない山荘ですが、実はひっそり貸切風呂があります。

山荘の雰囲気はなんだかクラシックホテルのような趣きがありますよね。

本館は決して豪華なつくりではないので、こちらに泊まるとまた体験も格別かもしれません。

 

浴槽もクラシカル!ステンドグラスが素敵です!

切風呂の近くに山荘・佳松亭宿泊者限定のラウンジがあったので、そちらに宿泊している場合貸切風呂に入った後ラウンジで一休み…みたいな感じでより楽しめそうです。

出典:館内のご案内 | 四万温泉 積善館(せきぜんかん) 群馬の温泉旅館

 

夕食:積善弁当

本館宿泊者の夕食は、食事処か、もしくはお部屋に持ち帰っていただく積善弁当プランになります。

湯治宿で食するにふさわしい素朴で滋味豊かなお献立、だそうです。

御食事処。どんな場所かなと思ってましたが、思っていたよりもおしゃれなつくりです。

 

松花堂弁当のようなスタイルです。

お部屋に持ち帰ることも想定して持ち運びしやすくなっていて、部屋に持ち帰る場合は大きなお盆を貸してもらい、セルフで持って帰ることになります。

 

お弁当って名前がなんか損している気がする。普通に立派なお食事でした笑

品数も多くて満足でした。お料理は全般的に味付けも良かったので、山荘や佳松亭に泊まって会席料理をいただく場合もきっと美味しいと思います。

どれもちゃんと手作り感あるのがすごい

 

夜の外観

めっちゃいい…!

 

夜は夜でしっかりライトアップされてるのがさすがです。

 

雪が降る中ぼんやり浮かび上がる橋が幻想的でした。

 

朝の積善館と朝食

夜の間、さらに雪がしんしんと降り積もったようです。

 

大粒のぼたん雪が降ってきてますが、また例のアングルから撮りに行くぞ!

 

吹雪の中でも映えますね。

 

さらっさらのパウダースノーでした。

 

朝食もお食事処で。朝も普通に豪華でした!

湯治とはいったい…?

 

チェックアウトして、帰ろうとしたら車がーーーっ!

完璧に埋もれてます。雪かきして掘り起こすに時間かかりました笑

ちなみにスコップは貸してもらえました。

一晩でこんな積もるなんて…

 

宿泊の感想

本館か、山荘/佳松亭に泊まるかで価格帯もサービスもまるで異なります。

本館は一人1万円ちょっとで宿泊できるという、お料理や温泉施設の利用を考えれば正直破格の値段設定です。これは予約困難になるのもうなづける。

山荘や佳松亭は一人3万~という感じなので、普通に高級旅館に泊まりに行く感じでしょうか。

元禄の湯が唯一無二なので、元禄の湯に入りに行くことだけを目的にしたら本館宿泊だと思いますが、山荘の雰囲気も良かったので山荘に泊まり、素敵なお部屋や豪華な食事を楽しみつつ、本館に降りて元禄の湯に入って雰囲気を味わう…というのもアリだと思いました。

四万温泉自体アクセスが悪いのが玉に瑕ですが、また行きたい良い温泉宿でした!

四万温泉には実は過去日帰りで行ったことがあった

 

群馬の老舗イタリアン シャンゴ問屋町本店

さて、高崎に戻ってくると四万温泉の吹雪が嘘のように晴天でした。山の天気は怖い。

高崎でいま知名度が全国的に上がってきているのがこちらのローカルチェーン、シャンゴです。

マツコの知らない世界でも高崎パスタの世界と称して取り上げられ、一度行ってみたいなぁと思っていました。

ちなみにめっちゃ並びます。覚悟した方が良いです。本店でなければもうちょっと並ばずに済むのかもですが、本店信者なので行列にトライです。

 

まずは一通り食べようと思い、セットメニューを注文。サラダのボリュームがすごい。

 

人気のベスビオ。トマトベースの海鮮ソースですね。

ベスビオってメニュー自体あまり聞きませんが、他の高崎パスタのお店にもあるぐらい高崎ではメジャーなメニューみたいです。ベスビオ火山のような辛みが尾を引く美味しいパスタでした。

 

もう一つの看板メニューがこちらのシャンゴ風

カレーソースのような、独特のスパイスが用いられたミートソースが特徴的で、ボリュームあるカツが乗ったカツカレーのような逸品。

個人的にはこれはまた食べたい!癖になる味でレトルトもお土産にしちゃいました。

高崎パスタの世界にハマりそう

 

デザートもしっかりいただき、ごちそうさまでした。

 

四万温泉、雰囲気ある積善館は素晴らしかった

ローマ風な元禄の湯は、夜に一人静かに入ると最高だった

 

千と千尋のモデルっぽい場所訪問記