しろいるか旅行記

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2022年4月 「会津東山温泉 向瀧」泊 登録有形文化財第一号の宿の宿泊記。ライトアップされる中庭向きの部屋がおすすめ!

こんにちは、しろいるかです
2022年4月、会津東山温泉にある登録有形文化財第一号の宿、向瀧に泊まってきました。

旅の全行程

【一日目】
那須塩原駅~森林ノ牧場~大内宿~三澤屋
宿泊:会津東山温泉 向瀧

【二日目】
会津若松観光(飯盛山会津若松城~白孔雀食堂~七日町通)~石窯パンNAOZO

会津若松へのアクセス

今回の旅の目的地は福島県会津若松市にほど近い温泉地、東山温泉。

東京から会津若松へのアクセスは意外に素直に行かず、東北新幹線の福島駅から在来線に乗り換え1時間ちょっと。特急だとリバティ会津会津田島駅まで行き、そこから在来線に乗り換え1時間ちょっと。他には高速バスという手もあります。

最速の新幹線でも2時間半ほどかかってしまうため、いっそ那須塩原で降り、レンタカーを借りて那須の観光地をすこし楽しみつつ、大内宿を経由し、会津若松を目指すルートにしました。

那須塩原駅から会津若松までまっすぐ車で向かうとだいたい1時間半ほどの道のり。下道ですが、道幅も広くとても走りやすい道だったのも良かった。

森林ノ牧場

折角那須を経由するので、那須といえば牧場!

南ヶ丘牧場や、千本松牧場が有名ですが、今回はちょっとこじんまりとしたこちらの森林ノ牧場へ行ってみることに。

 

ここの乳製品は近くの星野リゾートにも卸してるらしい。

牧場の規模は有名な観光牧場と比べるとかなり小さめ。観光施設などはほぼ無いですが、カフェが牧場の入口にあります。

カフェの裏手から子牛が放し飼いにされているエリアに入ることができました。

さっそくのんびりしてる牛さんを発見!

片道5分ほどのちょっとした山道を歩いていくと…

奥に放牧エリアがあって、こちらも気持ちいいです。ちょうど牛さん達も放されていますね。

高台にあって、景色も良い感じ!

これだけといえばこれだけなんだけど…

癒された

こちらに来た目的はソフトクリームが美味しいと噂で…

ちょうど、いちごの季節だったのもあり、期間限定のいちごパフェをいただきました。

うん、これは美味しい。幸先のいい旅です!

大内宿

森林ノ牧場から車で1時間ちょっと。会津若松への道のりの途中にあるのが大内宿。

江戸時代からの街並みが残る宿場町で、茅葺きの屋根の建物が両脇に並ぶ光景はとても風情があると評判です。

周りはのどかな田園地帯。4月ですがまだ雪がうっすら残っていました。

大内宿は江戸時代に下野街道(会津西街道)と呼ばれた、会津と日光を結ぶ街道の宿場町のひとつ。この街道は明治時代に入り主要な鉄道ルート等から外れてしまったことで、結果として古い町並みが残され、いま現代においても古い町並みが残っているそうです。

 

街道の宿場町らしく、メインストリートに沿って両側に茅葺き屋根の建物が並ぶさまはなかなか見ごたえがあります!

途中には食べ歩きできるお店もあったり…

昔懐かしい光景が広がります。

神社もありました!

舗装されていない道と、両脇の水路がいっそう雰囲気を高めてくれてますね。

これはさるぼぼ…?

 

さるぼぼといえば飛騨の名産。飛騨といえばここ大内宿と同じような街並みが残る世界遺産白川郷があります。なんとなく繋がりを感じさせますね。

白川郷は集落なのでまた違った趣きです!村内の民宿に泊まってみた記録。

軒先のねこ。

やっぱ猫は良い…

街道の突き当りには高台に登る階段があり、その上にはお堂が。

街道を見下ろすことができるビュースポットなので、是非ここまで頑張って行きたい!

三澤屋

大内宿といえばいつからか、誰が広めたか、有名なのが葱そば

あの葱を箸の代わりにして食べるやつです。一度はテレビの旅番組とかで見たことがあるやつ。

メインストリートの入口にある三澤屋さんでいただきます。

こちらは人気店ですが、番号札形式になっていて、さらにだいたいの待ち時間を教えてくれるため、大内宿についたらまずここに寄って番号札を貰い、その後集落を散策するのがおすすめ。

ご主人がご飯を食べてるのを静かに待っている、賢いわんこがいました。

古民家がそのまま使われていて、中はとても広いです!

メニューはいろいろありますが、この高遠そばというのがいわゆる葱そばみたい。

お店のホームページ曰く、おろしそばのことをこの地方では高遠そばと呼ぶそうな。

まさかのお通しが笑

こちらはサービスでした。

でたー!

インパクト大の葱そばです。葱を箸替わりにして食べるんですが、葱もかじりながら食べていくので、葱を食べ過ぎると途中で箸がなくなってしまいます…

最後まで葱で食べるために自身の葱リソースをうまく管理しながら食べ進めていくという、なんだか不思議な体験をしました笑

 

葱は辛みが少なく食べやすい味で、一本まるまる完食しちゃいました!

こちらの天ぷら盛り合わせも美味しかったです。揚げ饅頭が隠れているんですが、これが美味しくて、お土産に頼んでいる人までいました。会津地方でよく食べられる食べ方らしいですが、これはもっと広まってほしい!

お隣にある酒屋、三澤屋久右衛門さんで大内宿限定のお酒、雪中百姫を購入。会津の花春酒造さんのお酒を雪の中で氷温熟成させたもので、最大12年ものまであります。

これまで日本酒好きでなかったのに、ここのペアリングが美味しすぎて目覚めました

東山温泉 向瀧:外観

さて、大内宿をしっかり楽しんだあとは東山温泉 向瀧へ。

 

東山温泉は会津若松の市街から車でわずか10分ほどの場所にある、まさに会津奥座敷と言える温泉地。どちらかというと大規模旅館が多く立ち並ぶ、鄙びた昭和の温泉街の雰囲気なのですが、その中でも向瀧は昔からの建物を残し続け、なんと日本の登録有形文化財制度で認定された建物の第一号の建物になっているのです。

 

登録有形文化財は今でこそよく見かけるようになりましたが、平成8年の文化財保護法改正によって新たに設けられた制度。後世に残すべき建造物を認定し保護していく制度なのですが、第一号に認定されるとは、まるでこの宿のために作られたような制度ですね!

ここだけ橋を渡ると別世界のようです。

明治期に建てられたものらしい。

全景。コの字型の建物で、全部で4棟で構成されていてすべて登録有形文化財なんだとか。

東山温泉 向瀧:内観

中に入ると磨き上げられた床がお出迎えです。

ちょっとしたお土産物屋さん。自前のお酒とか、お酒のパウンドケーキとかも作っていてなかなかお商売に精力的です。

向瀧の特徴は素晴らしい建物もそうですが、綺麗に整えられた中庭も素晴らしい。

中庭を望む廊下がまた良いですね…。

この複雑なつくりにワクワクします。

中庭も傾斜地に作られていて、立体感を楽しむことができます。

滞在中わかったことは、庭を眺めるには朝方が特におすすめと感じました。陽の光が差し込んで美しいです。

建物が庭を取り囲んでいるので、いろんな角度から楽しめます。

建物の中もなかなか迷路な感じ。

特にこの傾斜沿いに作られた一番奥の建物は、迷宮に迷い込んだようです。

同じ懸崖造りの建物として、伊勢にある麻吉旅館を思い出しました。

お庭は雪が降り積もる冬、さくらが綺麗な春、緑が茂る夏に紅葉が素晴らしいであろう秋、各季節が想像できるのがいいですね。ただ訪れた4月上旬は庭を愛でるにはちょっと中途半端な時期だったかもしれません…。

東山温泉 向瀧:お部屋

通されたお部屋は百合の間。

和室ですが、間取りがちょっと特徴的かも。

一つとして同じ間取りがないのが昔からのお宿の魅力でもありますね。

お部屋で自家製の水ようかんとお抹茶をいただきます。

この旅館は中庭が素晴らしい一方、旅館の周りの景はあまり整っていないという実態があるため、中庭に面したお部屋をぜひ選びたいです。

お部屋から見える景色ってすごい大事だな、と今更ながら感じます。

広縁から見える中庭が素晴らしく、滞在中はここが定位置になりました。

同じように広縁に滞在中ずっと座ってた気がする、法師温泉長寿館。

東山温泉 向瀧:貸切風呂

向瀧では貸切風呂が3か所あり、いずれも空いていれば自由に入ることができます。

私たちのお部屋のちょうど下に貸切風呂があったのでありがたい!

3つともほとんど同じつくりなんですが…

実は手前が一番大きくておすすめ

小さい浴槽に豊富にお湯が注がれています。もちろんかけ流し。

特徴は少な目のお湯なんですが、サラサラしていてめっちゃ気持ちいい!

お湯が新鮮だからなのか、なぜかハマってしまいました。

この浴場の雰囲気が独特なのも気持ちよかった要因かも?

天井のこの装飾や、全面タイル張りのレトロさとか、古いんですが清潔に保たれている感じ。

堆積物がたっぷりなのも、見た目に反して濃いお湯なのかもですね。

東山温泉 向瀧:さるの湯

こちらは大浴場ポジションのお風呂。

温度も一番低くて入りやすいです。露天風呂はないんですが、窓を開け放して入ることができるので、風が入ってきて半露天風呂みたいに入れます。

宿泊当日はほぼ満室だったはずですが、なぜか他の宿泊客には一切かち合わず。皆何してたんだろう…。

良い湯だった

温泉宿へ行くと、ずっと温泉入ってる気がするね

東山温泉 向瀧:きつね湯

もうひとつのお風呂がこちらのきつね湯。

こちらは貸切風呂を一回り大きくしたような雰囲気のお風呂です。実は驚くほどお湯が熱く、まさかの44度!

ギリギリ入れましたが、スッキリして気持ちいいですね笑

なんでもあの新選組副長の土方歳三もここで療養していた可能性があるそうな。というのも湯治場として土方歳三が使っていた宿は諸説あるらしく、そのうちの一つなんだそうです。

東山温泉街お散歩

お風呂に入ったあとは東山温泉をお散歩してみます。

東山温泉自体は街歩きに適した感じの街並みではないですが、昭和を感じられてなかなか楽しかったです。

途中には羽黒山神社の分社も。

羽黒山で黄金の御朱印をもらった記録(期間限定でした)

お散歩していると日も暮れてきました。

ソースかつ丼のお店。これ絶対おいしい。

風情ある小道。残念坂というらしい。ここが昔の温泉街の入口で、温泉を訪れたお客さんが後ろ髪をひかれる思いで帰るので残念坂…なんだとか。

温泉街に空いているお店はあまりないのですが、そのうちの数少ない一件、射的屋さん。

こちらの御宿、新滝が一番東山温泉で大きいお宿みたいですね。

夜の向瀧

散策を終えて戻ってくると、向瀧の真の姿が!

美しすぎる…

ほんとここだけ別世界です。

ぼんやりと障子から明かりが漏れるところが良いですね…

登録有形文化財第一号はさすがの貫禄だった。

ちなみに周りはこんな感じです。周りはめっちゃ普通なんですね。

東山温泉 向瀧:夜ご飯

夜ご飯はお部屋でいただきます。

お宿オリジナルの日本酒も飲み比べしました!

盛り付けが綺麗な先付。

見た目がユニークなハゼ?の箸置き。中につまようじも入ってます笑

くるりという赤大根を使ったお鍋。似ると色素が溶け出して、ほんのり赤くなるお鍋は春らしくていいですね。

伝承の一品、鯉の甘煮!

向瀧は江戸時代、会津藩の保養所としての役割も担っていたことから、こちらは会津藩武家料理のひとつだそうです。鯉をぶつぎりにして煮たもので、お酒に合う感じ。好みはちょっと分かれるかもしれない。

一人一皿なんですが、結構量も多いので真空パックに詰めてお土産にしてもらえます。私たちは1皿を二人でシェアしてもう一皿は丸ごと持ち帰りにしてもらいました。

桜の香りの一口おこわと一口ステーキ。美味しかった!

会津伝統料理のこづゆ。結婚式とか祝いの席で振舞われるおめでたいものなんだとか。

最後は雪下にんじんの揚げ出しとごはん。どれもとても丁寧に作られてました。

お料理が出てくるタイミングも良くて、お食事に満足

お庭は夜遅くまでライトアップしていて、ずっと眺めていられました…。

東山温泉 向瀧:朝ごはん

朝食もお献立つき!

豪勢な朝ごはんです。

ごはんが美味しくて、朝からおかわりしちゃいました。

東山温泉 向瀧:感想

朝夕ともにご飯もしっかりと美味しいし、お風呂も落ち着く貸し切り風呂に新鮮なお湯が楽しめて良かったですが、やっぱりなんといっても建物と中庭がすばらしいお宿。

中庭が眺められるお部屋であれば滞在中ずっと庭を眺めながら気持ちよく過ごすことができると思います。評判のお宿なのも納得ですね。

飯盛山会津さざえ堂)

翌日、会津若松観光へ。

幕末の悲劇、戊辰戦争で白虎隊が自刃したという、飯盛山に行ってみました。

飯盛山には、不思議な建造物で有名な会津さざえ堂があり、観光地になっています。

懐かしい雰囲気の通りを抜けて

山を登るんですが、なんと有料の動く歩道が設置されてます笑

会津さざえ堂の正式名称は円通三匝堂というらしく、1796年に建てられた重要文化財

さざえのようにらせん状の通路になっていて、登りと下りで違う道を通ることになります。

これは、当時参拝客がごった返さないように一方通行のつくりにしたんだとか。この不思議な構造は意外にも合理的な理由からなんですね。

会津に来たら一度は行っておきたいさざえ堂でした。

奥には墓地があり、会津若松城を望むことができます。

先に会津若松城を訪れておくと、一層入り込めるかもしれません。

会津若松城鶴ヶ城

つづいて向かったのは会津若松城

鶴ヶ城の名でも知られ、赤瓦が特徴的なお城です。

戊辰戦争後は荒廃し、一度は取り壊されてしまったものの、昭和の時代に天守閣が再建されています。

桜の時期にはあと一歩及ばず…!

赤瓦のお城は珍しく、目立ちますね。

内部は展示エリアになっていて、城の歴史を知ることができます。

最上階からは素晴らしい眺めが!奥に見える立派な雪山は磐梯山みたい。

昨日大内宿でハマった揚げ饅頭をもう一度。揚げ饅頭串は期待を裏切らない美味しさでした。

白孔雀食堂

会津B級グルメといえばソースかつ丼ソースかつ丼が名物の土地は結構ありますが、会津もそのうちのひとつ。

有名なお店もあるみたいですが、お宿の人におすすめされたのがこちらの白孔雀食堂。

って、これはなかなか入るのに勇気がいる外観です…。知らなければ絶対入れない…。

中に入るとサインの山。これは確かに人気店だ。

出てきたソースかつ丼はどんぶりからはみ出すビッグサイズです。

あぁー、めっちゃ美味しい。分量多くてムリかと思いましたが、意外にもいけました。

さすがの人気店だった

ちなみに立地は車でないとなかなかつらい場所。駐車場は裏手に数台分あります。うまくいけば停められるかも。

七日町通

会津若松観光の最後はここ。藩政時代から明治期まで会津若松の玄関口でもあり繁華街でもあった場所。現在は大正時代の建物などが立ち並ぶ通りとして会津観光名所のひとつになっています。

近くのコインパーキングに停めて、散策してみました。

JR七日町駅もレトロな駅舎ですね!

中には会津のアンテナショップも入っています。

洗練された感じの和菓子屋さん。

会津ブランド館。ここはチョイスが幅広くて、お土産物を選ぶのにちょうどよかったです!

NAOZO(那須塩原のパン屋さん)

会津若松を堪能して、車で那須塩原へ戻ります。

途中、人気のパン屋さんに寄りました。

石窯でパンを焼き上げているんですが、予約をすれば焼きたてのパンをいただくことができるんです!(むしろ予約しないとパンがないかも)

予約方法は電話のみなのでちょっとハードル高いですが、電話したら焼き立ての時間と、焼きあがるパンの種類を丁寧に教えてくれます。

焼き立てパンは驚くほど美味しくて、時間をあわせてでも行きたいパン屋さんでした。

レーズンクルミパン。これ美味しすぎる。

こちらは山型食パン。外サクサク、中モッチモチでそのままいけちゃいます。

那須に来たらまた買いたい!オススメのパン屋さんです。

牧場、大内宿、温泉、文化財会津若松観光、それとパン…

濃厚な二日間だったね