しろいるか旅行記

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2021年5月 四国【2/7】「桃源郷祖谷の山里 天一方」泊 かずら橋に剣山登山、落合集落の古民家ステイで奥祖谷満喫

こんにちは、しろいるかです
2021年5月、四国旅行の二日目です。徳島の祖谷地方をめぐりました。

初日の記事はこちら

旅の全行程

四国4県の主要な見どころをゴールデンウィーク中に制覇しつつ、気になっているお宿に泊まったり、直島にも行くというよくばりなプラン。6泊7日の長旅です。

本記事は太字部分が対象。

【一日目】
徳島阿波おどり空港~いのたに鳴門店~鳴門の渦潮(うずしお観測船)
宿泊:ホテル祖谷温泉

【二日目】
ひの字渓谷~剣山~奥祖谷二重かずら橋~落合集落
宿泊:桃源郷 祖谷の山里 天一

【三日目】
落合集落展望所~祖谷のかずら橋~歩危マート~道の駅大歩危
宿泊:湖畔遊

【四日目】
桂浜~高知城~名越屋沈下橋~道後うどんおとら~道後温泉街歩き
宿泊:オールドイングランド 道後山の手ホテル

【五日目】
道後温泉街歩き~白楽天今治本店~道の駅今治湯ノ浦温泉金刀比羅宮こんぴらさん)~父母が浜~骨付鳥一鶴土器川
宿泊:JRクレメントイン高松

【六日目】
豊島~直島
宿泊:ベネッセハウス オーバル

【七日目】
直島~岡山駅倉敷美観地区~岡山桃太郎空港

ひの字渓谷

宿泊していたお宿、ホテル祖谷温泉を出てから、かずら橋等の観光名所の方に車で5分ほど行った距離にあるビュースポット。ひらがなの「ひ」のように蛇行した渓谷がその名の由来っぽいですね。

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一応ビューポイントなんだけど、看板は写真のこれだけ。最初宿に行く途中は気づかずスルーした。

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これは確かに「ひ」の字だ!改めて感じる祖谷の秘境感。

ちなみに、反対方向に5分ほど行くとなぜか小便小僧があって、そこもビュースポットらしい。

出典:TOURISM SHIKOKU(四国ツーリズム創造機構)

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小便小僧の手前まで柵もなく行けちゃうらしい

剣山

祖谷地方はホテル祖谷温泉や祖谷かずら橋、大歩危などがある西祖谷と、奥祖谷二重かずら橋、落合集落などがある東祖谷の2つにエリアに分かれています。西祖谷でも十分秘境なのですが、東祖谷に行くとさらに一歩進んだ秘境感を味わうことができます。

西祖谷と東祖谷を繋ぐ唯一の国道は439号線。ヨサクの愛称で知られる酷道(道が狭く走りづらい国道の愛称?)です。

落合集落までであればまだ軽い観光の延長線で行けますが、それ以降剣山までは敢えて走らないとまず走らないであろうレベルの道がずっと続きます。離合箇所が少なく、見通しも利かない感じです。

私たちはヨサクが日本三大酷道だということを事前に予習して行ったのでなんとか耐えられましたが、あまり運転に慣れていない中でふらりと足を伸ばす感じだと、心折られると思います…。

ちなみに、この区間は、それでもヨサクの中では難所ではないらしいです…。

youtubeとかで探すと動画が出てくるのでどんな感じか見てから行くとよいかも。

地元の人は運転もうまく、道も完全に把握しているからかめっちゃ速い!

借りたのがコンパクトカーでよかった…。

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さて、ホテル祖谷温泉から剣山リフト乗り場までだいたい2時間弱程度で到着です。

途中、落合集落や奥祖谷かずら橋を通りますが、いったん無視して先に剣山まで向かいます。リフト乗り場周辺はちょっとしたお土産物屋さんや民宿なんかもあり、久しぶりの人里感にほっとします。駐車場も十分にあるので安心。

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ここ剣山は四国でふたつある日本百名山のうちのひとつ。

標高1,955mと、とても高い山なのですが、もともとかなり高所まで車で登っていて、さらに山頂付近1,750mまでリフトに乗ることができるため、わずか1時間弱の登山で山頂にまでたどり着けるという初心者に優しい百名山なのです!

どちらかというとこのリフト乗り場までの車の道の方がしんどかった…。

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これまで初心者登山と称して関東近郊の山をいくつか登ってきましたが、標高2,000m近い山ははじめて。

リフト区間は自力で歩くと1時間程度で行けるようですが、今回は観光主体の旅なのでリフトのお世話になります。周りのお客さんの服装はガチ登山者と物見遊山の普通の服装の観光客で2:1ぐらいかな?

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リフトは往復で1,900円。山麓見ノ越駅から西島駅まで15分かけてぐんぐん登っていきました。

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フォトジェニックな場所にベンチ。

剣山:山頂への道

西島駅からは山頂を目指しますが、コースルートは5つほどありました。その中でもちょっと傾斜はあるものの最短ルートとなる尾根道コースを進むことに。

出典:剣山観光促進協議会ホームページ

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40分ぐらいで山頂にたどり着けるみたい。

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少し登ると、もう山頂にある剣山頂上ヒュッテが見えています。

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こんな感じで舗装された階段ではないものの、ちゃんと整備された階段状の道が続きます。見晴らしがとにかく良くて気持ちよいです。

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途中にある刀掛の松。

安徳天皇壇ノ浦の戦いで入水されたと教科書にはありますが、実は平家とともに落ち延び、その後剣山に三種の神器である草薙剣を隠したという説があるそうな。そしてここは剣を隠すため山頂に向かう休憩の時に、剣を掛けた松らしい。

実際に三種の神器のうち、草薙剣壇ノ浦の戦いで消失してしまい、新たに伊勢神宮から贈られたものが現在の神器だそうです。

歴史のIFなのかもしれないけど…

ロマンがあるね!

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周りに高い木もないので、なかなか風が強いです!

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こんな感じの階段を登り続け、無事山頂にある剣山神社本宮の鳥居が見えてきました。

剣山:山頂

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山頂は平たい丘のようになっていて、かなり広いです。

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観測所のような施設もありました。

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木道が渡されていて、そこを歩きながら山頂の標識の場所に向かいます。

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無事登頂!初の百名山です。リフト使ってしまったのでちょっと達成感は薄まったけど笑

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山頂からさらに奥にはながーい稜線沿いの道が続きます。次郎笈(じろうぎゅう)と呼ばれる隣の山に続くみたいですね。天候がもう少し良くて、時間があれば行ってみたかった!

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空が広い・・・。

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こんな感じの舞台っぽい場所もあってビューポイントには事欠かないです。

剣山:剣山山頂ヒュッテ

山頂付近にある山小屋です。個室やお風呂も完備してあるようで、かなり設備充実してるみたい。周辺を縦走する人の拠点に使うようですね。

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軽食も扱っていて、宿泊客でなくてもごはんをいただけます。

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さらに隣には劒山神社の本宮が。登頂記念手形なんかも売ってました。

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なんてことない普通のカレーとうどんなんだけど、めちゃくちゃ美味しい!染み渡りました…。

見晴らしも良くて、気持ちのいい山だった

百名山はやっぱり違うわ

奥祖谷二重かずら橋

さて、剣山からまた酷道を通って来た道を戻ります。

途中にあるのが奥祖谷二重かずら橋です。有名なのは「祖谷のかずら橋」と呼ばれる方なんですが、こちらも現存するかずら橋の一つで、観光地化している祖谷のかずら橋と比べるとより秘境感が味わえる感じかな?

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意外にも整備されていて、550円の料金を支払って中へ。

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こちらがかずら橋。かずら(つる草)を巻き付けて作られています。なぜこんな面倒な橋になったのかというと、やはり平家の落人伝説が関係していて、追手が来た時にすぐ切り落とせるようにしているからだそうな。

といってもここは現代。さすがにすぐ切り落とせるような耐久度じゃ問題ありなのか、ちゃんと太い鉄線にかずらが巻き付けられていて安心です。それでも怖いけど…。

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渓流とセットで絵になりますね!手前にあるのは野猿(やえん)という、人力のロープウェイ。ほんとうは体験できたそうですが、残念ながら故障中でした。

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水もめっちゃ綺麗。

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さすがにここまでくる人も少ないのか、自然たっぷりの雰囲気を静かに楽しめました。

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奥祖谷まで足を伸ばすことがあればぜひ寄っておきたいスポットです。

桃源郷祖谷の山里:受付

本日宿泊するのは落合集落にある一棟貸しのお宿。桃源郷祖谷の山里です。

落合集落とは、山の斜面の急傾斜地に作られた独特の景観の集落。集落の上と下の高低差はなんと390mにも及び、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。

この落合集落の風景に惚れ込んだのが東洋文化研究者のアレックス・カー氏。実際に古民家を購入し住むだけではなく、後世に向けてこの景観を残すべく古民家再生プロジェクトを始めたそうです。

この桃源郷 祖谷の山里は、アレックス・カー氏が関与するNPO法人が運営する宿泊施設。落合集落の居住者がいなくなった古民家を整備し、一棟貸しで宿泊できるのです。

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集落内の道は非常に入り組んでいて、宿泊する古民家に自力でたどり着くのは困難のため、集落にほど近い旧落合小学校跡に受付が用意されてます。

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ここで受け付けをし、宿の方に車で先導してもらう形です。

桃源郷祖谷の山里:天一

宿泊できる古民家は集落内に複数あるのですが、その中でも見晴らしが非常に良いといわれるこの天一方(てんいっぽう)を選びました。

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茅葺きの屋根の古民家で、外観はかなり古そうですが内部は完璧にリノベされています。

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家の目の前からこの景色!180度のパノラマで山々や対岸の集落を見渡せます。

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周りはずーっと山。コンビニどころか商店すらありません。

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桃源郷というのも頷けますね。別世界に来たような雰囲気です。

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祖谷地方の山は、斜面に沿って家が立ち並ぶのが他の地方と違うところな気がします。どうしてここまで生活しづらい場所なのに集落があるんだろう。

そして、こういう集落ってもう廃村になってしまっているところも多いと思うんですが、そのどれもが現役というか、人の生活感が感じられます。

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こちらはキッチン。

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IHまで用意されたシステムキッチン完備です。食器や調味料も一通り用意してあり、自分で食事を作ることができます。また、オプションでケータリングなどを頼むこともできるようです。そのほか、庭でバーベキュー可。有料でバーベキューセットを借りられます。私たちは食材を準備してお庭でバーベキューを楽しみました。

ちなみに、最寄りの商店は後述の歩危マートぐらいで、それでも1時間はかかります。現地調達は絶対無理なので注意が必要です。

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部屋の中からも景色がすごい。

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リビングはもともと囲炉裏だったところがソファスペースにリノベされてます。

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茅葺きなので虫もいそうでしたが、5月の時点では虫も見かけませんでした。

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屋根が高くて解放感があります。

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夜になると、対岸の集落の灯りがポツリポツリと見えますがほぼ真っ暗。ちょっと怖いぐらいかも。

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家の灯りがほっとします。貴重な体験をすることができました。

集落の中だけど近くに家屋はないので、プライベート感もしっかり保てた

落合集落展望所

翌朝、泊まっていた落合集落の全貌を見るために対岸の展望所へ。

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先客かと思ったらかかしだった。ちょっと怖い笑

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落合集落の地図。

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対岸から見ると改めてすごさがわかります。落合集落だけ他のまわりの集落と高低差や規模が全然違う!ちなみに写真に青ピンを立てた場所(集落の上の方)が宿泊した天一方です。こんな上だったんですね!

祖谷のかずら橋

宿をチェックアウトし、徐々に人里の方に戻っていきます。

その途中祖谷のかずら橋を通ったので、こちらの方にも寄ってみることに。

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びっくりするほど広い駐車場。というか祖谷でこれだけのスペースが確保できるのがすごい。

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併設されたお土産物屋さん+レストランの建物も広すぎる。そして賑やかすぎる。秘境から戻ってきた安心感がすごいです。

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かずら橋の方までは駐車場から歩いて5分ほど。後ろを振り返ると、あのだだっ広い駐車場は懸崖造りのようにして作られたものだとわかりました。

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こちらのかずら橋は奥祖谷のものと比べると大きい!あと掛けられている場所が高いです。

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かずら橋は3年に1回架け替えるそうで、架け替え期間は休業となるそうです。奥祖谷の方もそうらしいので事前リサーチが必要ですね。

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こちらのかずら橋、奥祖谷のものと比べると高度感がかなりあって普通に怖いです。幅は変わらないので、やっぱり落ちたら死ぬんじゃ、と思う高さだと急に足がすくむんですね…。

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スリルを味わった後は祖谷名物のでこまわしをいただきます。

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でこまわしとは芋、豆腐、こんにゃくの三位一体の串。名前の由来は囲炉裏に指して焼くときに木偶を回しているように見えたことからついたそうです。

ちなみに芋はごうしゅいもという祖谷地方の特産、豆腐は石豆腐という固い豆腐でこれまた祖谷の特産。こんにゃくも祖谷の特産と、祖谷を味わうならこれですね。

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食べ足りず、こちらはこんにゃくの揚げ物。噛むとジュワっと油が染みでてきてこれまた独特の味わい。美味しかったです。

こっちはお店がたくさんあって、秘境感と観光地感が良い感じで交わってる

歩危マート

かずら橋からさらに人里へ降り、ついには鉄道が走るJR大歩危駅の前まで戻ってきました。

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こちらはJR大歩危駅前にある歩危マートという個人商店(?)

ローカル感あふれる見た目とは裏腹にぼけあげと呼ばれる名物料理で観光客にも人気だそうです。また、奥祖谷に向かう際はここがある意味最後の商店になります。

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こちらがぼけあげ。めっちゃでかい厚揚げなんですが、素焼きにしたものにおろしと醤油をかけていただきます。サクサクで美味しかった!

道の駅大歩危

大歩危小歩危(おおぼけ・こぼけ)はラフティングの世界大会も開かれるほどの激流・吉野川に沿った渓谷。

なんだかシュールな地名ですが、これは断崖を意味する古語から来ている説と、大股でも小股でも歩くと危ないからという説があるそうです。

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激流地帯じゃない場所はとてもおだやか。

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ちょうど対岸に、四国まんなか千年ものがたりという観光電車が走ってきました!

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ここ大歩危ゲゲゲの鬼太郎でも有名な子泣き爺の伝承の発祥地だそうです。その関係からか、妖怪ミュージアムが併設されていました。

祖谷は温泉もあり独自の文化もあり、百名山もあって見どころたくさん

魅力たっぷりの秘境!けど観光客が来すぎると秘境じゃなくなるしバランスが難しいね

次は高知県に行きます。